【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、資源高の影響などを受けながらも新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで持ち直しつつあります。輸出や鉱工業生産は供給制約の影響が次第に和らぐ中、基調として継続的に増加しており、企業収益は全体として高水準を維持、これにより設備投資も持ち直し、個人消費もサービス消費を中心として緩やかに増加しております。夏場にはオミクロン変異株による流行第7波が、秋以降はこれまで最大規模となる流行第8波が訪れ、医療体制がひっ迫する等の影響が出ているものの、国や自治体による人々の行動制限は見送られ、かつ県民割や全国旅行支援等の需要刺激策が追い風となり、同期間を通じて行楽地は多くの人でにぎわうなど、当社グループが主たる事業を営む旅行観光業界においても景気回復が目に見える状況になりつつあります。国境をまたぐ渡航においては、各国や地域における入国規制緩和が進む中、内外の金融政策の違いやロシアのウクライナ侵攻からくるエネルギー価格の高騰などのために急激かつ歴史的な円安に見舞われる事態となり、アウトバウンド業界では市場回復への懸念材料となる一方、インバウンド業界の市場回復には大きな期待が寄せられております。
このような状況において、当社グループにおきましては、長期化したコロナ禍に対応すべくグループ内での事業再編や市販出版物事業における事業構造改革を実施し、またグループ全体において新たな収益機会の獲得やさらなる業務の合理化及び効率化によるコストダウンに結び付ける戦略としてDXを積極的に導入、活用しております。また同時に国内の急速な市況変化に対応すべく、市販出版物事業における商品の品揃えの充実を進め、加えて脱炭素社会への対応等、アフターコロナの新時代に向けた新たな製品・サービス開発等の取り組みにも注力しております。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、オミクロン変異株による感染症流行第7波及び第8波が訪れたものの、国や自治体による人々の行動規制は見送られるなど同期間全体としてコロナ禍が事業環境に及ぼす影響が和らぐもと、市販出版物等の売上が堅調に推移し、また読み放題を含む電子書籍の売上も順調に伸び、前年同期に含まれていた一部連結子会社が上記の事業再編を経て連結対象から外れた(下記セグメント別実績[その他事業]の記述をご参照ください)ものの、売上高は3,575百万円となり前年同期に比べ14百万円(0.4%)増加いたしました。(前年同期は3,560百万円)。損益面におきましては、特に市販出版物事業における事業構造改革の効果が出ていることや、売上同様に一部連結子会社が連結対象から外れたことにより売上原価、販売費及び一般管理費がともに減少し、営業損失は265百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ390百万円改善いたしました(前年同期は656百万円の営業損失)。これに伴い、経常損失は369百万円改善し183百万円となりました(前年同期は553百万円の経常損失)。また上記に加え、当第3四半期連結累計期間において固定資産売却益を計上したことなどもあり、親会社株主に帰属する四半期純損失は569百万円改善し、127百万円となりました(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失696百万円)。
当社グループのセグメント別の業績は以下の通りとなっております。
[メディア事業]
メディア事業では、市販出版物及び電子書籍・アプリの企画制作販売、雑誌広告・Web広告の販売、特注品の企画制作販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。
当第3四半期連結累計期間において、国内では3年ぶりとなる行動制限のない大型連休、夏休みシーズン、そして秋の行楽シーズンとなり、かつ県民割や全国旅行支援等の需要刺激策が後押ししたことで旅やお出かけに関連する人々の消費行動が喚起されました。市販出版物では、定番の旅行雑誌『まっぷるマガジン(国内エリア版)』の一部が品薄になるほどの需要回復も見られ、こうした環境変化に合わせて同旅行雑誌の在庫拡充に加えて、『まっぷる おいしい道の駅ドライブ』(最新改訂版)、『山と高原地図ガイド』、『全国キャンプ場ガイド』、『家族でおでかけ夏休み号 関東・首都圏発』『同 京阪神・名古屋発』を発売し、2018年創刊の旅行ガイドブック『カラープラス』シリーズの全面改訂版を順次刊行するなど、国内における旅やお出かけ関連商品の品揃えの充実を図りました。また、同期間に累計発行部数1,800万部超の女性向け人気旅行ガイドブックシリーズ『ことりっぷ』、季刊誌『ことりっぷマガジン』等の電子書籍が読み放題となる同シリーズ初のサブスクリプションサービス『ことりっぷpassport』の提供開始に加え、スマートフォンアプリ『まっぷるリンク』にて、国内の『まっぷるマガジン』全エリア版の電子書籍が読み放題となるサブスクリプションサービス『まっぷるリンク 国内エリア版ガイドブック読み放題』の提供も開始いたしました。同旅行雑誌『まっぷるマガジン』シリーズにおいては、9月発売分よりこれまでのAB判を面積で約25%コンパクトにするB5変型判(トラベラーズサイズ)へ刷新し、豊富な旅の情報量はそのままによりいっそう持ち運びやすく使いやすい雑誌へリニューアルするなど新たな取り組みにも着手しております。一方で、ご好評をいただいている家にいても知的好奇心を満たすタイプのシリーズ企画においても、地図でスッと頭に入るシリーズで『地図でスッと頭に入る世界の三大宗教』、『同 中国戦国時代』、『同 中東&イスラム30の国と地域』、『同 世界の民族と紛争』『同 中南米&北アメリカ36の国と地域』、『同 世界の三大穀物』を、そしてトリセツシリーズでは初の海外編となる『台湾のトリセツ』を発売いたしました。しかし、前年の秋から冬にかけて10月に緊急事態宣言が明けたことによる市況の急回復があったことや『トリセツシリーズ』、『地図でスッと頭に入るシリーズ』等、ヒットシリーズの新刊発売が続いたことなどもあり、当期間全体としては、僅かですが売上が前年に届きませんでした。
