【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに持ち直しているものの、原油価格高騰などエネルギー価格の高止まり、それに伴う原材料価格の高騰、及び日米金利差拡大による円安ドル高の進行など、一進一退を繰り返す状況となっております。当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界の動向は、国内につきましては板紙及び衛生用紙等の需要は横ばいで推移しておりますが、新聞用紙及び印刷情報用紙の需要は、新型コロナウイルス禍以前の水準までは回復に至らず減少傾向が続いております。海外につきましては、通販市場の拡大に伴う板紙及び衛生用紙の需要が旺盛な中国・アジア地域に期待があるものの、新聞用紙及び印刷情報用紙は国内と同様に需要の減少傾向が続くと見込まれるなど、不安定な状況が継続しております。これを受け、当社は世界的な紙の需要減を見込み、抄紙用フエルトのコスト競争力を強化するべく生産体制の最適化を図ってまいりました。また、品質面では衛生用紙向けベルトが世界的に評価され、拡販につなげるべく積極的な受注活動を行ってまいりました。このような状況の中、当社グループの連結売上高は、為替相場の急激な円安により海外売上高が増加し、連結売上高は6,515百万円(前年同期比11.2%増)となりました。損益の状況につきましては、売上高増加の一方で、原材料価格やエネルギー価格高騰による売上原価の増加、海上輸送の混乱や原油価格高騰による運送コストの増加により、連結営業利益は330百万円(前年同期比51.1%増)、為替差益を計上したことにより、 連結経常利益は564百万円(前年同期比62.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は450百万円(前年同期比66.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。<抄紙用具関連事業>(日本)内需につきましては、厳しい市場環境が続く中、懸命な受注活動を推進したことにより、抄紙用フエルトの販売数量は増加いたしました。また、輸出につきましては、中国国内の一部顧客との商流を当社直販に変更したため抄紙用フエルトの販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は4,146百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は924百万円(前年同期比22.1%増)となりました。(北米)新型コロナウイルス感染症の影響による一部顧客の生産調整の一巡及び板紙向けの需要増により抄紙用フエルトの販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は912百万円(前年同期比54.5%増)、セグメント利益は64百万円(前年同期比693.0%増)となりました。(欧州)新型コロナウイルス対策に伴う販売製品の選択と集中を行ったため抄紙用フエルトの販売数量が減少いたしました。抄紙用ベルトは衛生用紙向けに受注活動を推進したことで販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は952百万円(前年同期比19.5%増)、セグメント利益は62百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
(中国)中国国内の一部顧客との商流を当社直販に変更したため抄紙用フエルトの販売数量が減少いたしました。抄紙用ベルトは一部顧客の操業低下により販売数量が減少いたしました。この結果、売上高は84百万円(前年同期比67.8%減)、セグメント利益は23百万円(前年同期比36.7%減)となりました。(タイ)抄紙用フエルト及び抄紙用ベルトは横ばいで推移しました。一方為替影響により、売上高は146百万円(前年同期比22.8%増)、セグメント利益は27百万円(前年同期比69.1%増)となりました。<工業用事業>需要拡大が期待されている高温成型用の耐熱緩衝材の販売数量が増加いたしました。この結果、売上高は273百万円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は32百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ317百万円増加し、26,050百万円となりました。これは主として現金及び預金が433百万円、原材料及び貯蔵品が150百万円増加した一方、有形固定資産が314百万円減少したことによるものです。 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ37百万円減少し、6,927百万円となりました。これは主として未払金が93百万円増加した一方、繰延税金負債が134百万円減少したことによるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ354百万円増加し、19,123百万円となりました。これは主として利益剰余金が310百万円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ431百万円増加し、4,867百万円(前年度末比9.7%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益564百万円の計上、非資金費用である減価償却費501百万円の計上、法人税等の支払による支出205百万円等により597百万円の収入(前年同期比181百万円の収入減)となりました。 <投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出111百万円などにより114百万円の支出(前年同期比147百万円の支出減)となりました。 <財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出139百万円などにより172百万円の支出(前年同期比17百万円の支出減)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は160百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。