【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の各種規制が緩和されたことに伴い、経済活動は正常化に向かいつつありましたが第7波により新規感染者数が過去最多となり、感染が再拡大するなど一進一退の状況となりました。世界経済におきましては、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱、世界的インフレーションの加速と金融引き締めによる急激な円安進行など、景気の先行きは依然不透明な状況で推移しました。医療機器、医薬品業界におきましては、ワクチン接種の普及とともに診療環境は正常化し、病院施設等への営業活動は回復傾向にありますが、完全な収束が見通せない状況です。当社グループも引き続き全社一丸となって新型コロナウイルス感染症に立ち向かう責務を自覚し、国内におけるシェア拡大と海外販売網の拡大および生産コストの低減に取り組み、ユーザー目線にたった製品開発を進め、業績の向上に努めてまいりました。当社グループはすべての人が適切な医療を受けることができる持続可能な世界の実現を目指して、今後もより安全な医療環境の整備の一翼を担うべく、医療機器・医薬品メーカーとしての責任と役割を果たしてまいります。当第2四半期連結累計期間における連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されていく状況のなか、概ね好調に推移いたしました。為替相場が円安方向に推移したことにより海外売上高は大きく押し上げられました。特に透析関連製品やバスキュラー関連製品は引き続き順調に推移し全体の売上高増加を牽引しました。医薬品受託事業につきましては、前年同期におけるニプロファーマ鏡石工場被災による生産高減少からの回復および後発医薬品の全体的な需要増加を背景とした新規受託品の貢献がありましたが、一部製品の出荷遅延等の影響により伸長は抑えられました。医薬用容器に関してはワクチン用途以外の製品も需要は引き続き堅調に推移しており、医薬用容器の材料となるガラス管の生産能力も回復したこともあって売上高は好調に推移しました。この結果、連結売上高は前年同期比7.5%増加となる2,603億39百万円となりました。利益面におきましては、原材料・エネルギー価格の高騰、円安による輸入原材料等仕入価格の上昇に加え、一部工場の操業度の低下、中国上海市のロックダウンに伴う工場操業停止による製造原価の上昇が減益要因となりました。また前年度より引き続く運送費の高騰や、営業活動の正常化に伴う経費増等で営業利益は前年同期比50.5%減少となる63億71百万円となりました。これに対して、経常利益は急速に進行する円安局面において外貨建預金や売掛金の換算替えによる為替差益を計上しましたが、営業利益の減少を補うことができず、前年同期比6.7%減少となる116億4百万円となりました。さらに一部の所有地や政策保有株式の売却による固定資産売却益および投資有価証券売却益を計上したものの、課税所得の増加による法人税等の増加により、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比14.4%減少の62億52百万円となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<医療関連事業>国内販売におきましては、メディカル営業部門で中国上海市のロックダウンに伴う、一部製品の出荷調整の影響で、輸液、検査関連製品は低調な推移となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、バスキュラー関連製品が大きく伸長したことと、引き続き透析関連製品の販売が好調に推移したため、全体では堅調に推移しました。医薬営業部門では、後発医薬品業界全体での供給問題が続くなか、丁寧な説明と真摯な対応、総合メディカル企業として地域の薬剤師会などで勉強会・研修会を実施していることが市場での評価につながっております。12月に大型後発医薬品の発売を控えており引き続き市場の信頼に応える活動を行ってまいります。海外販売におきましては、新型コロナウイルス感染症との共存による経済活動の推進により、世界各地で対面での学会も再開され、米国、中国をはじめとする各国の学会に出展参加いたしました。また、商品セミナーや営業活動においても、オンラインでの活動に加え、対面での活動も積極的に実施いたしました。このような状況下、主力の透析関連商品は、依然ロシア・ウクライナ情勢等による販売減少などの影響はありますが、各地域での透析関連商品入札獲得による販売増、またシリンジ等のホスピタル関連商品の販売も順調に推移し、さらに為替相場も円安基調で推移したこともあり前年同期比は増収となりました。自社透析センターにおいても、従来から拡大を続ける中南米に加え、世界各国でも市場を拡大してまいりました。当第2四半期においてはブラジル、グアテマラ、南アフリカにて計9施設開設いたしました。引き続き新興国を中心に質の高い治療ができる環境を整え、地域医療に貢献してまいります。販売拠点につきましては、7月にベトナムのダナン、タイのチェンマイにそれぞれ営業所を新規開設いたしました。今後も拠点増強を継続し、販売拡大を推進いたします。運送費につきましては、依然高水準ではありますが、当四半期よりピークを越えて下降傾向が見られ始めております。今後も地産地消の促進、ハブ倉庫の活用、運送効率の向上、安全在庫の確保などにより、安定供給および経費削減を推進してまいります。これらの活動を通し、医療現場のニーズに迅速に対応することにより、顧客満足の向上に努め販売強化および管理強化による売上の拡大、利益の確保に繋げてまいります。生産拠点におきましては、日本国内・海外ともに、引き続き、原油価格高騰に伴う原材料・エネルギー価格の高騰による影響が継続しておりますが、生産コストの上昇を抑制するために各工場において、生産性向上・経費削減に努めております。また、ダイアライザの生産においては、中国・合肥工場での新ラインの稼働が当初計画より前倒しでき、インド工場では次四半期に新ラインの稼働を予定しております。これらによる生産拡大で需要に応えることで、世界の患者さまに貢献すべく尽力いたします。この結果、当事業の売上高は2,008億23百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益(営業利益)は185億90百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
