【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における経営環境を概観しますと、
・2022年2月以降のロシアのウクライナ侵攻による政治・経済環境、金融市場、商品市場の不安定・不透明化
・米国、EU、UKを含む主要国の失業率の上昇、インフレの進行、中央銀行の利上げ等によるデフレ懸念の増大
・再生可能エネルギーへの脚光、その後のインフレ等に伴う炭素依存型エネルギーへの回帰
・中国不動産市場のバブル化懸念の高まり、GDP成長率5%以下への懸念、若年失業率の高まり
・為替市場における円安の進行、輸出型産業への影響拡大懸念
・日本国内における安定的インフレへの期待、労働分配率と賃金増への期待の高まり
・少子高齢化の進行に伴う、リカレント教育、リスキリング教育の官民での注目の高まり
などが挙げられます。今後の企業経営において、経営者と経営陣は、より一層「自社、外部環境、顧客」を高く・広く・深く掘り下げた経営が求められるようになったと思料され、また、従来の「モノ」への投資から、無形の資産、特に「人的資本」への投資の優劣が、企業競争力のそれを律速する競争へシフトしつつあるかと存じます。
一方、2022年後半から大きな話題となっているChatGPTをはじめとした生成系AIは、多くの産業・社会活動領域に影響を与えています。中期的に俯瞰すると、人間の業務の一定割合は、AIやテクノロジーが代替するフェーズが一段階進んだと考えられます。
このような観点から、今後の人材育成において、企業の人材育成のあり方、政府の人材政策、大学・大学院等を始めとする学校経営の根本において、以下に例示するような大規模な変化がもたらされています。
・AI/DXを担うデジタル人材のニーズ急増
・AIで代替できないリーダーシップ・起業家精神・問題解決力を発揮する人材へのリスキリングニーズの増加
・高等教育を含む学校におけるデジタル技術の活用
・あらゆる領域における一括教育から個別最適化教育への根本的なシフト
これらの変化は「Lifetime Empowerment(生涯学び続け自分をアップデートする学習プラットフォームの提供)」をビジョンに掲げ、子どもから経営者に至る全年齢層を対象に、AIに代替されない本質的な力を身につけた「世界で活躍するリーダーの育成」をミッションとした教育を一貫して提供してきた当社にとって、非常に大きな成長機会となります。この成長機会を確実に掴むため、オンライン教育の事業会社から世界の教育の最前線を走るEdTechカンパニーへ進化すべく、教育プラットフォームとコンテンツの両面において積極的な先行投資を行っております。当該先行投資と、以下のような当社が有するノウハウと資産を活かし、企業価値向上に繋げてまいります。
・国際バカロレアとケンブリッジ国際の2大国際カリキュラム認定を有する日本唯一の教育機関
・対話と集合知を重視したオンライン学習プラットフォーム
・18,000時間超のコンテンツ・ライブラリー
・オンライン教育の設計・開発・運営ノウハウ
・グローバル人材育成の為の各種カリキュラム体系
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は3,776百万円(前年同四半期比4.8%増)、営業利益は221百万円(同72.7%増)、経常利益は219百万円(同81.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は114百万円(同85.1%減)となりました。
(経営成績のポイント)
・売上高は、第2四半期連結累計期間として過去最高を更新いたしました。
・リカレント教育事業は、リカレント教育事業を牽引する法人向け人材育成事業において、次世代人材育成ニーズの高まりとともに堅調です。またUniversity事業は新設した各短期課外講座の受講生数が増加傾向で、新たな収益源となっています。その結果、増収増益となりました。
・プラットフォームサービス事業は、7拠点目のアオバジャパン・バイリンガルプリスクール用賀キャンパスが2023年4月に開校となったことに加え、各拠点の充足率が向上するなどの結果、総生徒数も増加し、増収増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① リカレント教育事業
リカレント教育事業の売上高は1,836百万円(前年同四半期比6.4%増)、セグメント利益は69百万円(前年同四半期は31百万円の損失)となりました。
(University事業系)
BBT大学経営学部は、受講者数が前期比において減少傾向にありますが、DX・AI等の社会及びビジネス上の市場性の高まりを背景に、短期課外講座「デジタルファーストキャンプ」の受講者数は好調に推移しています。新たな短期課外講座として、財務をテーマにした「ファイナンスドリブンキャンプ」も8月に開講し、2024年1月開講のマーケティングをテーマにした「実践マーケティングキャンプ」も募集開始するなど、ラインナップを拡充しています。
BBT大学大学院においては、受講者数は前期比においてやや減少傾向にありますが、時代の趨勢にあわせた科目の新設・改定や法人派遣の強化を行うとともに、「実践的な学び」という本学の特徴を訴求することによって、受講者を増やしてまいります。
また、2023年12月末には、BBT大学・大学院・アタッカーズビジネススクール共催による「事業プランプレゼンテーション審査会」を本社内の「起業の聖地」にて開催予定です。本学での学びに加えて、このような起業家を支援する取組を拡充し、世界で活躍する人材の育成に努めてまいります。
