【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、新たな変異株による感染再拡大の影響はあったものの、行動制限等の緩和により経済活動の回復が期待されましたが、継続的な半導体等の部品の不足による生産活動への影響や原料・資材及び電力他調達コストの増加等による影響など、先行き不透明な状況が続きました。中国においても、コロナ対策による都市封鎖や行動制限の強化、半導体等の部品の不足による生産活動への影響など日本同様に厳しい状況となりました。一方、東南アジアでは新たな変異株による感染再拡大はあったものの、その後状況が改善し、市場環境は回復傾向となりました。このような状況の中、当社グループは「国内収益基盤の強化」、「海外収益基盤の強化」、「事業運営基盤の強化」の3つの方針を柱とする事業施策を推進し、様々に変化する事業環境の中においても安定して継続的に事業展開できる企業を目指し事業活動を進めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(日本)売上高につきましては、成形品事業におけるOA(その他)分野の受注の減少及びその他事業に含まれていた高岡ホンダ自販株式会社を連結の範囲から除外した影響により、19,828百万円(前期比8.0%減)となりました。損益につきましては、減収影響並びに原料・資材及び電力他調達コストの増加等により、営業損失は461百万円(前期は営業利益144百万円)となりました。
(中国)売上高につきましては、邦貨換算の効果はあるものの車両分野における受注の減少により、15,244百万円(前期比4.5%減)となりました。損益につきましては、製品構成の変動等により、営業利益は531百万円(前期比54.4%減)となりました。
(東南アジア)売上高につきましては、車両分野の受注の増加及び邦貨換算の効果等により、13,089百万円(前期比33.4%増)となりました。損益につきましては、増収の効果及び原価低減活動の成果等により、営業利益は1,932百万円(前期比45.5%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
生産高(百万円)
前年同期比(%)
日本
17,591
106.1
中国
13,413
101.8
東南アジア
6,965
129.5
合計
37,969
108.1
(注) 金額は、実際原価に基づき計算しております。
b.受注実績日本・中国・東南アジアでの成形品事業における受注から売上計上までの期間が1ヶ月以内であるため、記載を省略しております。 また、日本でのその他の事業では受注生産を行っておりません。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
前年同期比(%)
日本
19,828
92.0
中国
15,244
95.5
東南アジア
13,089
133.4
合計
48,162
101.8
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
本田技研工業㈱
5,656
11.9
6,264
13.0
東レ㈱
5,359
11.3
5,805
12.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローについては以下のとおり分析しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
a.売上高及び売上総利益当連結会計年度の売上高は、世界的な半導体不足等による顧客の生産調整に加え、新型コロナウイルスによる都市封鎖や活動制限の強化などの影響があったものの、東南アジアでは新型コロナウイルスによる活動制限措置の解除が進んだことなどから生産活動が再開したことや、円安にともなう邦貨換算の効果により、48,162百万円(前期比829百万円増、1.8%増)となりました。売上原価は、原料・資材及び電力他調達コストの増加等により、41,029百万円(前期比1,512百万円増、3.8%増)となりました。その結果、売上総利益は7,132百万円(前期比683百万円減、8.7%減)となりました。
b.販売費及び一般管理費、並びに営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に減価償却費をはじめとした各種費用の減少等により、5,114百万円(前期比50百万円減、1.0%減)となりました。その結果、営業利益は2,018百万円(前期比632百万円減、23.9%減)となりました。
c.営業外収益及び営業外費用、並びに経常利益当連結会計年度の営業外収益は598百万円(前期比287百万円増、92.3%増)を計上しております。主なものは、助成金収入306百万円、作業屑売却収入101百万円、為替差益90百万円等であります。営業外費用は、220百万円(前期比69百万円減、24.0%減)を計上しております。主なものは、支払利息164百万円、持分法による投資損失19百万円であります。その結果、経常利益は2,396百万円(前期比275百万円減、10.3%減)となりました。
d.特別利益及び特別損失、並びに親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の特別利益は12百万円(前期比15百万円減、56.2%減)を計上しております。主なものは、固定資産売却益12百万円であります。特別損失は486百万円(前期比184百万円増、61.0%増)を計上しております。主なものは、減損損失312百万円、操業休止関連費用97百万円、固定資産除却損17百万円であります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は700百万円(前期比306百万円減、30.4%減)となりました。
(財政状態)当連結会計年度末における総資産は39,397百万円と、前連結会計年度に比べ1,054百万円増加しました。
a.流動資産当連結会計年度末における流動資産合計は21,020百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,154百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加942百万円によります。
b.固定資産当連結会計年度末における固定資産合計は18,376百万円となり、前連結会計年度末と比べ100百万円減少しました。これは主に、機械装置及び運搬具の増加943百万円、建設仮勘定の減少786百万円、土地の減少551百万円によります。
