【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、日本・欧米などの先進国経済の持ち直しが続くなか、総じて緩やかな回復が継続しました。一方で、半導体等の部品受給逼迫、ウクライナ侵攻の長期化に伴う資源価格の高騰、欧米におけるインフレ加速に伴う政策金利の引き上げ、急速に円安進行する為替相場など依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済情勢のもと、当社グループの電子部品については、コロナ禍からの回復に伴い、受注は増加傾向にありますが、半導体不足の影響により、一部の電子部品で入手困難な状況が続いており、受注残が前期末と比べ増加しております。
その一方で、脱炭素社会への取り組みとして、欧州・中国市場での自動車関連向けの電子部品、産業機器市場向けの電子部品の受注拡大に努めるとともに、高い品質・高い信頼性を必要とされる市場への販路拡大を進めております。それと同時に、工程の自動化・省力化によるコスト削減、新製品の開発に努め、収益力の強化に取り組んでまいりました。
当第3四半期連結累計期間の売上高は5,179百万円(前年同四半期比14.8%増)となりました。
地域別の内訳を示しますと、日本国内では4,075百万円、アジアでは574百万円、欧州では510百万円、その他地域では18百万円となりました。半導体装置用電子機器や産業機器用センサーの受注が増加したことにより、売上高は前年同四半期比で増加しております。
利益面では、原材料価格の高騰、物流コストの上昇、円安による海外生産コスト上昇の影響はありますが、半導体装置用電子機器や産業機器用センサーを中心とした売上が増加したこと、また一部の製品では原材料価格等の価格転嫁が進んだことにより、粗利益率が改善し、営業利益は211百万円(前年同四半期比169.1%増)、経常利益は219百万円(同216.2%増)となりました。一方で、中国・上海で発生した4月~5月のロックダウン(都市封鎖)の影響により、当社上海工場の操業を約2ヶ月間停止しました。これにより、当該期間中に発生した固定費を新型コロナウイルス感染症による損失として計上しており、また上場会社株式で発生した投資有価証券評価損を特別損失に計上しております。この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は45百万円(同166.4%増)となりました。
セグメントの業績につきましては、当社グループは電子部品の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して1,173百万円増加し、8,012百万円となりました。変動の主なものは、現金及び預金の536百万円の増加、商品及び製品の122百万円の増加、原材料及び貯蔵品の554百万円の増加であります。
負債合計は、前連結会計年度末と比較して1,039百万円増加し、6,006百万円となりました。変動の主なものは、短期借入金の930百万円の増加、長期借入金の95百万円の増加であります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して134百万円増加し、2,005百万円となりました。変動の主なものは、為替換算調整勘定の79百万円の増加であります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は239百万円であります。