【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経営成績 当連結会計年度における我が国の経済は、「新型コロナ問題」の拡大に伴い個人消費の急速な減少に加えて、企業の設備投資も慎重な姿勢が継続する等、経済活動が大幅に落ち込み、非常に厳しい状況が続きました。2020年5月25日に第1回目の緊急事態宣言が解除され段階的に経済活動の再開が見られたものの、7月から8月にかけての第二波、11月からの更に大きい第三波に対しては2021年1月8日第2回目の緊急事態宣言が発出されました。その後、2021年4月5日からは感染拡大を防ぐため「まん延防止等重点措置」が特定の地域で順次実施され、2021年4月25日からは第3回目の緊急事態宣言が東京、関西地区等に発出されるなど、経済回復に向けた動きはなお鈍く、「新型コロナ問題」の収束時期を含め将来の見通しが不透明な状況が続いております。 当社グループはITセグメントと暮らしTechセグメントの2つから構成されております。 ITセグメントが注力する流通小売・金融分野において人材不足や働き方改革などを背景として、業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)や顧客満足度の向上のための設備投資需要を追い風とし売上は増加基調にありましたが、「新型コロナ問題」により2020年5月に入り減少へ転じ、既存ビジネスの減少、新規ビジネスの先送り及び中止などによる収益への影響を第2四半期まで大きく受けました。当社が注力する流通小売分野におけるその後の市場動向につきましては、2月の小売業全体では1.5%の減少(出典:経済産業省 商業動態統計月報 2021年2月分)ではありましたが、無店舗販売、大型家電専門店、食品スーパー等を中心に巣ごもり需要に伴う売上が前年より上昇した業種がある一方、百貨店や衣料品小売り等の業種においては落込み傾向が継続するなど、業種によりコロナの影響の2極化が進みました。「新型コロナ問題」は当社の事業にとってビジネスチャンスの一要因ともなっております。コロナ環境下において、リアルのみでなくネットも含めて全体を考えるOMO(Online Merges with Offline)アプローチのニーズが顕著となっている状況に合わせて、当連結会計年度後半において「OMOアプローチプラットフォーム」をサービスモデルとして構築する準備に入り「DX対応」を提供できる体制を目指すこととしました。 一方、暮らしTechセグメントが注力する不動産市場においては、コロナ環境下におけるリモートワーク継続が「新しい暮らし方」や「新しい働き方」へ大きな影響を与えてきております。第2四半期まで営業活動停滞に伴う受注への影響、オペレーションビジネスの空室率増加等の影響を受けました。このような状況の中、第3四半期以降、新たな需要の掘り起こしだけでなく、コスト削減及び要員や空室の稼働対策を推進しました。また複数の大型リノベーション案件を含むリノベーションの受注が大きく増加しました。 「新型コロナ問題」で喚起された住居を固定しない「新しい暮らし方」の模索の流れに応え、Hotel業界の「新型コロナ問題」に伴う空室対策の一助ともなる「goodroomホテルパス」サービスを、新しいプラットフォーム「Living pass」上でサブスクリプションモデルとして9月30日に開始するとともに、TOMOSマンスリーとの連携も実施しました。 「新型コロナ問題」によって喚起された非接触オフィスなどの「新たな働き方」に資する施策の推進を目指し、2020年12月28日付にて、コクヨ株式会社(本社:大阪府大阪市)と資本業務提携を実施しました。また、竹中工務店と共同で開発した「GOOD OFFICE新橋(2021年4月1日オープン)」において、今後「GOOD OFFICE」をイノベーションセンターの位置付けにすることを目指す新たな取組みを開始しました。 またグループ全体のOMOアプローチの推進にむけて、グローバル・ブレイン株式会社(以下「GB」)の 100%子会社である gbDXTechnology 株式会社と2021年3月29日付にて、以下を目的とし資本業務提携をおこないました。・ GB 投資先スタートアップのソリューションおよびテクノロジーを活用することで、IT セグメント のビジネスにシナジー効果をもたらし、国内リテーラーのデジタルシフトを更に支援する。 ・ GB 投資先スタートアップのソリューションおよびテクノロジーを活用して、GDH グループ全体 (IT セグメント、暮らしセグメント)に向けて、新しい IT ビジネスを創造する。 なお、2021年3月期第4四半期連結会計期間において、コロナ環境下でのオフィスの空室率が増加する中で、オフィス需要の変化を受け当社グループが保有するシェアオフィス等の有形固定資産、及び当初の需要計画の達成に見通しがたたなくなった「シェアオフィスサービス用」ソフトウェアなどの無形固定資産の減損損失 96,893 千円を計上しました。 以上の結果、最終的にグループ全体の当連結会計年度における売上高は5,442百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は159百万円(前年同期比58.1%減)、経常利益160百万円(前年同期比58.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26百万円(前年同期比89.5%減)となり対前年比において減収減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。ITセグメント ITセグメントは、オープンリソース株式会社が担当しており、事業の内容としてはSEサービスビジネス、請負ビジネス及び物販ビジネスの3つから構成されています。 