【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもとで、社会経済活動の正常化が着実に進む中、各種政策の効果もあって、景気に持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ紛争の長期化などの影響により原材料およびエネルギー価格の高騰を受け、急激な物価の上昇などが発生しており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、当年度よりスタートした新しい中期経営計画に基づき、これまでの安定路線から成長路線に舵を切り、スピード感と戦略性のある経営の意思決定による企業価値向上の実現に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高19,738百万円(前期とほぼ横這い)、営業利益452百万円(前期比54.2%減)となりました。また、営業外収益に受取配当金、助成金収入などを計上した結果、経常利益は622百万円(前期比52.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は524百万円(前期比50.6%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(売上高)
工作機械関連
・工作機械:主要顧客である自動車関連業界において、各種部品の納期遅延や、中国におけるゼロコロナ政策の影響で設備需要が減退したことなどから、前連結会計年度に比較し、19.4%減の3,531百万円となりました。
・空油圧機器:チャックは母機となる旋盤向けの需要が増加しましたが、シリンダでは電子部品、半導体関連向けの需要が減速したことから、前連結会計年度とほぼ横這いの1,649百万円となりました。
・電子機械:中国スマートフォンの販売減少の影響を大きく受けて主要顧客の設備投資が見送られたものの、前年度受注した仮積層機の売上が当期にずれ込んだ結果、前連結会計年度に比較し、29.2%増の1,278百万円となりました。
以上の結果、工作機械関連全体では前連結会計年度に比較し、7.9%減の6,459百万円となりました。
火器:国内では防衛省向け20式5.56mm小銃の量産が本格化し、迫撃砲など他の装備品の納入数も増加しました。また海外向けでは、米国市場を中心としたスポーツライフルの需要が増加したため、前連結会計年度に比較し、29.7%増の3,947百万円となりました。
特装車両:産業用清掃機が販売増となったものの、路面清掃車がトラックシャシの納期遅延による生産減となったことから、前連結会計年度に比較し、7.6%減の2,644百万円となりました。
建材:一般サッシが大型案件の生産遅延により減少し、防音サッシもコロナ禍の影響で防衛省の予算執行の遅れ等により減少したことから、前連結会計年度に比較し、8.2%減の2,719百万円となりました。
不動産賃貸:前連結会計年度とほぼ横這いの、495百万円となりました。
国内販売子会社:前連結会計年度に比較し、2.4%増の2,404百万円となりました。
国内運送子会社:前連結会計年度に比較し、11.5%増の841百万円となりました。
その他:前連結会計年度に比較し、3.4%増の225百万円となりました。
(営業利益)
工作機械関連:工作機械の売上が減少したことなどにより、営業利益は、前期の138百万円の営業利益に対し、247百万円の営業損失となりました。
火器:円安の進行により海外向けスポーツライフルの採算が改善したことなどにより、営業利益は、前期の1百万円の営業損失に対し、274百万円の営業利益となりました。
特装車両:路面清掃車の売上が減少したことなどにより、営業利益は、前期の259百万円に比べ47.9%減の134百万円となりました。
建材:売上減少に加えて原材料仕入価格の高騰による収益悪化要因もあり、営業損失は、前期の16百万円から379百万円に拡大しました。
不動産賃貸:営業利益は、前期の377百万円に比べほぼ横這いの379百万円となりました。
国内販売子会社:増収となりましたが、営業利益は、経費の増加などにより、前期の128百万円に比べ3.4%減の124百万円となりました。
国内運送子会社:増収などにより、営業利益は、前期の28百万円に比べ28.1%増の36百万円となりました。
その他:増収などにより、営業利益は、前期の72百万円に比べ74.8%増の127百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ1,095百万円(25.1%)減少し、3,265百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の減少は、506百万円となりました。これは、主として契約負債の減少額765百万円、売上債権及び契約資産の増加額329百万円、棚卸資産の増加額266百万円による資金の減少要因と、税金等調整前当期純利益627百万円、減価償却費506百万円による資金の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、608百万円となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出561百万円による資金の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の増加は、22百万円となりました。これは、主として短期借入金の純増加額500百万円、長期借入れによる収入500百万円による資金の増加要因と、長期借入金の返済による支出732百万円、配当金の支払額240百万円による資金の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
前年同期比(%)
工作機械関連(百万円)
7,226
96.3
火器(百万円)
3,952
129.6
特装車両(百万円)
2,477
86.6
建材(百万円)
2,719
91.6
不動産賃貸(百万円)
-
-
国内販売子会社(百万円)
-
-
国内運送子会社(百万円)
-
-
その他(百万円)
-
-
合計(百万円)
16,376
100.0
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
工作機械関連
7,150
112.6
3,637
123.4
火器
4,377
118.0
3,317
114.9
特装車両
2,416
86.5
464
67.0
建材
3,069
105.1
797
178.4
不動産賃貸
-
-
-
-
国内販売子会社
2,590
98.9
810
129.7
国内運送子会社
841
111.5
-
-
その他
165
99.5
-
-
合計
20,610
106.7
9,026
118.8
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
前年同期比(%)
工作機械関連(百万円)
6,459
92.1
火器(百万円)
3,947
129.7
特装車両(百万円)
2,644
92.4
建材(百万円)
2,719
91.8
不動産賃貸(百万円)
495
100.3
国内販売子会社(百万円)
2,404
102.4
国内運送子会社(百万円)
841
111.5
その他(百万円)
225
103.4
合計(百万円)
19,738
100.2
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月 1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月 1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
英和株式会社
2,238
11.4
2,054
10.4