この結果、メディア事業の売上高は2,472百万円となりました(前年同期は2,477百万円)。営業損失は73百万円となりました(前年同期は、営業損失664百万円)。
[ソリューション事業]
ソリューション事業では、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売などを行っております。
当第3四半期連結累計期間において、引き続き景気動向に左右されにくい警察消防を含む官公庁等向けの受注獲得や民間法人向けストック型商材の契約更新に注力しつつ、デジタル地図ソフト『スーパーマップル・デジタル23』、地図を好みに合わせて切り出せる WEB サービス 『マップル地図作成ツール』、『業務用カーナビSDK Ver.7.0』、『ルート探索モジュールVer.3』、同モジュールをエンジンとしたWeb API版『MappleAPIルート探索API』等、当社グループのコアコンピタンスを活用する最新のシステム製品及びサービスをリリースいたしました。また、脱炭素社会に向けた取り組みの一環として、ヘッドスプリング株式会社と共同で『EV充電スタンド』及び住宅用蓄電池『mapple GX battery』の提供を開始し、加えて通学路の危険箇所を地図上で点検・管理する『通学路安全支援システム』において三井住友海上火災保険株式会社と共同し、同社が保有する「事故データ」を用いた機能開発に着手するなど、新たな事業開発や製品の機能拡張に取り組んでおります。
この結果、ソリューション事業の売上高は1,052百万円となりました(前年同期は946百万円)。営業損失は210百万円となりました(前年同期は、営業損失123百万円)。
[その他事業]
その他事業では、当社グループが保有する土地建物等の有形固定資産について外部取引先に向けて譲渡または貸与する不動産事業等を行っております。
当第3四半期連結累計期間において、不動産事業は予定通り実施しております。
この結果、その他事業の売上高は49百万円となりました(前年同期は136百万円)。営業損失は15百万円となりました(前年同期は営業損失41百万円)。なお、前年同期実績には、観光事業及びコールセンター事業が含まれておりますが、観光事業を担当していた株式会社MEGURU(同社連結子会社の海外現地法人を含む)及びコールセンター事業を担当していた株式会社Kuquluが、上に記載した通り前期末までに、ともに当社子会社ではなくなっておりますため、当期実績には両事業の数値が含まれておりません。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、15,376百万円となり、前連結会計年度末に比べ126百万円(0.8%)増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が699百万円、仕掛品が103百万円、無形固定資産その他が75百万円、投資有価証券が71百万円増加した一方で、売掛金が252百万円、商品及び製品が104百万円、流動資産その他が80百万円、建物及び構築物(純額)が86百万円、土地が273百万円、有形固定資産その他(純額)が35百万円減少したことであります。負債合計は、4,974百万円となり、前連結会計年度末に比べ185百万円(3.9%)増加いたしました。この主な要因は、返金負債が220百万円、固定負債その他が36百万円増加した一方で、賞与引当金が83百万円減少したことであります。純資産においては、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が62百万円増加したことに加えて親会社株主に帰属する四半期純損失を計上しております。これにより純資産合計は59百万円(0.6%)減少し、10,402百万円となりました。
この結果、自己資本比率は67.7%と0.9ポイント低下しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、4,669百万円となり、前連結会計年度末と比較して699百万円の増加となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は415百万円となり前年同期が457百万円の資金の使用だったのに比べ872百万円の増加となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純損失が105百万円となり、前年同期と比べ559百万円改善したことに加え、返金負債の増減額が220百万円の増加となり407百万円増加したこと、仕入債務の増減額が16百万円の増加となり140百万円増加したこと、法人税等の支払額が33百万円の還付となり140百万円良化した一方で、固定資産売却益が108百万円悪化したこと、売上債権の減少額が307百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は284百万円となり、前年同期が443百万円の資金の使用だったのに比べ727百万円増加しました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入が410百万円増加したこと、投資有価証券の取得による支出が295百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金はありませんでした。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。
なお当四半期会計期間の末日における有利子負債の残高は770百万円となっております。また、当四半期会計期間の末日における現金及び現金同等物の残高は4,669百万円となっております。
#C9475JP #昭文社HD #情報通信業セクター