請負ビジネスにおいては、当初「新型コロナ問題」に伴う受発注先送りの影響やアパレル業界向けの売上減少に伴い稼働率が低下する等、収益面で苦戦いたしましたが、既に受注していた特定顧客向けの店舗系システム開発案件の促進、特定流通小売向けの基幹システムの改善開発の売上拡大、大口顧客向けの新POSシステムの本稼働等により、収益が改善しております。また「新型コロナ問題」により影響を受けていた、スマートデバイスをDXに活用する店舗系システムの商談も進展しました。 SEサービスビジネスにおいては、主要顧客である流通・金融業界に対して従来型の保守サービスからアウトソーシングサービスへの転換を提案・推進することにより、付加価値の向上、サービスレベルの高度化を通じた他社との差別化を図ってまいりました。「新型コロナ問題」による顧客先事業所のリモートワーク化や自宅待機等に伴い、エンジニア稼働率の低下を一時余儀なくされましたが、その後回復しております。 物販ビジネスにおいては、スマートデバイスDX推進に合わせて第2四半期連結会計期間に受注した大型案件(iPod touchを使用する店舗端末システムの店舗への端末の展開)があり、売上に貢献しました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,929百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント利益(営業利益)は166百万円(前年同期比63.9%減)となりました。
暮らしTechセグメント 暮らしTechセグメントは、従前、ハプティック株式会社及びグッドルーム株式会社の2社が担当してまいりましたが、組織効率化のため2020年5月1日にこれらを合併して会社名をグッドルーム株式会社としました。事業の内容としては、リノベーションビジネス、不動産仲介ビジネス、オペレーションビジネス、メディアビジネスの4つで構成されています。 リノベーションビジネスでは、当初、「新型コロナ問題」により新規の商談推進に影響を受けましたが、第3四半期以降、営業体制を強化し自社運営メディア「goodroom」を活用したTOMOSリノベーションパッケージの拡販及び、TOMOSブランドをベースとした大型リノベーション案件の受注が順調に進み売上が拡大しました。 不動産仲介ビジネスでは、「goodroom」からの送客を利用した従来からの不動産仲介について、「新型コロナ問題」で企業の移転需要や大学のリモート授業導入で学生の東京移転が制限され、需要が減少しましたが、第4四半期連結会計期間では回復しております。 オペレーションビジネスでは、当連結会計年度に新たに品川(東京)、渋谷(東京)の2拠点をシェアオフィスとして開設しましたが、「新型コロナ問題」によりシェアオフィスの顧客獲得に大きな影響が出ており、また既存テナントの一部が退去するなど稼働率が低下しました。第3四半期以降、稼働率の低い共用会議室のオフィスへの転用、価格の見直しによる稼働率の向上等、収益対策を実施しましたが、当連結会計年度期末に入りましても「新型コロナ問題」の影響は継続しております。 メディアビジネスでは、賃貸管理会社の開拓を引続き強化し、自社運営メディア「goodroom」上での掲載数を増加させることによって、反響数や送客による手数料の増収を図りました。第3四半期まで管理会社の広告費抑制の影響を受け、掲載数の減少、手数料収入の減収、「goodroom」のマンスリー・アクティブ・ユーザー数(MAU)、仲介ビジネスへの送客等に影響が出ましたが、新規の賃貸管理会社獲得や取材の強化、サイトの改善等が功を奏し、2021年3月のMAUは、2020年3月の130%増となる126万に達しました。「新型コロナ問題」が利用者数に与える影響は限定的に推移しています。 以上の結果、売上高は2,512百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント損失(営業損失)は63百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)93百万円)となりました。
生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前期比(%)
IT
2,143,954
△5.3
暮らしTech
1,252,664
8.4
合計
3,396,618
△0.6
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、製造原価によっております。3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前期比(%)
IT
137,028
△36.9
暮らしTech
425,185
13.8
合計
562,213
△4.9
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
IT
2,904,353
△15.5
508,455
△4.7
暮らしTech
2,541,263
9.5
203,004
16.4
合計
5,445,616
△5.4
711,459
0.5
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
IT
2,929,328
△13.8
暮らしTech
2,512,731
6.5
合計
5,442,059
△5.5
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
㈱三越伊勢丹システムソリューションズ
342,608
6.0
567,740
10.4
日本NCR㈱
793,949
13.8
