【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症や2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降の世界的な物価高騰への対応、エネルギーの安定供給確保などさまざまな課題に直面する中、政府による各種政策の効果も相まって、個人消費や設備投資を中心に持ち直しの動きがみられるようになった。このような経済環境の中で、板紙業界においては、景気の持ち直しの動きに支えられ、生産量は前年を上回った。段ボール業界においては、工業製品、電気・機械器具向けは低迷したものの、食品や通販・宅配分野で好調を維持したことにより、生産量は前年並みとなった。紙器業界においては、個人向けの加工食品が堅調に推移したことにより、生産量は前年を上回った。軟包装業界においては、脱プラスチックの動きはあるものの、食品関係を中心とする底堅い需要に支えられ、生産量は前年を上回った。重包装業界においては、中国景気の後退等の影響を受けて、石油化学関連の需要が減少し、生産量は前年を下回った。以上のような状況のもとで、当社グループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、営業力の強化、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。また、世界的な原燃料価格の高騰等を受け、昨年来、段ボール原紙をはじめとする板紙、段ボール、セロファン、ポリプロピレンフィルム、軟包装の各種製品価格の改定に取り組んできたが、ロシア・ウクライナ情勢等を背景とするさらなる資源高に円安の進行も相まって、一段のコスト上昇を吸収することが極めて困難な状況となったため、再生産可能な価格体系に向けての取組みを引き続き推し進めている。2022年6月、産業用機械メーカーのFCL株式会社(愛知県長久手市)に資本参加し当社グループにおける生産技術を支える設備開発力の向上を図った。7月には海洋プラスチックごみ問題に貢献すべく木材由来のパルプを原料とした生分解可能なマイクロサイズの球状セルロース微粒子「ビスコパール®」のプラントを金津工場(福井県あわら市)に新設、また9月には丸福株式会社(石川県白山市)を子会社化し紙器・軟包装事業を強化した。
海外においては、2022年5月、欧州の事業展開に一層注力するためレンゴー・ヨーロッパ社(ドイツ)を設立。6月に同社とトライコー社(ドイツ)を通じて同国の重量物包装資材メーカーであるティム・パッケージング・システムズ社を子会社化(新社名:トライコー・パッケージング・システムズ社)する一方、8月にはトライウォール社(香港)が英国の段ボールメーカーを子会社化するとともに9月には米国の重量物包装資材メーカーの事業を取得するなど、グローバル化を推し進める重量物包装資材事業のさらなる拡充を図った。ESG経営における環境への取組みは、“Less is more.”をキーワードに掲げる当社グループとして最も優先すべき課題であり、2030年度におけるCO2排出量削減目標「2013年度比46%削減」に向け、2022年10月に、八潮工場(埼玉県八潮市)に次ぐ2基目の発電用バイオマスボイラが利根川事業所(茨城県坂東市)にて稼働した。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は413,506百万円(前年同期比113.7%)、営業利益は15,528百万円(同76.5%)、経常利益は17,849百万円(同79.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12,041百万円(同63.1%)となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
① 板紙・紙加工関連事業板紙・紙加工関連事業については、製品価格の改定により増収となったものの、エネルギーおよび古紙価格上昇の影響により減益となった。 この結果、当セグメントの売上高は239,083百万円(同108.3%)、営業利益は9,053百万円(同61.5%)となった。
主要製品の生産量は、次のとおりである。(板紙製品)板紙製品については、景気の持ち直しの動きに支えられ、生産量は1,302千t(同100.9%)となった。(段ボール製品)段ボール製品については、食品や通販・宅配分野が堅調に推移したことにより、生産量は段ボール2,205百万㎡(同101.1%)、段ボール箱1,846百万㎡(同102.2%)となった。
② 軟包装関連事業軟包装関連事業については、製品価格の改定および連結子会社の増加により増収増益となった。 この結果、当セグメントの売上高は56,861百万円(同123.4%)、営業利益は1,590百万円(同122.1%)となった。
③ 重包装関連事業重包装関連事業については、製品価格の改定により増収となったものの、原料価格上昇の影響により減益となった。 この結果、当セグメントの売上高は22,745百万円(同108.3%)、営業利益は624百万円(同68.3%)となった。
④ 海外関連事業海外関連事業については、連結子会社が増加したことや欧州において価格改定が進んだことにより、増収増益となった。 この結果、当セグメントの売上高は77,391百万円(同131.5%)、営業利益は3,526百万円(同148.5%)となった。
⑤ その他の事業その他の事業については、不織布事業の価格改定により増収となったが、原燃料価格上昇により減益となった。 この結果、当セグメントの売上高は17,424百万円(同102.6%)、営業利益は686百万円(同70.1%)となった。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、主に受取手形及び売掛金、有形固定資産および無形固定資産の増加により、1,016,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ82,239百万円増加した。 負債は、主に長短借入金や支払手形及び買掛金の増加により631,199百万円となり、前連結会計年度末に比べ51,143百万円増加した。 純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加や、為替レートの変動に伴う為替換算調整勘定の増加により、385,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ31,095百万円増加した。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同じ36.6%となった。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は55,170百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ2,665百万円減少した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加額は22,077百万円(前年同期に比べ9,983百万円の収入の減少)となった。主な内訳は、減価償却費20,924百万円である。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少額は34,904百万円(前年同期に比べ8,346百万円の支出の増加)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出19,274百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出13,412百万円である。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の増加額は1,707百万円(前年同期に比べ13,168百万円の収入の増加)となった。主な内訳は、長短借入金の純増額11,771百万円、社債の償還による支出5,059百万円、配当金の支払額2,982百万円である。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はない。なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。
1. 当社の企業価値向上に向けた取組み当社グループは1909年に日本で初めて段ボールを世に送り出して以来、時勢の変遷に対応して最も優れたパッケージングを提供することにより、お客様の商品の価値を高め、社会に貢献しつづけてきた。 当社グループは、これからも、あらゆる産業の物流に最適なパッケージングを総合的に開発し、ゼネラル・パッケージング・インダストリーとして、たゆみない意識改革と技術革新を通じてパッケージングの新たな価値を創造しつづけるとともに、自ら未来をデザインし、新たな市場を開拓する「パッケージングプロバイダー」としての使命を胸に、世界でベストワンの総合包装企業集団を目指し、持続的な企業価値の向上に努めていく。
2. 大規模買付行為に対する取組み
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合、これを受け入れるか否かの判断は、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えている。しかしながら、大規模買付行為の中には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくない。 したがって当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配するものとして不適切であると考えている。 当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対し、大規模買付行為の是非を株主が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のための時間と情報の確保に努める等、関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていく。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は1,000百万円である。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、第1四半期連結会計期間から連結子会社が増加したことにより、軟包装関連事業の販売実績が著しく増加している。この結果、当第2四半期連結累計期間における軟包装関連事業の販売実績は56,861百万円(前年同期比123.4%)となった。
当第2四半期連結累計期間において、当第2四半期連結会計期間から連結子会社が増加したことにより、海外関連事業の販売実績が著しく増加している。この結果、当第2四半期連結累計期間における海外関連事業の販売実績は77,391百万円(同131.5%)となった。