【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に引き下げられたこともあり経済活動の正常化が一層進み、物価の上昇傾向は強まりつつありますが、インバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善等もあり、景気は緩やかな回復傾向にあります。海外に関しては、米国は雇用・所得環境の改善により個人消費等が底堅く推移しておりますが、欧州は高インフレ及び利上げの影響により、景気はこのところ足踏みが続いております。中国では個人消費の回復が低迷する等、景気は減速傾向にあります。当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業は人手不足や原材料の高騰等の影響を受けておりますが、個人消費の回復やインバウンド需要により、売上が昨年に比べて増加しております。当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり133円台で始まり、米国の連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの実施等によりドル高円安基調が強まり144円台まで円安が進みました。その後日銀による政策修正観測の高まりを受けて一時138円台まで円が持ち直しましたが、再び日銀の金融緩和長期化の観測が強まりドル高円安が進み9月末では149円台となりました。コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初1ポンドあたり170.50セントからスタートし、投機筋の動きにより一時的に200セントを超えましたが、その後最大生産国であるブラジルの収穫が終始順調に進み、前年比増産見込みであること、また天候懸念も少なかったことにより下落し、9月末では146.15セントとなりました。このような状況のなか、当社グループは、前連結会計年度からスタートさせた中期経営計画「SHINE2024」で掲げている、GHG(温室効果ガス)を削減しながら、社会課題解決商品の開発に積極的に取り組み、事業の持続的成長を目指しております。当第2四半期連結累計期間においては、一部の子会社において前年同期にあったスポットの収益がなかったこと、足元のコーヒー相場反落の影響を受けた販売価格下落により利益率が低下していること等により、前年同期比で減益を余儀なくされました。しかしながら、これらの減益要因は前回予想にも織り込み済みであり、そうしたなか、特に当社に関し、外食業界の需要回復に加えて円安の影響による仕入価格の上昇を販売価格引き上げに繋げたことに伴い、売上高、利益ともに当初の予想を上回りました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は30,780百万円(前年同期比8.5%増加)、売上総利益は3,988百万円(前年同期比2.5%増加)、営業利益は720百万円(前年同期比14.9%減少)、経常利益は823百万円(前年同期比15.6%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は579百万円(前年同期比1.8%増加)となりました。
各事業別の状況は次のとおりであります。① コーヒー・飲料事業 1) コーヒー飲料原料コーヒー生豆は、これまでのコーヒー相場の高騰及び円安傾向により販売価格は上昇しておりますが、著しい価格競争を避け、また前年同期にスポット販売した顧客への売上が今期なかったことにより、売上高が減少いたしました。飲料原料は、円安により販売価格が上昇したことに加え、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより売上高が増加いたしました。その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比1.1%増加いたしました。 2) コーヒー飲料製品アフターコロナにより外食需要・観光事業向けレギュラーコーヒー等の業務用需要は回復基調ですが、これまでのコーヒー相場高騰及び円安傾向に伴うリニューアルや値上げの影響で、主力のコーヒーバッグや飲料メーカー向けのバルク販売が伸びず、販売数量は減少しています。その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比0.4%の微増となりました。
これらの理由により、コーヒー・飲料事業の売上高は11,386百万円と前年同期比0.7%の微増となり、売上総利益は1,631百万円と前年同期比6.1%の減少となりました。
② 食品事業 1) 加工食品ドライ商品は、量販店向けのトマト製品、メーカー原料・給食業態・製菓工場向けへのフルーツ缶詰等の販売量が増加し、各商品群の価格改定もあり、売上高は前年同期比24.2%増加いたしました。フローズン商品は、中国産ポテトの取り扱いが増加し、既存の量販惣菜業態、小売業態・外食業態への販売が増加傾向で推移し、外食チェーン向け大型商品の価格改定・市場の復調もあり、売上高は前年同期比20.7%増加いたしました。メーカー商品は、ドライ・フローズンともに、外食向けの販売が引き続き回復に向かい、売上高は前年同期比12.8%増加いたしました。その結果、加工食品の売上高は前年同期比18.0%増加いたしました。 2) 水産水産は、主力のエビ関連が外食業界の需要回復により販売が増加したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が増加いたしました。また、工場で使用されるイカ原料の販売が増加いたしました。一方でタコ関連は価格高騰の影響により既存得意先の需要が減退し、売上高が減少いたしました。その結果、水産の売上高は前年同期比3.5%増加いたしました。 3) 調理冷食調理冷食は、引き続き量販店を中心に堅調な惣菜需要に下支えされ、ロースト商品、フライドチキン等の定番商品の売上が増加いたしました。一方で円安による商品仕入れ価格上昇に伴い販売価格に影響が出ております。一部、顧客で取り扱い中止、又は廉価版の商品への切り替えが進みました。その結果、調理冷食の売上高は前年同期比13.7%増加いたしました。 4) 農産生鮮野菜は、国産玉葱が安値で推移した影響により海外産玉葱の販売が減少いたしました。また牛蒡の販売量も減少いたしました。農産加工品は、トマトペーストの輸入コスト上昇により販売単価が上昇したことに加え、得意先のシェアが拡大したことにより販売金額が増加いたしました。また蓮根関連商品につきましても、新規開拓、既存得意先のシェア拡大が成功し、販売数量、販売金額ともに増加いたしました。一方で唐辛子は該当時期の納品数量が減少した為、販売金額が減少いたしました。その結果、農産カテゴリーの売上高は前年同期比5.4%減少いたしました。
これらの理由により食品事業の売上高は13,624百万円と前年同期比7.3%の増加となり、売上総利益は1,735百万円と前年同期比17.0%の増加となりました。
③ 海外事業相次ぐ大幅な値上げにより輸出商品が安い商品に置き換わる傾向が強くなっておりますが、きめ細かな販売努力により、輸出売上高は前年同期に比べ微増となりました。中国現地法人においては生豆の出荷量こそ大幅に増加しているものの、足元のコーヒー相場が下落したことにより、販売価格及び粗利率が低下しております。その結果、海外事業の売上高は5,769百万円と前年同期比32.5%の増加となり、売上総利益は620百万円と前年同期比7.5%の減少となりました。
(2) 財政状態の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,867百万円増加の38,041百万円となりました。その主な内容は、期末日休日要因の影響に伴う売上債権1,070百万円の増加及び投資有価証券608百万円の増加です。(負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,365百万円増加の25,232百万円となりました。その主な内容は、期末日休日要因の影響に伴う仕入債務998百万円の増加及び借入金709百万円の増加です。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ497百万円減少の12,808百万円となりました。その主な内容は、利益剰余金394百万円及び繰延ヘッジ損益245百万円の増加に対し、非支配株主持分1,193百万円の減少です。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ110百万円減少し、4,989百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,435百万円(前年同期は2,747百万円の使用)となりました。その主な内容は、支出として売上債権の増加1,070百万円に対し、収入として仕入債務の増加998百万円と税金等調整前四半期純利益926百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は708百万円(前年同期に比べ使用した資金は72百万円増加)となりました。その主な内容は、投資有価証券の売却による収入108百万円に対し、投資有価証券の取得による支出549百万円、有形固定資産の取得による支出251百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は865百万円(前年同期は2,924百万円の収入)となりました。その主な内容は、非支配株主への払戻による支出1,831百万円と短期借入金の返済による支出1,300百万円に対し、長期借入れによる収入2,100百万円等によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(6) 資本の財源及び資本の流動性に係る情報当第2四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資本の流動性に係る情報に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(8) 研究開発活動特記すべき研究開発活動はありません。