【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益が4,748億円(3,438百万EUR)(前期比19.9%増)、営業利益は412億円(298百万EUR)(前期比78.7%増)、税引前当期利益は365億円(265百万EUR)(前期比86.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は254億円(184百万EUR)(前期比88.7%増)となりました。(ユーロ建表示は2022年1月から12月の期中平均レート138.1円で換算しております。)
当社の2022年の連結受注額は、前年度比19%増の5,424億円と過去最高となりました。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX化、GX化の需要が増加しました。お客様への付加価値提案力が向上したことにより、2022年度の機械1台当たりの受注単価が49.8百万円(2021年度平均:39.4百万円)へと大きく上昇したことも受注額の増加に寄与しました。連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比19%増となりました。また、半導体製造装置向けの超精密計測部品を製造・販売するグループ会社の(株)マグネスケールを始めとするグループ会社の受注額も堅調に推移しました。
地域別受注額は、前年度比、日本(構成比:14%)が17%増、米州(同:20%)が17%増、欧州(同:50%)が20%増、中国(同:10%)が15%増、アジア他(同:6%)が33%増と、それぞれ伸長しました。米州及び中国の受注額は過去最高となりました。また、欧州、アジアの受注額はほぼ過去のピークと同水準となりました。産業別には、宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、温暖化ガス排出量削減のための新エネルギー関連など、新たな市場分野の拡大が寄与しました。
当第3四半期(7-9月)以降、工作機械需要は調整局面に入っています。各国、各産業からの引合い件数は高い水準を維持しておりますが、お客様において設備投資の意思決定までのリードタイムが長期化しています。それを踏まえ、2023年度の連結受注見通しを2022年度比8%減の5,000億円程度と見込んでいます。一方、受注残高は、2021年末の1,640億円から、2022年12月末には2,540億円まで増加しました。この受注残高は2023年第3四半期までの生産、販売を充足しており、需要が堅調なサービス・補修部品及びグループ会社と合わせて収益安定に寄与する見込みです。
経営理念にも掲げているとおり、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、お客様の生産性向上に貢献することを、当社は目指しております。これまでの工程集約・自動化・DX・GXの取組みをより一層加速させ、お客様の加工ニーズへのソリューションを一気通貫で提供できる企業としての基盤を強化するため、2022年12月に、2023年~2025年を期間とする「中期経営計画2025」を策定いたしました。お客様により高い付加価値を提供するため、事業モデル及び経営基盤の進化に取り組んでまいります。
経営基盤強化の一環として、当社は生産・開発体制の強化に取り組んでおります。2022年度は、伊賀事業所及び奈良事業所における生産体制の再編、奈良商品開発センタ(奈良PDC)の開所を行った他、ドイツ・フロンテン工場に最新鋭の自動化・デジタル化技術を用いた物流センタを新設いたしました。また、2023年度には、中国・上海近郊の平湖において5軸加工機専用工場の操業開始を予定しております。
技術面では、複雑形状部品加工の工程集約が可能な複合加工機「NZ-Platform」の販売を開始しております。お客様のニーズに合わせた多様な機械構成が可能であり、高生産性に貢献します。その他、高剛性と高精度を兼ね備えた大型横形マシニングセンタ「NHX 10000 µPrecision」を開発いたしました。当社では2021年から、部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成しており、これらの製品もカーボンニュートラルな体制で生産が行われます。今後も、より多くのお客様ニーズにお応えできるよう、高機能で信頼性が高く、投資価値のある商品を市場へ投入してまいります。
また、お客様専用のポータルサイト「my DMG MORI」においては、2022年10月より新サービス「パーツセレクター」及び「チャットボット」の提供を開始しております。その他、11月にはオンライン学習コンテンツのデジタルアカデミーにおいて「複合加工機ベーシック」ならびに「AMエントリー」をリリースいたしました。今後も新たなコースの追加を行っていく他、教育機関への普及を進めていくことで、製造業の人材育成に貢献してまいります。さらに、オフラインでプライベートレッスンが可能な場所として、日本全国各所にDMG MORI Academyの研修施設新設を予定しております。
販売面では、デジタルツインショールームのアップデートを実施し、新規展示及び新機能を追加しております。また、当年度は、日本で開催された「Robot Technology Japan 2022」「JIMTOF2022」、ドイツで開催された「AMB 2022」等リアルの展示会に出展した他、東京GHQやドイツ・フロンテン工場等、当社事業所においてオープンハウスを開催いたしました。小規模商談会「テクノロジーフライデー」も引き続きグローバルに開催しております。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、お客様ニーズに沿ったご提案を行ってまいります。
また、当社では「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員の働き方改革と生産性向上、従業員それぞれが継続して活躍できる環境整備に取り組んでおります。有給休暇の完全取得や男性社員の育児休業取得を積極的に奨励している他、日本においては、2022年7月に従業員の給与改定を実施いたしました。また、2023年4月からは新卒初任給の引上げを行います。高度な人材を確保することで、激動する外部環境に適切に対応できる企業として成長を続けてまいります。
さらに、当社は持続可能な社会を目指し、人と自然が共生できる社会、資源循環型の社会に向けた取組みを行っております。国内すべての拠点でCO₂フリーの電力を使用するなどカーボンニュートラルに向けてはグループ一丸となって取り組んでおり、2023年からは、グループ最大の生産拠点である伊賀事業所において太陽光発電を開始する予定です。その他、2030年に向けた温室効果ガス削減目標についてはSBT(Science Based Targets)認定を取得しております。また、自社での活動のみではなく、環境に配慮した商品の提供を通じて、お客様におけるGX化も促進しております。今後も持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
前連結会計年度
当連結会計年度
売上収益
(億円)
3,960
4,748
営業利益
(億円)
231
412
親会社の所有者に帰属する当期利益
(億円)
135
254
基本的1株当たり当期利益
(円)
91.75
188.62
セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益には、セグメント間の取引については相殺消去しております。