514,930
9.5
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態(資産) 当連結会計年度期末における総資産は3,005百万円となり、前連結会計年度末に比べ174百万円増加いたしました。 これは、現金及び預金が129百万円の増加、ITセグメントの請負案件および暮らしTechセグメントのリノベーション売上に伴う売掛金及び受取手形が46百万円の減少、商品5百万円の増加、未成工事支出金30百万円の増加、原材料及び貯蔵品が2百万円の増加、未収還付法人税等が53百万円の計上による増加、シェアオフィス等の減損損失41百万円の計上等を受けて有形固定資産が24百万円の減少、のれんが13百万円の計上による増加、事務所の移転により差入保証金が28百万円の減少、繰延税金資産が24百万円の増加等によるものであります。(負債) 当連結会計年度期末における負債は1,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円増加いたしました。これは、買掛金の68百万円の増加、未払金や預り金等の増加によりその他の流動負債が38百万円の増加、未払法人税等の120百万円の減少、短期借入金の100百万円の減少、長期借入金の246百万円の増加等によるものであります。(純資産) 当連結会計年度期末における純資産は1,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ31百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の26百万円の増加等によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末と比べ129百万円増加し、1,009百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動の結果、収入は46百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益63百万円、減価償却費34百万円、減損損失の計上96百万円、売上債権の減少46百万円、棚卸資産の増加38百万円、仕入債務の増加54百万円、その他の負債の増加18百万円、および法人税等の支払額225百万円があったこと等によるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における投資活動の結果、支出は63百万円(前連結会計年度比50.4%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出30百万円、ソフトウェア取得による無形固定資産の取得による支出62百万円、ITセグメントにおける「3Dシミュレーター」クラウドサービスの事業譲受による支出25百万円および事務所移転による差入保証金の払い戻し64百万円等によるものであります。 財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における財務活動の結果、収入は146百万円(前連結会計年度比201.6%増)となりました。これは長期借入金の実行による収入が246百万円があった一方で短期借入金の返済を100百万円行ったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金を安定的に確保し、グループ内で効率的に活用することとしており、原則として自己資金を中心に賄い、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を行うことを基本としております。 当社グループは現段階を成長過程の途上と考えており、その後の営業活動で得た資金は既存事業の安定的成長及び新規分野の成長の資金にすると共に、成長の基礎を作る研究開発に充当する方針としております。またその成長資金の資金需要を充たすために、自己資金に加えて金融機関からの借入を活用し、株主価値が希薄化する安易な株式市場からの調達は慎重に対処することとしております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、下記については重要なものとして、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。①繰延税金資産の回収可能性②固定資産の減損 なお、「新型コロナ問題」の影響に関する会計上の見積りについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)に記載しております。
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。③ 完成工事補償引当金完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を過去の補償実績を基礎にした一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。④ 工事進行基準による売上高および売上原価の計上成果の確実性が認められるソフトウェア請負案件およびリノベーション工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により売上高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、売上高及び売上原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
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