c.流動負債当連結会計年度末における流動負債合計は17,468百万円となり、前連結会計年度末と比べ561百万円増加しました。これは主に、仕入債務の増加514百万円、契約債務の増加483百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少331百万円によります。
d.固定負債当連結会計年度末における固定負債合計は、6,350百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,070百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少950百万円によります。
e.純資産当連結会計年度末における純資産合計は、15,578百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,562百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加631百万円、為替換算調整勘定の増加445百万円、非支配株主持分の増加372百万円によります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して941百万円増加し、4,752百万円(前期比24.7%増)となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は4,679百万円(前年同期は得られた資金4,612百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,922百万円、減価償却費2,214百万円等によります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動により使用した資金は2,242百万円(前年同期は使用した資金2,663百万円)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出2,277百万円によります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により使用した資金は1,653百万円(前年同期は使用した資金2,324百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,096百万円によります。
キャッシュ・フロー関連指標
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
2.2
2.5
4.2
2.1
1.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
15.6
16.6
10.5
24.1
29.7
(財務政策)当連結会計年度における当社グループ全体の設備投資額(有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含む)は2,423百万円となり、これらの設備資金及び運転資金につきましては、自己資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期運転資金は金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリースを基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は8,219百万円となっております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額に変更が生じた場合は、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、第5「経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕」をご参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
a.具体的な取組み
中期目標達成のため、中長期対応方針の中で掲げる3つの方針に沿った種々の取組みをしております。当連結会計年度における活動は以下のとおりであります。
方針
取組施策
具体的実施事項
国内収益基盤の強化
生産品目の選択と集中
・カーボンニュートラル実現のための関連製品への取り組み強化と新技術開発・電気・ハイブリッド自動車向け新機種電動パワートレイン部品の量産を開始(2022年7月より量産開始)・グループ内企業の役割の明確化と再編検討、対応
差別化技術の開発
・回転成形技術の高度化(燃料電池用水素タンクライナー、水素燃料貯蔵用タンクライナー等)に向けた開発用設備の導入(2022年11月完了)・炭素繊維とスーパーエンジニアリングプラスチックとの複合材料を用いた製品開発用設備の導入(2023年1月完了)
新規分野・お客様の開拓
・当社の固有技術を横展開し、新規顧客の開拓を推進・新たな分野での事業展開を視野に、NEDOプログラムを活用した新技術の研究開発用設備を導入中
効率生産体制の確立
・ものづくり改革部による、生産に関わる改善活動を推進・省人化・効率化生産を目的としたロボットの導入を推進・IoTを活用した、成形管理システムの導入を推進・画像処理システムを用いた外観検査の自動化を推進
海外収益基盤の強化
海外市場の見極めと投資検討
・インドネシア、中国で増加する大型車両部品の生産に対応するため、大型射出成形機を導入し稼働開始(インドネシア 3台、中国 1台)・車両部品の塗装作業の効率化を図るため、中国(佛山市)で高効率塗装設備を導入し稼働開始(2022年9月より稼働開始)
効率生産体制の確立
・省人化・効率化生産を目的としたロボットの導入を推進
事業運営基盤の強化
人材の育成
・もの作り面での研修の推進・中堅、若手社員の経営感覚を身に着けることを目的としたワーキンググループ等での活動を推進
組織運営体制の更なる強化
・事業環境の変化に対応するための組織運営体制の見直し検討
財務体質の強化
・継続した利益の確保
内部統制システムの充実
・内部統制委員会(J-SOX法、コンプライアンス、リスク管理の各委員会)の活動推進
環境にやさしい企業活動
・環境に配慮した設備の導入・廃棄物減量の取り組み推進
b.目標とする経営指標に対する今期の達成度合い、今後の対応について
指標
2023年3月期(実績)
2024年3月期(予想)
2025年3月期(目標)
売上高(百万円)
48,162
49,310
50,000
経常利益(百万円)
2,396
2,270
3,500
経常利益率(%)
5.0
4.6
7.0
当社グループでは、2025年3月期に連結売上高500億円以上、連結経常利益35億円以上を目指しております。当社固有の技術による製品の拡販と原価低減活動により、この目標の達成に向けて取り組んでまいります。