BOND-BBT MBAプログラムを共同運営するBond大学は、Times Higher Education World University Rankings(THE)が選ぶ「The world’s best small universities 2023」(学生数5,000人未満の大学)において8位としてオセアニア地域で唯一ランキング入りしました。国際的な教育の質を評価され、BOND-BBT MBAプログラムもこの評価に寄与しております。世界的に高い評価を得ている教育の提供機会をさらに拡大するべく募集活動を行ってまいります。また国内企業のグローバル化を推進するためのサクセッションプラン(次世代経営人材育成)に連動した短期集中型リーダーシップ研修を開発し、提供を予定しております。
(法人向け人材育成事業系)
法人向け人材育成サービスにおいては、オンライン及び対面研修を活用した人材研修需要が安定的に拡大しており、2023年度も順調に推移しております。
特に人的資本経営の推進が企業において重要テーマとなっており、サクセッションプラン(次世代経営人材育成)のニーズが高まっています。当社は、この分野において20年超の実績があり、独自の経営人材育成手法Realtime Online Case Study(RTOCS)やProblem Solving Approach等を活用し、企業の人材育成ニーズに応えております。またDX等のテーマではこれまで企業において、デジタル面でのスキル研修に焦点が当たっておりましたが、昨今トランスフォーメーションを企画・実行する力に焦点が当たってきており、当社の構想力、戦略思考を鍛える研修のニーズが高まっております。具体的には、構想力講座第1期が修了し、オンライン化に着手して開講をする予定です。AI時代に最も必要とされる「0から1を生み出す」という究極の学びが受講生の高い満足度に繋がっています。
当社の18,000時間ものコンテンツがE-learning共通規格であるSCORMに対応し、他社LMS経由での提供が可能になったことから、販路を拡大させ多くの企業の人材育成に貢献してまいります。これら法人に対する研修・人材育成サービス拡充やマーケティングの強化による認知度向上と顧客企業との接点強化を通じて、新規取引先社数は当期においても順調に拡大し、約60社との新規取引を開始いたしました。既存顧客も含めた当期の商談も前期比120%を超える規模で創出できており、引き続き法人向け人材育成サービスの拡大を図ってまいります。
(英語教育事業系)
英語教育サービスとして、ビジネスプロフェッショナル向けサービスと、幼小中高生を対象とする2つのオンラインサービスを運営しています。
ビジネスプロフェッショナル向けサービスは、ビジネス英語需要に加え、顧客企業のグローバル人材育成の需要、特にグローバル「経営」人材育成の需要が高まっており、結果として当期は法人比率が約7割を占めています。時代を先取りした最新の教材をプログラムへ導入し、エグゼクティブ向けに客観アセスメントテスト(BEST)及びパーソナルコーチングを組み合わせた短期集中型トレーニングが好調です。一方で、幼小中高生向けサービスでは、オンラインで一般向け英会話を提供するほか、前年度新事業のバイリンガル国際人育成プログラムの2プログラムを展開しており、個人のみならず法人の引き合いも増加しています。ビジネスプロフェッショナル向け、幼小中高生向けともに、前年同期比で増収増益となっており、さらなる拡大のため、英語・グローバル人材育成の方向性が合致する他社・他教育機関との提携を通じた事業拡大戦略を進めております。
(ITマネジメント事業系)
ITマネジメントサービスの中核組織である㈱ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックは、第1四半期から第2四半期にかけて提供した国内有数のITサービスプロバイダー企業の新入社員向けITIL®基礎研修が牽引したこともあり、ITIL®認定研修事業全般のビジネスが堅調に推移した結果、前年同期比約125%の売上高となりました。DX時代に対応した新バージョンであるITIL®4が、今後益々日本国内のIT資格市場でも主流になることが予想され、同資格研修市場でシェア約40%のマーケットリーダーとしての存在感を高めてまいります。
また、ITIL®認定研修ビジネス以外では、プロジェクトマネジメント領域・アジャイル領域などで新規アライアンス先と協業セミナーを複数回実施し、計300件以上の新規リード獲得に寄与しました。特にトヨタ生産方式のノウハウがベースにあるValue Stream Mappingを用いた研修の問い合わせが増加傾向にあり、併せて、このアプローチが学べるDX推進基礎講座も集客好調でした。
※ ITIL® は AXELOS Limited の登録商標であり、AXELOS Limited の許可のもとに使用し、すべての権利は留保されています。
② プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の売上高は1,927百万円(前年同四半期比5.6%増)、セグメント利益は150百万円(同6.9%増)となりました。
(インターナショナルスクール事業系)
