【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う影響や資源高・円安による物価高の影響などは未だ残るものの、経済活動は徐々に正常化に向かいつつある中で景気は緩やかに持ち直しの動きを見せました。一方、当社グループを取り巻く事業環境としては、近年消費者の価値観が「所有」から「利用」、「モノ」から「コト」へ変化する中で、「サブスクリプションビジネス」がBtoCの分野で先行的に拡大しており、すでに「サブスクリプション」はビジネスモデル変革の一つのキーワードとして広く業界に認知されるに至っております。こうした中で、トヨタ自動車の「KINTO」のように、日本企業、製造業においても「モノ」を中心とした売り切り型のビジネスモデルから、顧客に新たな体験価値を提供し継続的に対価を得る「コト」を中心としたビジネスモデルへと軸足を移そうという動きが具体的に始まっていると思料しております。また、近年は、技術革新に加え、社会生活の態様の変化を踏まえ、日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進んでいく環境が出来上がりつつあるものと思料しておりますが、加えて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を契機に、コンタクトレス・エコノミーへの対応が求められる時代にもなりました。このような環境において、当社グループは創業以来「情報基盤の創造によって、より豊かな社会の実現に貢献する」ことを理念とし、「サブスクリプションをすべてのビジネスに」をテーマに、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats®」の開発・提供を一貫して行っております。サブスクリプション型ビジネスへの転換・事業創出のニーズは各産業に通底するものであり、当社プラットフォームを展開しうる業域は広いため、今後も事業機会は増加していくものと想定しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動が制約を受けたことを契機として、中長期的には、社会生活の態様の変化から日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進み、日本企業のビジネスモデルのサブスクリプション型ビジネスへの転換が従来よりも加速していく可能性もあり、その場合には、当社の主力製品である汎用型サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats® Platform Edition」は、より一層の支持を受けるものと期待されます。当社グループでは、全てのサブスクリプションビジネスを取り込み得る将来的な拡販の可能性とそれに伴う企業成長を目指し、2017年半ばより汎用製品である「Bplats® Platform Edition」を主力製品として、当期においても引き続きその拡販に注力しております。この主力製品につきましては、株式会社KINTO、NTTコミュニケーションズ株式会社、コニカミノルタジャパン株式会社、株式会社NTTデータなどの有力企業に採用されるなど実績を着実に積み重ねております。このように、当社製品はサブスクリプションビジネス事業者の業態・業界を選ばず支持を受けており、日本企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームシステムとして着実な事業進捗を重ねているものと判断しております。また、「Bplats® Platform Edition」で実現する「エコシステムがつながる」という当社の強みの機能向上を推進し、多様なニーズに対応すべく、新たなオプション機能の開発を継続的に進めております。特に、自社のサブスクリプションサービスを他事業者のサブスクリプションマーケットプレイスを通じて提供できる新サービス「Bplats® Connect」を活用すると、大手のサブスクリプションマーケットプレイスを展開する事業者に自社のサブスクリプションサービスを登録し新しい顧客層にサービスや商品を提供することや、複数の「Bplats®」の利用者が集まって一つのマーケットプレイス型サイトを新たに開設することによりスマートシティやスマートビルディングといった個々の目的にあった新たなマーケットプレイスに参加する各企業のサブスクリプションを簡単に取りまとめ新規のビジネスを立ち上げることが可能になります。例えば、トヨタファイナンス株式会社の「TFC SubscMall」において、「Bplats® Platform Edition」が採択されており、サブスクリプションのマーケットプレイスの開設、全国のトヨタの販売店などが参加しての店舗とオンラインを融合した顧客接点の創出などによる、サブスクリプションの新しいビジネスモデルの実現に「Bplats®」をご活用いただきます。2022年10月には、主力製品である「Bplats® Platform Edition」のメジャーバージョンアップ版として「Bplats® Platform Edition v3」の提供開始を発表いたしました。「Bplats® Platform Edition v3」では、国内随一のサブスクリプション・インフラとして、昨今急速に変化・変容する社会の基盤となる責務に応えるべく、以下の機能群の開発に重点を置いております。1.“つながる”仕組みである「Bplats® Connect」スマートビルやスマートシティも視野に入れた、事業者間の共創モデルにおいては、「企業間でのサブスクリプション商材の取引」にさらなる期待が高まっており、「Bplats® Connect」に関係する機能群を大幅に強化いたします。2.わが国における各種法令への対応2022年6月施行の特定商取引法の改正への適合など、利便性を損なうことなく、安心感をもってご利用いただけるよう、各種法令に適合した機能群を準備し、適切に対応してまいります。3.「Bplats®」が収容・運用されるクラウド環境の高度化・効率化「Bplats®」の導入がすすみ、社会におけるサブスクリプション・インフラとしての側面が強まり、「Bplats®」が収容される環境の安定や監視の高度化、バージョンアップや運用に係る時間と労力の圧縮といった課題を解決すべく、集中管理ツールである「Bplats® Hub」を開発し、コンテナベースの運用管理や各種自動化を基軸に、「Bplats®」を効率的にマネージすることを可能としました。