【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済の状況は、新型コロナウイルス感染症の5類移行を機に社会経済活動の正常化が進み、緩やかな景気回復が続いております。その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等による地政学リスクや日米金利差等に起因する円安等から、資材、エネルギー価格の高騰が続いております。足元では、中国の不動産市況の悪化や中東情勢の緊迫化なども発生し、先行き不透明な状況が続く見通しです。
当社グループが属する住宅業界では、「ウッドショック」による木質系素材価格の乱高下や、資材、エネルギー価格の高騰による建材および住宅設備等の値上げはようやく一服しつつあります。しかしながら、実質賃金が伸び悩む中で住宅価格は高止まりしており、注文住宅を中心に新築市場が低迷しております。当第2四半期連結累計期間の新設住宅着工戸数は全体で△6.2%と減少し、当社グループが主力とする持ち家では△10.2%、木造では△4.7%といずれも減少が続いております。
このような状況下、当社グループは、2023年8月、ジャパン建材フェアを新型コロナウイルス感染症の流行前と同様の規模で開催し、営業活動を活発化しました。並行して、在庫水準の適正化に取り組み、価格や機動性を考慮した商材変更の提案、「資産価値が残る家づくり」に向けた付加価値の高い商材の提案等を推進し、足元のみならず今後の業界環境を見据えた営業活動を強化しております。また、「物流2024年問題」に備え、物流に関する組織体制の整備やシステム対応を進めております。
この結果、当第2四半期連結累計期間における業績は以下のとおりとなりました。
売上高は1,911億65百万円(前年同期比6.2%減)と「ウッドショック」前の水準は上回ったものの、レコードを大きく更新した前年同期には届きませんでした。利益面では、総合建材小売事業が前年同期並みの利益を確保し堅調に推移した一方、合板製造・木材加工事業の減益幅は大きく、全体として大幅減益となりました。具体的には、営業利益は41億33百万円(同40.0%減)、経常利益は43億93百万円(同40.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億60百万円(同47.2%減)となりました。しかしながら、「ウッドショック」後の諸要因を織り込んだ期初計画との比較では売上はほぼ計画並み、利益は計画を上回る水準で推移しております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 総合建材卸売事業
「ウッドショック」の反動から値下がりが続いた木材や合板等の素材類は、ほぼ底打ちの兆しが出てきました。資材、エネルギー価格の高騰等から値上げ基調にあったその他建材、住宅設備等にも価格面では落ち着きが見えてきました。肝心の需要が弱い中で、中核のジャパン建材株式会社をはじめ各社各様に、売上のボリュームと適正な利潤の確保に努めましたが、大幅な増収増益となった前年同期との比較では見劣りする結果となりました。
この結果、当事業の売上高は1,583億93百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は33億50百万円(同27.5%減)と減収減益にはなりましたが、第1四半期連結累計期間までの前年同期比でのマイナス幅は売上、利益とも圧縮できました。
② 合板製造・木材加工事業
当事業の中核を占める株式会社キーテックは、ロシア産輸入単板の入荷停止により主力のキーラム(LVL)事業の苦戦が続いております。前期末からの合板値下がりを受け、国産合板も前期の勢いはありませんが、販売量の面では底打ち感も出てきました。同社全体として前年同期比では売上、利益とも減少しましたが、利益面では期初計画を上回る水準となりました。ティンバラム株式会社は、昨年来の製品価格下落により厳しい状況が続いておりますが、在庫を前年同期の半分以下に圧縮するなど、業績改善に向けあらゆる企業努力を継続しております。
この結果、当事業の売上高は67億65百万円(前年同期比26.2%減)、営業利益は1億38百万円(同91.4%減)と減収減益でしたが、当第1四半期連結累計期間の赤字からは脱することができました。
③ 総合建材小売事業
総合建材小売事業につきましては、当第1四半期連結累計期間中に株式会社長谷川建材を株式会社ブルケン東 日本に、株式会社タムラ建材および有限会社原口建材店を株式会社ブルケン・ウエストに吸収合併し、北海道お よび九州地区での組織再編を行いました。また、2023年9月には、新潟県を地盤として住宅向け構造材プレカット加工および住宅建築資材の販売業を営む株式会社イタヤおよびその関連会社である有限会社コスモランバーの事業を、当社連結子会社である株式会社ブルケン(現 株式会社ブルケン・イタヤ)が譲り受け、当社小売部門の拠点の拡充を図りました。このように総合建材小売事業セグメントでは、積極的にM&Aを推進するとともに適宜組織再編を実施し、各地の事業承継ニーズに応えながら、グループのネットワークをダイナミックに拡大しております。
この結果、当事業の売上高は239億71百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は6億57百万円(同1.6%増)と、前年同期並みの実績となりました。
④ その他
その他には、建材小売店の経営指導を中心にフランチャイズ事業を展開している株式会社ハウス・デポ・ジャパンのほか、建設工事業の子会社5社、物流関係の子会社等6社および純粋持株会社でありますJKホールディングス株式会社の一部事業等を区分しております。これらの子会社のうち物流部門を担う株式会社JK CAR GOは従来当社連結子会社の株式会社キーテックの子会社でありましたが、今後同社を当社グループ全体でカバ ーする物流子会社とすることを視野に、当社の直接子会社とし基盤拡充を図ることとしました。
この結果、当事業の売上高は20億34百万円(前年同期比19.6%増)、営業損失は96百万円(前年同期は20百万円の営業損失)となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は2,319億48百万円となり、前連結会計年度末に比べて65億40百万円増加いたしました。増減の内訳としては、現金及び預金が92億42百万円、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権の合計額が6億77百万円増加し、棚卸資産が41億74百万円減少したことにより、流動資産が56億8百万円増加いたしました。後記の流動負債の増加とあわせて、当第2四半期連結会計期間の末日が銀行休日であったために受取り、支払いの双方で未決済の金額が膨らんだことが主な要因です。
固定資産は、有形固定資産が3億29百万円、無形固定資産が68百万円、投資その他の資産が5億33百万円増加したことにより、固定資産全体では9億31百万円増加いたしました。
負債は1,718億41百万円となり、前連結会計年度末に比べて43億31百万円増加いたしました。増減の内訳としては、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計額が70億60百万円増加し、短期借入金が5億32百万円、未払法人税等が11億76百万円減少したことにより、流動負債が43億83百万円増加いたしました。
固定負債は、長期借入金が1億87百万円減少したことを主因として、52百万円減少いたしました。
純資産は601億6百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億9百万円増加いたしました。利益剰余金が17億88百万円増加したことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物は、前第2四半期連結累計期間末に比べ123億36百万円増加し、516億28百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は126億63百万円(前年同期は15億16百万円の使用)となりました。税金等調整前四半期純利益43億5百万円、売上債権と仕入債務の増減額が61億15百万円、棚卸資産の増減額43億77百万円といった資金獲得要因がありましたが、一方で、法人税等の支払額25億22百万円の資金使用要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億13百万円(前年同期は7億5百万円の使用)となりました。固定資産の取得と売却の差額8億92百万円、事業譲受による支出7億16百万円の資金使用要因があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は18億円(前年同期は27億18百万円の獲得)となりました。短期借入金の純減額5億32百万円、長期借入金の純減額3億23百万円、配当金の支払額7億23百万円といった資金使用要因があったこと等によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。