【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当社グループは、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する」というミッションの達成に向けて、「保証サービス」、「検査補修サービス」及び「オリジナルトークン(電子マネー)発行サービス」等の提供を通じて住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech(ホームワーステック)事業」、並びにHomeworthTech事業の知見・ノウハウを活用した保証制度構築・運営を通じて新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech(エクステンドテック)事業」の2事業を主力事業として展開してまいりました。
近年の環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流が、「良いモノを永く使う」という保証本来の理念・思想とマッチすることで、今後さらに保証サービスの社会的ニーズが高まるものと確信しており、当社グループにとってさらなる事業拡大の大きな好機であると捉えております。
当第2四半期連結累計期間(2022年7月1日から2022年12月31日まで)においても、今後の成長に対する蓋然性 の高まりを受ける形で、事業の拡大と並行して人材・システムを中心に積極的な先行投資を進めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,744百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益330百万円(同29.4%減)、経常利益402百万円(同23.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は276百万円(同22.2%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「おうちのトータルメンテナンス事業」を「HomeworthTech事業」に、「BPO事業」を「ExtendTech事業」に名称変更いたしました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
また、当第2四半期連結累計期間における各セグメントへの本部費配賦総額は、採用費、業務委託費等の増加により、前年同期比142.4%の880百万円となりました。当第2四半期連結累計期間のセグメント別の営業利益の算出にあたっては、これらの配賦費用額をHomeworthTech事業61.4%、ExtendTech事業35.1%、その他3.5%の割合で配賦しております。
①HomeworthTech事業
HomeworthTech事業は、保証サービスを主力として、検査補修サービス、オリジナルトークン(電子マネー)発行サービス等を、住宅会社及び住宅オーナーに対して提供しております。
また、オリジナルトークン(電子マネー)の活用を促進するモバイルアプリや検査補修サービスにおける住宅の点検履歴を管理できるウェブアプリの開発・提供を行うなど、クライアントである住宅事業者と共同でCRM領域への取り組みを進めており、このことにより、保証サービスの提供のみならず、住宅事業者の業務支援及びCRM支援をワンストップで行うことができる総合提案力が当事業における当社の大きな強みであると認識しております。
当第2四半期連結累計期間においては、設備保証・建物保証といった長期保証契約の獲得に引き続き注力するとともに、資産価値保証や地震保証といった新たな保証サービスの開発およびマーケティングを推進してまいりました。また、業務効率化・ストック型ビジネス転換といった住宅事業者の経営課題に対応する各種ソリューションの導入を組織的に推進することで、各クライアントとの関係深化にも引続き注力してまいりました。
これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額748百万円(前年同期比24.2%増)、前受収益・長期前受収益残高8,487百万円(同20.8%増)、オリジナルトークン(電子マネー)発行サービスの導入社数81社(同5.2%増)・未使用残高2,004百万円(同14.8%増)といずれも前年同期比で成長しております。
この結果、売上高は1,051百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は76百万円(同22.0%増)となりました。
②ExtendTech事業
ExtendTech事業においては、HomeworthTech事業で培ったリソースやノウハウをあらゆる製品・サービスに対して活用することにより、各種製造者・販売者等から保証制度の構築、運営業務の受託を行っております。具体的には保証の申込受付、保証料の集金、保証書の発行、コールセンター受付、損害保険契約の組成支援、損害保険料及び保険金の精算業務等の受託を行っており、高い専門性を要する各業務において、豊富な知見と経験を有する点が当社の強みであると認識しております。
当第2四半期連結累計期間は、蓄電システムをはじめとした住宅用再エネ設備に対する社会的ニーズに応える形で再生可能エネルギー領域が順調に推移したことにより当初の計画通りに推移いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は672百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は266百万円(同34.6%減)となりました。
この数値は、前第1四半期連結会計期間において、政府による教育ICT環境の整備拡充政策を背景とした小中学校における教育ICT機器の一斉配備による一過的な大型契約があり、当該領域での保証業務受託が増加したことが影響しております。なお、同機器については、今後周期的な一斉入替が予定されており、当分野での契約獲得にも注力してまいります。
③その他
「その他」の事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるビジネスマッチング・決済等を行うプラットフォーム事業を行っております。当第2四半期連結累計期間の売上高は20百万円(前年同期比56.6%減)、セグメント損失は12百万円(前年同期はセグメント損失2百万円)となりました。なお、2022年6月30日付で横浜ハウス株式会社の全株式を譲渡し、前期末をもって当社の連結子会社から除外しております。
(KPI推移)
(単位:百万円、社)
2022年6月期
2023年6月期
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第1四半期
第2四半期
実績
実績
実績
実績
実績
実績
前年同期比
[HomeworthTech事業]
新規契約獲得金額
525
602
758
724
709
748
124.2%
前受収益・長期前受収益残高
6,744
7,027
7,389
7,811
8,124
8,487
120.8%
売上高
保証サービス
330
345
366
406
394
421
122.1%
検査補修サービス
82
80
81
86
76
78
96.9%
その他
34
34
40
37
38
41
119.3%
オリジナル
トークン
(電子マネー)
導入社数
75
77
78
78
80
81
105.2%
未使用残高
1,669
1,745
1,813
1,880
1,950
2,004
114.8%
[ExtendTech事業]
売上高
再生可能エネルギー
196
155
184
218
196
253
163.3%
家電・その他
228
71
68
119
116
105
146.2%
(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。
b.財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,814百万円増加し18,034百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が240百万円減少した一方、立替金が287百万円、長期前払費用が262百万円、固定資産の取得により投資不動産(純額)が1,171百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,607百万円増加し16,583百万円となりました。これは主に、新規借入により長期借入金が853百万円、及び住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が590百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて206百万円増加し1,450百万円となりました。これは主に、配当金の支払いが50百万円あった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益が276百万円計上されたことによるものです。
なお、当社の自己資本比率は10%以下の状態が続いており、他の事業会社と比較して低い水準となっておりますが、これは当社のビジネスモデルに起因するもので、当社グループ経営上の問題としては軽微と考えております。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が56.1%、預り金及び長期預り金(主に現金及び預金)が26.7%という構成であり、有利子負債は14.0%と極めて低水準となっております。さらに、流動比率も239.1%と十分な水準となっておりますので、財務の健全性は十分に担保されております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より142百万円減少し、2,915百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は536百万円(前年同期は46百万円の支出)となりました。これは主に、長期前払費用の増加267百万円、立替金の増加288百万円等による資金の減少があった一方で、税金等調整前四半期純利益の計上402百万円、長期前受収益の増加590百万円等による資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,516百万円(前年同期は1,769百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出170百万円、投資不動産の取得による支出1,035百万円、差入保証金の差入による支出137百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は838百万円(前年同期比136.5%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入934百万円があったことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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