当社といたしましては、このように主力製品「Bplats® Platform Edition」の機能向上を進めつつ、直販営業の強化に加え、販売パートナーの拡充と販売パートナーへの営業支援を強化し新規契約件数の拡大に注力しております。直販営業に関しましては、各種セミナー・講演、メルマガ配信、各種媒体へのプレゼンスなど、マーケティング活動の強化を進め、リード獲得、商談化へとつなげてまいりました。2022年11月には、株式会社ラックに、セキュリティ/システム開発事業で培った経験を活かして推進する、街全体を見守る総合的なセーフティ・サービス「town/SmartX事業構想」の実現に向けて、「Bplats®」が採用されました。販売パートナー経由の販売に関しましては、継続的な販売契約に基づく販売パートナー(2023年3月末現在14社)と連携し再販等の営業強化を進めております。さらに、2023年2月にSB C&S株式会社との間で業務提携に関する合弁契約を締結し、同社と合弁会社であるITplace株式会社を組成いたしました。IT商材のディストリビューターであるSB C&S社とサブスクリプションのプラットフォームを持つ当社が連携することで、サブスクリプション商材と販売するためのプラットフォームを一体でサービス提供することが可能になります。また、新しいプラットフォームサービスの提供に加え、導入・運用に必要なサポートサービスを提供いたします。なお、当社が出願中の特許のうち2件が特許査定取得となり、2023年1月に登録されました。今後も知的財産面での強化を通じ、主力製品「Bplats® Platform Edition」での活用を含め、魅力的な製品の拡充と事業の成長を図ってまいります。それらの結果、当連結会計年度における受注件数は108件(前期比88.5%)、当連結会計年度末における契約社数(無償版契約社数を含む)は182社(前期比+13社)と着実に契約は伸長しております。当社といたしましては、こうした販売戦略を通じ新規契約件数の拡大に注力することで、引き続き中長期的な成長を目指して当社グループの顧客基盤及びサブスクリプション収益(ストック型の月額収益、オプション追加収益)の拡大に努めてまいります。なお、当連結会計年度においては、売上高に占めるストック収入の割合は、60.0%(前期67.7%比△7.6pt)と売上高の約6割を占める柱に成長しております。また、スポット収入につきましては、開発を伴うスポット収入が伸長し、スポット収入に占めるオプション機能の提供を含む初期費用等の割合は、36.1%(前期85.4%比△49.2pt)、となりました。市場の拡大に向けた新たな取り組みとしては、2020年10月より、リモートワークや新しい働き方で求められる「B2E(Business to Employee)サブスクリプション」のための「サブかん®」の提供を開始しております。「サブかん®」は、昨今急速に対応を迫られる企業内のデジタル・トランスフォーメーション(DX)や働き方改革を支援するツールとして開発したあらゆる業種・業態の企業の課題解決に寄与しうる製品となります。当社は「サブかん®」の提供を通じ企業内サブスク管理の新たな市場の開拓に努めております。なお、2022年7月には、この「サブかん®」について、これまでのオンライン販売サイトからの直接提供に加え、当初のパートナーとしてSB C&S株式会社、日本電気株式会社と契約を締結し、パートナー経由での提供を開始することを発表いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は945,167千円(前年同期比16.8%増)、利益項目については、増収効果に加えて、会計上の見積りの変更により減価償却費が減少したことが寄与し、営業利益は180,268千円(前年同期比870.8%増)、経常利益は176,279千円(前年同期は14,582千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は182,904千円(前年同期は10,881千円)と、前年同期対比大幅な増益となりました。
また、当連結会計年度末における当社グループの財政状態については下記のとおりとなっております。(資産)当連結会計年度末の総資産は1,350,293千円となり、前連結会計年度末に比べ385,824千円の増加となりました。流動資産は545,826千円となり、前連結会計年度末に比べ137,132千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が103,947千円、売掛金が41,944千円、それぞれ増加したこと等によります。固定資産は804,467千円となり、前連結会計年度末に比べ248,692千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の無形固定資産が174,880千円、投資有価証券が49,718千円、それぞれ増加したこと等によります。
(負債)当連結会計年度末の負債合計は710,782千円となり、前連結会計年度末に比べ186,956千円の増加となりました。流動負債は426,522千円となり、前連結会計年度末に比べ153,895千円の増加となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が88,872千円、契約負債が22,071千円、それぞれ増加したこと等によります。固定負債は284,259千円となり、前連結会計年度末に比べ33,060千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が33,058千円増加したこと等によります。
