【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、感染症対策をとりながら各種イベントが復活するなど以前の社会経済活動に戻りつつあり、消費の回復傾向が窺われております。しかし、資源高や円安の影響等から物価が上昇基調にあって企業と家計の双方に影響が拡大するなか、特に中小企業などの価格転嫁による適正利益の確保が課題とされております。
米菓業界におきましては、斯業大手の火災事故に伴い業界を挙げて増産体制をとり商品供給に努めてまいりましたが、夏場の需要減退や消費マインドの変化などから、市場動向はやや低調に推移しております。一方で、世界的な資源・エネルギー価格の高騰や円安の進行等から、原材料や燃料費等が軒並み大幅に値上がりし、価格転嫁もままならないなか、採算面において極めて厳しい事業環境となっております。
このような経営環境にあって、当社グループは、中期経営計画「新しい岩塚価値の創造」の初年度にあたり、「もっと美味しく・もっと楽しく・もっと笑顔に!」をスローガンに掲げ、引き続き「美味しさと品質」を追求していく方針にあります。大手企業の営業再開等から競争激化が予想される環境下、改めて新工場「BEIKA Lab」での研究開発機能をフル活用し、新しい岩塚価値商品をお届けしたいと考えております。
開発部門におきましては、新たな発想による米菓の開発を進め、お客様に感動していただける新しい岩塚価値商品づくりを行うことで、他社との差別化を図りたいと考えております。米(原材料)・技(開発製造)・心(良品のお届け)の創業精神に拘り仕立て上げた「米技心」シリーズを開発・発売したほか、日本料理の人気店の監修を得て贅沢な大人の味わいを実現した「黒豆せんべい」を料理人が作る旬な味としてシリーズ化しました。
製造部門では、食用油・包装資材などの原材料や天然ガスなどのエネルギー価格が急騰し、外的要因によるコストアップに歯止めが掛からない状況が続いております。このため、主力品への集中生産等により生産効率を高めるとともに、物流体制を整備するなどコスト削減のための自助努力を重ねておりますが、工場増設に係る固定費負担が残るなか、製造原価の高止まりを余儀なくされております。このため、機械化が可能な作業のロボット化による省人や、電力使用量削減のための設備導入を進め、更なる生産性向上に努めております。
営業部門では、代替需要に対し定番売場維持を最優先として「田舎のおかき」など主力商品(TOP6+2)の安定供給に注力、特定企業に偏った販促品等の拡販を自粛し、全国的な品薄状態の解消に向け広く配荷に努めてまいりました。市場の安定に伴い、商品供給を優先するため控えてきた「米技心」シリーズ等の新商品を順次投入し売上高の確保を図るとともに、10月以降の価格改定(想定価格改定率6~12%)を浸透させるよう、営業活動を強化し取り組んでまいりたいと考えております。
この結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、原材料や燃料費が大幅に高騰するなか、前半こそフル生産による販売増からコストアップを吸収できたものの、夏場以降の需要停滞から係るコストアップがもろに響いた結果、前年同期間比増収増益ながら営業赤字となりました。売上高は、前半は代替需要に応えて伸長したものの、夏場の消費停滞や節約志向の高まり等から需要が急減、販促品自粛の影響もあって伸び率が鈍化、95億91百万円(前年同期間比14.8%増)となりました。損益面では、製造原価が高止まりするなか、夏場以降の販売の伸び悩みからコストアップを吸収できず、営業損失2億67百万円(前年同期間は3億67百万円の損失)となり、経常利益は44億26百万円(前年同期間比562.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は32億34百万円(同700.0%増)となりました。
なお、経常利益に関しては、当社が株式を保有するWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.からの株式配当金42億88百万円を営業外収益の受取配当金に計上しております。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は879億94百万円となり、前連結会計年度末と比較して82億82百万円の減少となりました。
流動資産は109億39百万円となり、前連結会計年度末と比較して27億29百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が33億4百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が8億34百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は770億55百万円となり、前連結会計年度末と比較して110億12百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券が時価評価等により110億64百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における負債は229億23百万円となり、前連結会計年度末と比較して36億64百万円の減少となりました。
流動負債は、40億81百万円となり、前連結会計年度末と比較して74百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が6億28百万円増加した一方で、買掛金が1億23百万円、その他に含めております未払金が2億6百万円、未払消費税等が1億69百万円、返金負債が1億27百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定負債は188億41百万円となり、前連結会計年度末と比較して37億39百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の時価評価等に伴い繰延税金負債が34億53百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は650億71百万円となり、前連結会計年度末と比較して46億17百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が30億54百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が76億74百万円減少したこと等によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は50億77百万円(前年同期間比113.2%増)となり、前連結会計年度末と比較して33億4百万円の増加となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は42億69百万円の収入(前年同期間比24億20百万円の収入増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益45億54百万円、減価償却費6億58百万円、法人税等の支払額8億29百万円を計上したこと等によるものであり、収入増加要因は、前年同期間と比較して利息及び配当金の受取額が33億41百万円増加したこと等によるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は5億16百万円の支出(前年同期間比2億75百万円の支出減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億53百万円、投資有価証券の売却による収入1億98百万円を計上したこと等によるものであり、支出減少要因は、前年同期間と比較して投資有価証券の取得による支出が2億12百万円減少したこと等によるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は4億48百万円の支出(前年同期間は59百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2億50百万円、配当金の支払額1億79百万円を計上したこと等によるものであり、支出に転じた要因は、前年同期間と比較して長期借入れによる収入が5億円減少したこと等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1億46百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績等に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の経営成績等に重要な影響を与える要因の記載について重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の資本の財源及び資金の流動性の記載について重要な変更はありません。