マシンツールセグメントでは宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、新エネルギー関連向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は317,015百万円(前期比18.9%増)となり、セグメント損益は24,053百万円(前期比24.0%増)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、補修部品販売、修理復旧の業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は157,725百万円(前期比22.0%増)となり、セグメント損益は30,119百万円(前期比79.0%増)のセグメント利益となりました。
②財政状態の状況
(ⅰ)資産
流動資産は293,985百万円(前期比39,293百万円の増加)となりました。これは、主として棚卸資産が36,675百万円、営業債権及びその他の債権が8,759百万円、それぞれ増加した一方で、現金及び現金同等物が10,305百万円減少したことによります。
非流動資産は386,349百万円(前期比43,924百万円の増加)となりました。これは、主として有形固定資産が24,888百万円、その他の無形資産が11,678百万円、のれんが6,007百万円、それぞれ増加したことによります。
この結果、資産合計は680,334百万円(前期比83,217百万円の増加)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は281,329百万円(前期比26,920百万円の増加)となりました。これは、主として社債及び借入金が40,981百万円、契約負債(前受金)が27,228百万円、営業債務及びその他の債務が18,636百万円、それぞれ増加した一方で、その他の金融負債が67,373百万円減少したことによります。
非流動負債は148,630百万円(前期比23,201百万円の増加)となりました。これは、主としてその他の金融負債が64,899百万円増加した一方で、社債及び借入金が45,281百万円減少したことによります。
この結果、負債合計は429,960百万円(前期比50,121百万円の増加)となりました。なお、社債及び借入金の増減は、主に長期借入金の返済期日が1年内になったことによります。
(ⅲ)資本
資本合計は250,374百万円(前期比33,095百万円の増加)となりました。これは、主として利益剰余金が17,047百万円、その他の資本の構成要素が14,460百万円、それぞれ増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度
当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
49,733
69,749
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△19,376
△44,874
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△18,270
△38,978
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
(百万円)
13,544
△10,305
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
47,298
36,992
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ10,305百万円減少し、当連結会計年度末は36,992百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、69,749百万円の収入(前期は49,733百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益36,528百万円、減価償却費及び償却費24,016百万円、契約負債(前受金)の増加21,498百万円、営業債務及びその他の債務の増加16,524百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加26,311百万円、利息の支払額3,821百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、44,874百万円の支出(前期は19,376百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出26,203百万円、無形資産の取得による支出14,909百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、38,978百万円の支出(前期は18,270百万円の支出)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加4,868百万円であり、主な減少要因は、負債性金融商品の返済による支出15,000百万円、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額7,525百万円、リース負債の返済による支出5,429百万円であります。
④生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
マシンツール(百万円)
351,929
13.0%
インダストリアル・サービス(百万円)
27,541
24.2%
合計(百万円)
379,471
13.7%
(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注実績
542,381
18.9
253,568
54.5
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
マシンツール(百万円)
317,015
18.9
インダストリアル・サービス(百万円)
157,725
22.0
全社(百万円)
30
10.8
合計(百万円)
474,771
19.9
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 10.有形固定資産」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及びその他の無形資産」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、2022年度の目標とした経営指標に対しては、全社受注5,424億円(目標5,500億円)で未達、売上収益4,748億円(目標4,650億円)で達成、営業利益412億円(目標450億円)で未達となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社は、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額72,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、1,100百万円であります。
当期末における当社グループの有利子負債の残高は、91,093百万円(前期末比4,299百万円の減少)となっております。