(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は639,511千円となり、前連結会計年度末に比べ198,868千円の増加となりました。これは主に、株式報酬及び新株予約権行使の払込みにより、資本金、資本剰余金がそれぞれ8,139千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が182,904千円増加したこと等によります。株主資本は634,625千円となり、前連結会計年度末に比べ199,184千円の増加となりました。自己資本比率につきましては、47.0%(前連結会計年度末は45.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ103,947千円増加し、350,060千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、332,949千円(前年同期は202,966千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益175,998千円、減価償却費124,072千円、未払金の増加額16,248千円、株式報酬費用14,952千円等で資金が増加したことに対し、売上債権の増加額41,944千円等で資金が減少したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、353,344千円(前年同期は300,542千円の支出)となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得による支出295,150千円、投資有価証券の取得による支出50,000千円等で資金が減少したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、124,342千円(前年同期は60,021千円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入350,000千円等で資金が増加したことに対し、長期借入金の返済による支出228,070千円で資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績当社グループのサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績を事業別及びサービス別に示すと、次のとおりであります。
事業及びサービスの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
サブスクリプション事業
926,794
117.4
初期費用・初期開発等
354,965
146.8
月額利用料等
571,829
104.5
その他の事業
18,373
93.1
合計
945,167
116.8
(注) 当連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
SB C&S株式会社
12,400
1.5
140,872
14.9
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
122,471
15.1
124,283
13.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。当該注記に記載している「1.ビープラッツ株式会社の固定資産の評価」については、「会計上の見積りの変更」に記載のとおり、当連結会計年度に顧客サービスに利用するソフトウエアの見込有効期間を3年から5年に変更しております。その結果、固定資産の減損の識別に従前と比較してより長期間のキャッシュ・フローの考慮が可能となったため、固定資産の減損の発生可能性は前連結会計年度と比較して相対的に低下していると判断しております。その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、当社グループの中長期的な事業戦略に基づき当連結会計年度に実施しました諸施策に関係づけて分析すると、以下のとおりであります。
a.売上高市場で高まりはじめたサブスクリプション型ビジネスへの転換ニーズ、その先行ニーズを捉え、各業界を代表する企業を中心に主力製品「Bplats® Platform Edition」の導入社数が伸長したことに加え、既存顧客の安定的な売上によるストック収益が増加した結果、945,167千円となりました。
b.売上原価、売上総利益当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き製品力の向上を目指した積極的な開発投資に引き続き取り組んだこと等により、売上原価が361,595千円となり、売上総利益は583,572千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益人件費含め適切なコントロールにより、販売費及び一般管理費は403,303千円となり、営業利益は180,268千円となりました。
d.営業外損益、経常利益営業外収益は1,478千円、営業外費用は5,467千円となり、その結果、経常利益は176,279千円となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益法人税、住民税及び事業税、また法人税等調整額等の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は182,904千円となりました。 当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性の事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性については下記のとおりと考えております。資本の財源については、当連結会計年度末においては親会社株主に帰属する当期純利益182,904千円を計上したことから自己資本比率は47.0%となりました。また、資金の流動性については、当連結会計年度末における流動比率は127.9%となりました。
経営者の問題意識と今後の方針については次のとおりと考えております。当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後更に成長と発展を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
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