【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における世界経済は、コロナ禍からの緩やかな持ち直しが続く一方、ウクライナ情勢などに起因してエネルギー・原材料価格が高騰、これに伴いインフレが進行し、各国で金融引締めが実施されるなか、米国の銀行が破綻するなど金融不安が広がり、先行きは不透明な状況となりました。
また、当社グループの事業環境については、円安となったことや、ディスプレイ市況が悪化したことにより、非常に厳しいものとなりました。
こうした中、当社グループは、「海外事業の強化」、「新規領域(新商品/サービス、新規市場、新規事業)の拡大」、「様々なリスクへの対応力強化」の3つの取り組みを推進しました。
当連結会計年度の業績は、ディスプレイデバイスの売上が減少したものの、スマートライフ、8Kエコシステム、ICT、エレクトロニックデバイスが伸長し、売上高が2,548,117百万円(前年度比102.1%)となりました。営業損益は、エレクトロニックデバイスが増加した一方、その他4セグメントが円安の影響やディスプレイ市況の悪化により大幅に減少し、25,719百万円の営業損失(前年度は84,716百万円の営業利益)となりました。経常損益は、営業損失となったことに加え、営業外損益が持分法による投資損失などの計上により4,768百万円の損失となったことから、30,487百万円の経常損失(前年度は114,964百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、ディスプレイデバイスを中心に220,553百万円の減損損失を計上したことなどから、260,840百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年度は73,991百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(セグメント業績)
セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。
<ブランド事業>
①スマートライフ
売上高は468,743百万円(前年度比 105.1%)となりました。白物家電事業は、2022年度下期以降、国内やASEANをはじめ、世界各地で市況悪化の影響を受けましたが、2022年度通期では増収となりました。調理家電が欧米を中心に伸長したほか、洗濯機もドラム式洗濯機などが好調に推移し、伸長しました。一方、エネルギーソリューション事業も海外のEPC事業や国内の住宅向けが伸長し、増収となりました。利益面では、原材料価格が高騰したことや、円安の進展により国内の白物家電事業の収益が落ち込んだことなどから、セグメント利益は28,209百万円(前年度比 58.4%)となりました。
②8Kエコシステム
売上高は591,832百万円(前年度比 104.3%)となりました。ビジネスソリューション事業は前年度から10%を超える増収となりました。MFP事業・スマートオフィス事業が、欧州・米州・アジアを中心に大きく伸長したほか、インフォメーションディスプレイも欧米などで売上を伸ばしました。一方、テレビ事業は市況低迷の影響を受け、減収となりました。利益面では、ビジネスソリューション事業は高付加価値化が進み、増益となりましたが、テレビ事業は、減収となったことに加え、一過性の費用が発生したこともあり、減益となりました。この結果、セグメント利益は13,421百万円(前年度比 53.8%)となりました。
③ICT
売上高は325,873百万円(前年度比 100.6%)となりました。通信事業は、スマートフォンのラインアップ展開を強化し、ハイエンドモデルの販売が増加したことなどから増収となりました。一方、PC事業は、世界的な需要低迷の影響を受けて減収となりました。利益面では、円安の影響が大きく、セグメント損失は5,530百万円(前年度は4,038百万円のセグメント利益)となりました。しかしながら、欧州での構造改革やプロダクトミックスの改善など、収益改善の取り組みをいち早く進めてきたことから、2022年度下期につきましては、通信事業・PC事業とも黒字となりました。
<デバイス事業>
④ディスプレイデバイス
車載向けパネルなどの販売は大きく伸長しましたが、市況の低迷により、スマートフォン向けやPC向けのパネルの販売が減少したことなどから、売上高は759,953百万円(前年度比 88.4%)となりました。利益面では、減収となったことに加え、大型ディスプレイ事業の影響などもあり、セグメント損失は66,482百万円(前年度は20,316百万円のセグメント利益)となりました。
⑤エレクトロニックデバイス
顧客の2022年モデル向けのデバイス販売が堅調であったことから売上高は475,589百万円(前年度比 119.8%)となりました。利益面では、販売が増加したことから、セグメント利益は14,799百万円(前年度比 211.8%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は以下のとおりです。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
スマートライフ
468,314
+4.6
8Kエコシステム
578,923
+0.9
ICT
299,477
△4.8
ディスプレイデバイス
725,422
△11.9
エレクトロニックデバイス
448,730
+25.9
合計
2,520,868
+0.2
(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでおります。
b.受注実績
当社グループは原則として見込生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
スマートライフ
468,552
+5.0
8Kエコシステム
585,428
+4.9
ICT
311,351
△1.7
ディスプレイデバイス
736,224
△9.9
エレクトロニックデバイス
446,560
+24.8
合計
2,548,117
+2.1
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
APPLE INC.