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、27,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ49百万円減少しました。これは、主として仕掛品の減少1,383百万円、現金及び預金の減少1,089百万円、電子記録債権の減少935百万円と売掛金の増加1,203百万円、商品及び製品の増加852百万円、原材料及び貯蔵品の増加800百万円によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、10,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ514百万円減少しました。これは、主として契約負債の減少755百万円、長期借入金の減少302百万円と短期借入金の増加570百万円によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、17,354百万円となり、前連結会計年度末に比べ464百万円増加しました。これは、主として利益剰余金の増加283百万円、その他有価証券評価差額金の増加209百万円によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、火器は増加したものの、工作機械関連、建材、特装車両が減少したため、前期とほぼ横這いの19,738百万円となりました。国内売上高は、前期に比べ5.3%増の15,311百万円となりましたが、海外売上高は、工作機械関連で中国・インド向けが減少したことなどにより、前期に比べ14.2%減の4,426百万円となりました。
(営業利益)
火器の採算が改善したものの、工作機械関連の赤字化、建材の赤字拡大、特装車両の減益などにより、営業利益は、前期の988百万円に比べて54.2%減の452百万円となりました。(営業外収益(費用))
営業外収益(費用)は、助成金収入が101百万円、為替差益が66百万円減少したことなどにより、前期の312百万円の利益(純額)から170百万円の利益(純額)となり、141百万円損益が悪化しました。
(経常利益)
経常利益は、前期の1,300百万円に比べて52.1%減の、622百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、固定資産売却益が前期は3百万円、当期は5百万円となったことなどから、1百万円増加しました。特別損失は、前期の投資有価証券評価損等による6百万円から固定資産売却損等による1百万円となり、4百万円減少しました。これらの結果、特別損益純額では、前期の1百万円の損失から4百万円の利益となり、6百万円損益が改善しました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前期の1,299百万円に比べ51.7%減の627百万円となりました。
(法人税等・非支配株主に帰属する当期純利益)
法人税等は、法人税、住民税及び事業税が前期は196百万円、当期は75百万円となったことなどから、前期に比べ133百万円減の102百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、ありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の1,062百万円に比べ50.6%減の524百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前期の86.08円に対し43.56円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要には、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、製品を製造するための材料費、外注費、人件費等、受注獲得のための販売費、新製品開発のための研究開発費であります。設備資金需要の主なものは、機械設備の更新や合理化投資等であります。
当社グループは、主として営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入を資金の源泉としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、過去の実績や合理的と判断される前提等を勘案し見積りを実施しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(収益の認識)
当社グループは、工事契約に関して、一定の期間にわたり充足される履行義務は、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗率を見積り、当該進捗率に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。工事の進捗率の見積りは原価比例法を採用しております。当該進捗率の算定には、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末日における工事進捗率を合理的に見積る必要がありますが、当初想定していなかった原価の発生等により工事進捗率が変動した場合及び当初の見積りに反して信頼性のある見積りができなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りに基づき、回収可能性を十分に検証し、将来の税金負担額を軽減させる効果があるものについて繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については毎期検証を行っておりますが、当該見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動などにより見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(棚卸資産)
棚卸資産の評価を行うに当たっては、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定する等の方法により、収益性の低下を検討しております。また、必要に応じ、過剰と認識される場合や一定期間を超えて滞留する場合、簿価を切り下げております。したがって、市況の変動や需要動向に変化が生じた場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、当年度よりスタートした新しい中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)におきまして、これまでの安定路線から成長路線に切り替え、スピード感と戦略性のある経営によりステークホルダーの皆様に認めて頂ける「企業価値の向上」を実現するべく、最終年度の2025年3月期におきまして、連結売上高248億円、連結営業利益20億円、ROE8.0%の目標を掲げており、経営改善に取り組んでおります。
中期経営計画初年度の2023年3月期の実績は、連結売上高197.3億円、連結営業利益4.5億円、ROE3.1%となり、連結売上高はほぼ予想どおりとなり、連結営業利益、ROEは予想を上回ることができました。しかしながら、中期経営計画2年目につきましては、連結売上高198億円、連結営業利益1.8億円、ROE1.2%と厳しい業績を予想しております。
以上の詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(3)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載の通りです。
今後は、計画の戦略骨子に基づき、成長分野を見極めてメリハリのある事業ポートフォリオ戦略を展開し、事業全体の経営効率を向上させていくこと、およびそれに見合った組織体制を構築することにより各事業年度で着実に企業改革を進め、中期経営計画最終年度の目標数値の達成を目指してまいります。