本事業は、2013年に新規参入し、当時のおよそ6倍となる1,500名弱の生徒数を誇る日本で最大級のインターナショナルスクールグループへと成長を遂げています。旗艦校であり、国内で5校目の国際バカロレア(IB)幼・小・中・高一貫教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」ではキャンパスの開設・改装の先行投資の効果及び大学進学実績により、前年を109名上回り過去最高となる719名の生徒数で新年度をスタートいたしました。その結果固定収入である授業料等が増収となりました。
国際バカロレアのDP(デイプロマプログラム)のテスト結果において毎年成績が向上するなど、世界平均点を大きく上回り進化を遂げています。大学合格実績においても、国内外のトップレベル大学への合格者を輩出しており、引き続き大学進学への学生支援を強化してまいります。
また当期、国際バカロレア機構からアジア初となるIB-DPのオンラインパイロット事業の事業者と選定されました。これによりアジア他地域での普及活動が可能となり、更なる拡大のチャンスを得ることができました。
一方で、文科省より2018-22年度に引き続きIBコンソーシアム事業を受託しました。前回第1期では、5年間で200校の導入を達成いたしました。今回第2期では質の向上と、大学入試との接続、海外からの留学生の受入れ、経済界と教育界の連携等、より一層の国際教育の普及における課題に取り組んでまいります。普及という観点では、地方都市への国際教育拠点の開設について、熊本県内でのインターナショナルスクール開校や、金融庁におけるセミナー登壇など積極的に貢献しています。
1~6歳を対象にバイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」は、現在7拠点を都下で運営し、約500名超の生徒数で新年度をスタートしており、更なる成長を目指してまいります。
ケンブリッジ大学国際教育機構の全プログラム(初等・中等・高等学校課程)の認定校である「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ」は、2021年以降安定した生徒数を確保し、年間を通じて安定した利益を生み出すスクールへと成長いたしました。現状は生徒数が収容定員に達する状況となっており、学業はもちろんのこと、更なる飛躍をするべく、その方向性を検討しています。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ244百万円減少し、3,422百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が331百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ335百万円減少し、4,616百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が233百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ579百万円減少し、8,038百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ456百万円減少し、3,156百万円となりました。主な要因は、プラットフォームサービス事業において新スクールイヤー(8~7月)のための年間授業料等の受領により契約負債が358百万円増加したものの、未払金が285百万円、未払法人税等が286百万円、創業者特別功労引当金が237百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ123百万円減少し、4,882百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上があるものの、剰余金の配当により利益剰余金が110百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ331百万円減少し、2,887百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、148百万円(前年同四半期は1,058百万円の獲得)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益228百万円、減価償却費120百万円、契約負債の増加額358百万円により資金が増加した一方、創業者特別功労引当金の減少額237百万円、未払又は未収消費税等の増減額298百万円、法人税等の支払額349百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、108百万円(前年同四半期比95.5%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出63百万円があった一方、有形固定資産の売却による収入206百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、292百万円(同81.1%減)となりました。主な要因は、配当金の支払額220百万円によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 主要な設備
当社は、賃貸不動産として保有していた本社の土地及び建物等を譲渡する契約を2023年9月22日に締結し、2023年9月25日に引き渡しを完了いたしました。当該固定資産の譲渡に伴い、当第2四半期連結累計期間において、固定資産売却益10百万円を特別利益に計上しております。
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