427,824
17.1
509,959
20.0
General Interface Solution Limited
345,123
13.8
315,668
12.4
(財政状態)
当連結会計年度末の財政状態については、資産合計は、受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産の減少及び固定資産の減損などにより、前連結会計年度末に比べ183,327百万円減少の1,772,961百万円となりました。当連結会計年度から堺ディスプレイプロダクト㈱(以下、「SDP」といいます。)を連結の範囲に含めましたが、これに伴い新たに計上された固定資産やのれんが減損の対象となったほか、前連結会計年度末の総資産に含まれていた当社のSDPに対する債権等が連結消去されたため、全体として総資産の減少要因となりました。負債合計は、短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ63,579百万円増加の1,550,598百万円となりました。また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ246,906百万円減少し、222,362百万円となりました。
(棚卸資産)
当連結会計年度末の棚卸資産残高は299,307百万円、月商比で1.41ヶ月の水準となりました。今後とも、事業環境の変化を注視し、適正な在庫の管理に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
75,157
14,746
△60,411
投資活動によるキャッシュ・フロー
△31,448
△40,967
△9,518
財務活動によるキャッシュ・フロー
△124,291
△18,483
105,807
現金及び現金同等物の期末残高
239,359
206,612
△32,746
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32,746百万円減少し、206,612百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、14,746百万円であり、前連結会計年度に比べ60,411百万円減少しました。これは、前連結会計年度に比べて、棚卸資産、売上債権及び契約資産の増減により資金がそれぞれ66,820百万円、48,452百万円増加したものの、税金等調整前当期純損益が328,845百万円減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、40,967百万円であり、前連結会計年度に比べ9,518百万円増加しました。これは、前連結会計年度に比べて、投資有価証券の売却による収入が2,249百万円、事業譲渡による収入が3,647百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、18,483百万円であり、前連結会計年度に比べ105,807百万円減少しました。これは、当連結会計年度において配当金の支払額が6,112百万円増加した一方で、前連結会計年度に比べて、短期借入金による収入が純額で128,347百万円増加したことなどによるものであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、より強固な財務基盤を構築することが不可欠であり、現在、「“量から質へ”の徹底」、「運転資金の圧縮」により営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、安定した収益が見込める「ブランド事業への投資拡大」、「デバイス事業における外部資金の獲得」など、投資効率の向上に向けた取り組みを加速しています。
このような取り組みを通じて、毎期、安定的にフリー・キャッシュ・フローを創出し、適切な株主還元を行うとともに、有利子負債の削減など、財務体質の改善を進めていきます。また、将来の社債市場への復帰に道筋をつけるなど、安定的な資金調達に向けた取り組みを進めてまいります。
(資金のキャッシュ・フロー及び流動性の状況)
2022年度においては、ディスプレイ市況の悪化など厳しい事業環境となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー)は、26,221百万円の支出となりました。今後、在庫管理の適正化等により運転資金の圧縮に努め、手元流動性を確保しつつ、有利子負債の削減等財務体質の改善を図ってまいります。
当面の目標としては、NET DER(純有利子負債/自己資本)「1倍未満」、自己資本比率「25%以上」を目指してまいります。(当連結会計年度末における純有利子負債は489,080百万円、自己資本は208,450百万円、NET DERは2.3倍、自己資本比率は11.8%)
(資金調達)
当社グループは、資金の支出効果の見極めを十分行いながら、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的確保を図る趣旨の下、短期運転資金を自己資金及び短期借入で、設備投資や長期運転資金の調達については長期借入で賄うことを基本原則としております。総資産に対する借入金の割合は当連結会計年度末現在39.9%となっており、このうち当該借入金に対する短期借入金の占める割合は23.2%となりました。
主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、流動性確保のため、200,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
安定的な外部資金の調達は、重要な経営課題と認識しており、社債市場早期復帰を目指し、財務内容の改善、投資適格への格付向上を図ってまいります。
格付の状況
(提出日現在)
格付機関
長期格付
短期格付
S&P Global
B+
B
格付投資情報センター
BB
b
日本格付研究所
BB
-
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり必要となる見積りについては、過去の実績や第三者による評価等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性のため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
