【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況の改善や各種行動制限の緩和等により経済活動の正常化への動きが進展いたしました。しかしながら、エネルギー・原材料価格の高騰による物価高や慢性的な人手不足、国際情勢不安、円安進行等、依然として景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
当業界におきましては、橋梁事業では首都圏を含む東日本地域での大型プロジェクトの発注が一段落したことや、高速道路会社の発注が減少したことで、新設鋼橋の発注は低調に推移し、受注競争は更に厳しいものとなりました。鉄構事業では、首都圏での大型再開発事業は概ね順調に推移したものの、諸資材、エネルギー価格の高止まりや人手不足等の要因により建築価格が上昇したことで、新規建設投資に慎重な姿勢が見られ、鉄骨需要は端境期が続きました。
このような厳しい状況のもとで当社は、受注の確保が最優先課題であることを徹底し、営業活動の強化に努めました。橋梁事業では実績のある地域を中心に応札案件を厳選し、限られた経営資源を効率的に活用することで一定の受注高を確保いたしましたが、堅調に推移した前年同四半期には届かない結果となりました。鉄構事業では、目標案件の契約が下半期にずれ込んだため、受注高は厳しい結果となりました。
損益面では、橋梁事業で数工事の工期延伸による完成工事高の伸び悩みがありましたが、保有機材の有効活用により採算性の向上した工事が増加したことで、完成工事総利益は前年同四半期比で大きく改善し、人件費の増加や物価高による「販売費及び一般管理費」の増加も吸収し、営業利益、経常利益、四半期純利益は業績予想を上回る結果を残すことが出来ました。
当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高9,268,155千円(前年同四半期比26.5%増)、営業利益779,639千円(前年同四半期比376.2%増)、経常利益863,462千円(前年同四半期比264.2%増)、四半期純利益609,467千円(前年同四半期比230.6%増)であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 橋梁事業
橋梁事業における当第2四半期累計期間の売上高は7,524,305千円(前年同四半期比21.4%増)、セグメント利益は1,018,614千円(前年同四半期比276.9%増)となりました。また、当第2四半期累計期間の受注高は4,334,219千円(前年同四半期比39.1%減)となり、当第2四半期会計期間末の受注残高は17,601,780千円(前年同四半期比2.7%増)となりました。
② 鉄構事業
鉄構事業における当第2四半期累計期間の売上高は1,743,849千円(前年同四半期比55.0%増)、セグメント損失は238,975千円(前年同四半期はセグメント損失106,515千円)となりました。また、当第2四半期累計期間の受注高は411,425千円(前年同四半期比71.5%減)となり、当第2四半期会計期間末の受注残高は5,211,568千円(前年同四半期比0.7%減)となりました。
当第2四半期会計期間末の総資産は、26,755,083千円で前事業年度末比523,239千円の減少となりました。主な要因は現金預金の減少と投資有価証券の増加であります。負債は、前事業年度末比1,580,319千円減少し、6,615,289千円となりました。主な要因は短期借入金の減少と未成工事受入金の増加であります。純資産は利益剰余金とその他有価証券評価差額金の増加により、前事業年度末比1,057,080千円増加し、20,139,794千円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,856,537千円となり、前事業年度末と比較し1,029,542千円の減少となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は917,667千円(前年同四半期比40.3%減)となりました。これは主に税引前四半期純利益の計上及び未成工事受入金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は45,455千円(前年同四半期比95.2%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が投資有価証券の売却及び償還による収入を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,901,753千円(前年同四半期比130.0%増)となりました。これは主に短期借入金の返済によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、27,070千円であります。 なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。