<医薬関連事業>医薬関連事業におきましては、引き続き積極的な受託事業を展開しており、技術移転が完了した新規製品の出荷開始や既存受託品における後発医薬品の全般的な需要の増加、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和による抗がん剤や抗菌薬等の需要の回復が売上高に貢献しました。注射剤・経口剤・外用剤ともに治験薬製造などの開発段階から商用製品に向けた総合的な受託サービス業務、日本国内での検査包装業務の受託案件が増加しております。注射剤については、ニプロファーマ伊勢工場内に増設したプレフィルドシリンジ新製剤棟において複数の品目の商用生産化に向けた試作製造を開始いたしました。また新たに近江工場(滋賀県栗東市)建設に着手し、ダブルバッグ製剤およびバイアル製剤製造ラインの構築を進めており、受託事業拡大に努めております。経口剤におきましても、後発医薬品の需要増と受託生産の数量拡大に対応すべく、製造能力の増強を図るため、2025年の竣工・稼働開始に向けて、福島県白河市の土地を取得しました。品質保証体制と安定供給の確保、あわせて福島県沖地震による影響を教訓としてBCP対策に重点をおいた種々の対策に取り組んでまいります。一方で、一部の製品における出荷遅延、世界的な経済情勢の影響による原材料・エネルギー価格の高騰による製造原価の上昇により、前年同期比で営業利益が大きく減少しました。この結果、当事業の売上高は341億33百万円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)は8億49百万円(前年同期比67.4%減)となりました。
<ファーマパッケージング事業>ファーマパッケージング事業におきましては、世界8ヵ国15箇所に製造拠点を有し、バイアル、アンプル、シリンジ等の医薬用ガラス包装容器を中心にその材料となる硝子管から各種デバイス、ゴム部材に至るトータルパッケージを提供しております。当第2四半期連結累計期間は、世界的なインフレーションが加速し、特に欧州・米国においては、原材料・エネルギー価格の高騰に悩まされましたが、販売先との入念な交渉を通じ販売価格を適正化することで利益の確保に努めました。また新型コロナウイルス感染症拡大の影響から慢性的な人手不足が発生するなか、生産効率の向上を推進することで安定供給に尽力しました。加えて、一部の工場ではロシア・ウクライナ情勢の影響が長期化し、原材料の調達や出荷等のロジスティック面で遅れが生じました。日本国内では、コロナ第7波の影響から検査用スポンジスワブの需要が堅調に推移し、販売を牽引しました。また、びわこ工場内のバイアル製造設備を更新し、更なる品質と生産性向上に向けた体制整備を進めました。アジアにおいては、中国国内のコロナワクチン用バイアルの需要は一服しましたが、高品質の医薬品包装容器への転換需要を取り込むことで市場プレゼンスの拡大に努めました。また、インド工場は年初来、ガラス管の国内出荷が堅調であったほか、バイアルの輸出も順調に進展しました。この結果、当事業の売上高は250億40百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益(営業利益)は20億96百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
<その他事業>その他事業におきましては、不動産賃貸等による売上高が3億40百万円(前年同期比15.3%増)、セグメント利益(営業利益)は1億68百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の資産合計は1兆57億19百万円で、前連結会計年度末に比べ753億97百万円の増加となりました。このうち流動資産は381億72百万円の増加、固定資産は372億25百万円の増加となりました。流動資産の増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が140億64百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、有形固定資産の建設仮勘定が295億13百万円増加したことによるものであります。一方、負債合計は7,685億61百万円で、前連結会計年度末に比べ381億7百万円の増加となりました。このうち流動負債は217億11百万円の増加、固定負債は163億95百万円の増加となりました。流動負債の増加の主な要因は、短期借入金が160億86百万円増加したことによるものであり、固定負債の増加の主な要因は、長期借入金が178億48百万円増加したことによるものであります。純資産合計は2,371億58百万円で、前連結会計年度末に比べ372億90百万円の増加となりました。このうち株主資本は36億69百万円の増加、その他の包括利益累計額は321億17百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ2.1%増加し、22.0%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当社グループは医療関連、医薬関連、ファーマパッケージングの各部門の積極的な営業活動による現金及び現金同等物の収入と市場からの資金調達等により得た収入で、将来の当社グループ発展へ重点を置いた積極的な手元資金の運用に努めてまいりました。当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べて1億75百万円減少し、898億95百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は37億12百万円(前年同期は255億28百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費215億38百万円、税金等調整前四半期純利益131億45百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額116億61百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は412億77百万円(前年同期は473億90百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、固定資産の売却による収入99億31百万円であり、支出の主な内訳は、固定資産の取得による支出510億59百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は238億21百万円(前年同期は73億29百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入474億99百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出280億52百万円であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は96億9百万円であります。
(6) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の計画は、次のとおりであります。
会社名事業所名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
(百万円)
着手予定年月
完了予定年月
ニプロファーマ㈱白河工場
福島県白河市
医薬関連
経口剤製造工場建設
13,000
2023年4月
2025年6月
