【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の段階的な緩和に伴い、経済活動は徐々に正常化に向け進む一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格高騰や継続的な円安、諸外国におけるインフレの進行などによる物価高騰、コロナ禍による生活様式変容による消費減退など、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは2025年3月期を最終年度とする中期経営計画をスタートし、「人と技術のシナジーで時代とともに変化する『期待を超える価値』を創造しよう」という基本方針のもと取り組みを進めてまいりました。事業環境変化による影響に対しては、適正単価の収受を始めとする収益改善等の取り組みを継続し、着実に成果が出ているものと捉えております。2023年2月には当新設倉庫を含む近郊3拠点の冷凍倉庫の業務の再編を目的に埼玉県越谷市において新冷凍・冷蔵倉庫を稼働させました。これは、首都圏における冷凍・チルド食品の需要増への対応強化に加え、顧客ニーズへの最適化と運営効率化による収益力向上を図るものです。
また、空港関連については、2022年10月以降水際対策の緩和により、徐々に回復傾向にあり、今後より一層の復便が進むものと考えております。そのようななか、引き続き人材教育や人材確保など復便や増便に向けた体制の整備に努めるとともに、受託領域拡大にも取り組んでまいります。
当連結会計年度における経営成績については、得意先の生産は概ね堅調に推移したことや主に生産請負作業での単価アップに加えて、空港関連での国内・国際旅客便の復便等での取扱量増加、各国経済状況の回復に伴う取扱量の増加、大型案件の受注等の増収要因があったため、作業の終了や一部得意先の減産、下半期の欧州向け航空貨物の需要減退・運賃の相場下落があったものの、売上高は3,118億40百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。
利益については、燃料価格や電気・ガス料金の高騰はあったものの、増収の効果に加え、本年度4月よりスタートした「新中期経営計画2023年3月期~2025年3月期」の基本方針である収益力の向上に取組み、適正単価の収受、業務効率化等を進めた結果、営業利益は132億43百万円(同28.7%増)、経常利益は142億81百万円(同20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は83億1百万円(同3.9%増)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。なお、セグメント利益は一般管理費控除前の営業利益であります。
①複合ソリューション事業
鉄鋼関連における生産請負作業での単価アップや大口スポット作業の獲得、空港関連における国内・国際旅客便の復便や受託領域の拡大、環境・エンジニアリング関連における大型工事の受注、食品プロダクツ関連における得意先増産や新拠点の稼働、それに伴う倉庫・輸送取扱量の増加の一方、震災復興作業の終了、食品関連における一部得意先の減産もあり、売上高は1,888億73百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。
利益は、燃料価格や電気・ガス料金の高騰はあったものの、増収効果に加え、適正単価の収受及び徹底した業務効率化により収益改善に努め、129億91百万円(同27.1%増)となりました。
②国内物流事業
食品関連における定温貨物の取扱量の増加や生活関連における食料品や通販物流センターの取扱量の増加により、売上高は526億88百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。
利益は、電気料金や燃料価格の高騰、新規業務立上等による一時費用の発生はあったものの、増収効果に加え適正単価の収受及び業務効率化等により収益改善に努めた結果、30億46百万円(同2.1%増)となりました。
③国際物流事業
ベトナム・アメリカ・インド等の経済回復に伴う取扱量の増加、大型案件の獲得があったため、下半期の欧州向け航空貨物の需要減退・運賃の相場下落があったものの、売上高は702億61百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。
利益は、取扱量の増加等により35億54百万円(同8.7%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,660億22百万円であり、前連結会計年度末に比べ82億57百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,322億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ83億54百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が102億88百万円増加したこと、貯蔵品が2億51百万円増加したこと、受取手形、売掛金及び契約資産が21億27百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,337億67百万円であり、前連結会計年度末に比べ96百万円減少しました。主な要因は、建物及び構築物が14億3百万円減少したこと、機械装置及び運搬具が4億10百万円増加したこと、無形固定資産その他が3億69百万円増加したこと、投資有価証券が3億20百万円増加したこと、投資その他の資産その他が3億4百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,422億28百万円であり、前連結会計年度末に比べ22億44百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は525億26百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億15百万円増加しました。主な要因は、短期借入金が16億87百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が12億48百万円増加したこと、未払法人税等が7億84百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が25億8百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は897億1百万円であり、前連結会計年度末に比べ37億60百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が33億69百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,237億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ105億2百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が66億70百万円増加したこと、為替換算調整勘定が27億57百万円増加したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは187億93百万円の収入(前連結会計年度比20億43百万円の収入増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が137億64百万円あったこと、減価償却費が80億36百万円あったこと、法人税等の支払額が49億89百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは58億46百万円の支出(前連結会計年度比5億78百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が45億49百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が12億54百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは35億47百万円の支出(前連結会計年度比118億93百万円の支出減)となりました。これは、配当金の支払額が19億6百万円あったこと、ファイナンス・リース債務の返済による支出が7億52百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による増加額5億52百万円等を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より99億52百万円増加し、675億80百万円となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
複合ソリューション事業
188,873
104.2
国内物流事業
52,688
101.8
国際物流事業
70,261
102.9
報告セグメント計
311,824
103.4
その他
15
-
合計
311,840
103.5
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
日本製鉄株式会社
33,146
11.0
36,865
11.8
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)経営成績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)財政状態
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(4)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めています。2022年4月よりスタートした中期経営計画(期間:3年間 2023年3月期~2025年3月期)においては、前中期経営計画、2020年2月からの構造改革、及び2022年3月期方針での成果をもとに、「人と技術のシナジーで時代とともに変化する『期待を超える価値』を創造しよう」を基本方針に掲げ、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画における目標指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本効率性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。
