【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、コロナ禍で抑制されていた経済活動の正常化を背景に、内需を中心に緩やかに持ち直しが見られました。一方、原材料およびエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇や為替変動による影響に加え、世界的な金融引締め等による景気への影響が懸念されるなど、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。このような経済環境のなか、当社グループの事業基盤であります水産、水産加工・流通、食品の各分野におきましても、人流の回復や入国制限緩和に伴うインバウンド需要の伸長が見られるものの、原料価格や光熱費の高騰などに伴う消費者の生活防衛に対する意識の高まりにより、消費マインドに慎重な姿勢が見受けられるなど、厳しい環境が継続しております。こうした情勢のもとで、当社グループは、3ヵ年経営計画「第137期中期経営計画(Toward the next stage)」の2年度として、経営方針「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」をベースに、当社グループならではの一貫した体制で営業展開を推し進めてまいりました。以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は313億51百万円(前年同期比28百万円の増加)、営業利益は7億45百万円(前年同期比1億70百万円の減少)、経常利益は8億55百万円(前年同期比1億57百万円の減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億62百万円(前年同期比69百万円の減少)となりました。セグメント別の概況は次のとおりであります。
<食品事業>すり身部門では、市況が低迷し売上は減少いたしましたが、販売量は堅調に推移し、営業利益は前年同期並みとなりました。鮮凍水産物部門では、カニは相場の下落が続いたことに加え、通販向け販売が低調に推移するなど、売上、営業利益ともに大きく減少いたしました。また、北方凍魚は、ホッケ・赤魚などの原料販売が為替変動の影響を受け、売上、営業利益ともに減少いたしました。助子は、人流の回復により明太子などの土産向けの販売が堅調に推移いたしました結果、売上は増加いたしましたが、原料価格の高騰の影響により営業利益は前年同期並みとなりました。加工食品部門では、養殖銀ザケの販売に加え、ツナやサケ・マス加工品の販売が順調に推移したことで、売上、営業利益ともに増加いたしました。これらの結果、売上高は195億49百万円(前年同期比8億15百万円の減少)、セグメント利益は5億65百万円(前年同期比97百万円の減少)となりました。
<海洋事業>漁網・漁具資材部門では、依然として国内において漁獲不振の影響が続いているものの、きめ細かな営業活動に徹したことにより、海外まき網用漁具資材の販売が好調に推移いたしました結果、売上、営業利益ともに大きく増加いたしました。船舶・機械部門では、船用品や船舶用機器類の販売が堅調に推移したことで売上、営業利益ともに増加いたしました。養殖部門におきましても、各種養殖用資材、養殖用餌料の販売やサケ科魚類を中心とした種苗の販売が順調に推移いたしました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。これらの結果、売上高は58億73百万円(前年同期比11億71百万円の増加)、セグメント利益は2億38百万円(前年同期比1億43百万円の増加)となりました。
<機械事業>機械事業におきまして、国内では各種業界における省人化設備に対する需要は拡大しており、売上は増加いたしましたが、資材価格の高騰や半導体不足による納期遅延が影響し、営業利益は前年同期並みとなりました。海外では円安が続いていることで輸出面でのメリットはあるものの、前年同期ほどの大型案件の獲得には至らず、売上、営業利益ともに減少いたしました。これらの結果、売上高は29億76百万円(前年同期比2億78百万円の減少)、セグメント利益は2億34百万円(前年同期比1億7百万円の減少)となりました。
<資材事業>資材事業におきまして、化成品部門では、昨今のマンション需要により主力の住宅用部材シートや印刷用フィルムの販売は堅調に推移したものの、包装資材などにおいて、引き続く原料価格の高騰分に対して販売価格への転嫁が想定よりも進まず、売上、営業利益ともに減少いたしました。農畜資材でも、農業用資材・肥料の拡販に努めましたが、それぞれ原料価格高騰の影響を受け、売上、営業利益ともに減少いたしました。これらの結果、売上高は22億5百万円(前年同期比56百万円の減少)、セグメント利益は94百万円(前年同期比41百万円の減少)となりました。
<バイオティックス事業>バイオティックス事業では、医療関係者向けや通信販売は引き続き堅調に推移しましたが、大手健康食品メーカー向け「アグリマックス」や「イムバランス」の素材および薬局向けOEM商品の販売が振るわず、売上高は72百万円(前年同期比11百万円の減少)、セグメント損失は0百万円(前年同期は0百万円のセグメント損失)となりました。
<物流事業>物流事業では、経済活動の正常化に伴い、配送業務が回復傾向にあるものの、燃料高騰などの車両に係る経費負担増に加え、運送業界における慢性的な人員不足による経費増などもあり、売上高は6億45百万円(前年同期比19百万円の増加)、セグメント損失は37百万円(前年同期は6百万円のセグメント損失)となりました。
<その他>その他といたしましては、不動産の賃貸、人材派遣業を行っており、売上高は26百万円(前年同期比0百万円の増加)、セグメント利益は20百万円(前年同期比0百万円の増加)となりました。
(財政状態)
(資 産)当第1四半期連結会計期間末における総資産は908億56百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。総資産の増加は、主として売上債権及び棚卸資産の増加によるものであります。
(負 債)当第1四半期連結会計期間末における総負債は647億90百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。総負債の増加は、主として仕入債務及び短期借入金の増加によるものであります。
(純資産)当第1四半期連結会計期間末における純資産は260億66百万円(前連結会計年度比8.2%増)となりました。純資産の増加は、主として資本金及び利益剰余金及とその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は31百万円であります。