【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。全ての財務数値は、国際会計基準(IFRS)ベースで記載しています。
(1)業績の状況
2023年3月期第2四半期において当社グループが事業を行う市場環境は、事業により濃淡がありました。建築用ガラス市場は、経済に逆風が吹き始めた影響を受けて需要がやや減少した地域があったものの、全体としては引き続き堅調でした。投入コストの高止まり影響は、引き続き販売価格の改善により大部分を吸収できました。太陽電池パネル用ガラスの需要も堅調でした。自動車用ガラス市場は、引き続き半導体を中心とした自動車部品不足の影響を受けましたが、当第2四半期末にかけて解消する兆しが見られました。また、投入コスト上昇の影響を軽減することを目的とした価格交渉は多くの取引先と合意することができました。高機能ガラス市場は、多くの分野で当社製品に対する需要が改善し概ね好調でした。
当第2四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比29%増の3,757億円(前年同期は2,907億円)となりました。改善の大部分は、建築用ガラス事業によるものです。為替の影響を除く売上高は前年同期比19%増でした。個別開示項目前営業利益は144億円(前年同期は127億円)でした。個別開示項目費用(純額)は、2006年のピルキントン社買収に伴って発生した欧州における自動車用ガラス事業ののれんおよび無形資産残高488億円全額について減損損失を計上したため、449億円でした。個別開示項目の詳細については、第4経理の状況(5)要約四半期連結財務諸表注記 (f)個別開示項目 をご確認ください。法人所得税の25億円(前年同期は52億円)は通期の見積実効税率に基づき計算していますが、個別に重要な項目については適切に調整しています。多額の個別開示項目費用を計上した結果、親会社の所有者に帰属する四半期損失は388億円(前年同期は86億円の利益)となりました。
当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。
「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高のうち49%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。
「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち46%を占めています。
「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち5%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイドの製造・販売、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。
「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
セグメント別の業績概要は下表の通りです。
(単位:百万円)
売上高
個別開示項目前営業利益(△は損失)
当第2四半期
連結累計期間
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前第2四半期
連結累計期間
建築用ガラス事業
182,111
132,019
15,495
13,640
自動車用ガラス事業
171,872
135,221
△1,694
△1,071
高機能ガラス事業
20,186
21,679
5,689
5,710
その他
1,482
1,768
△5,053
△5,579
合計
375,651
290,687
14,437
12,700
建築用ガラス事業
当第2四半期連結累計期間における建築用ガラス事業の売上高は1,821億円(前年同期は1,320億円)、個別開示項目前営業利益は155億円(前年同期は136億円)となりました。販売価格の改善および円安の影響を受け、売上高・個別開示項目前営業利益ともに前年同期から増加しました。
欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の43%を占めています。販売価格の上昇と為替影響の結果、売上高が大幅に増加しました。しかしながら、投入コストの上昇を販売価格の改善により完全に相殺することができず、個別開示項目前営業利益は減少しました。当第2四半期において、インフレの進行と金利上昇により企業の景況感や消費者マインドが悪化し、販売数量は減少の兆しが見られました。
アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の27%を占めています。売上高・個別開示項目前営業利益ともに前年同期を上回りました。投入コスト上昇の影響は、販売数量増と安定した操業により軽減しました。
米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の30%を占めています。米州は前年同期比で増収増益となりました。北米においては販売数量が物流の制約の影響を多少受けているものの、需要は好調でした。また、アルゼンチンで新設した2基目のフロート窯については当第2四半期に火入れが完了しており、第3四半期から生産を開始する予定です。
自動車用ガラス事業
当第2四半期連結累計期間における自動車用ガラス事業の売上高は1,719億円(前年同期は1,352億円)、個別開示項目前営業損失は17億円(前年同期は11億円の損失)となりました。多くの地域で販売数量は低水準が続きましたが、売上高は円安の影響もあり増加しました。
欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の41%を占めています。売上高は増加しましたが、これは主に為替影響によるものであり、数量は自動車メーカーにおける半導体等部品不足の影響を受けました。但し、当第2四半期では自動車メーカーにおけるサプライチェーンの問題が徐々に解消に向かう兆しが見えてきました。収益性についても投入コスト上昇の影響を受けましたが、当第2四半期中に多くの取引先との価格交渉で合意に達することができ販売価格が改善したため一部軽減しました。補修用市場向けの販売数量は好調でした。
アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の19%を占めています。売上高は増加しましたが、これは投入コスト上昇の影響を緩和するために自動車メーカーとの価格改善交渉を進めた結果です。収益性は、前年とほぼ同水準でした。
米州における自動車用ガラス事業の売上高はグループ全体における当事業売上高の40%を占めています。米州は増収の一方で減益となりました。北米での需要は、自動車メーカーによる在庫の積み増しの影響を受け好調でしたが、収益性は投入コスト上昇の影響を受けました。南米の需要は比較的堅調で、アルゼンチンでは販売数量が改善しました。
高機能ガラス事業
当第2四半期連結累計期間における高機能ガラス事業の売上高は202億円(前年同期は217億円)、個別開示項目前営業利益は57億円(前年同期は57億円)となりました。売上高・個別開示項目前営業利益は前年にバッテリーセパレーター事業を譲渡したためわずかに減少しました。バッテリーセパレーター事業譲渡による売上高・個別開示項目前営業利益への影響は、好調な市場環境により概ね相殺されています。
ファインガラス事業では、継続的なコスト削減による事業基盤の強化や売上構成の改善により、業績改善が一層進みました。情報通信デバイス事業では、販売数量は半導体等部品不足の影響を受けたものの、需要は引き続き在宅勤務やオンライン授業の普及により支えられています。エンジンのタイミングベルト用グラスコードの潜在的需要自体は安定しているものの、販売数量は取引先におけるサプライチェーンの問題による影響を受けました。メタシャイン®の売上高については、自動車用塗装および化粧品向けともに、わずかに回復しました。
持分法適用会社
持分法で会計処理される投資に係る利益は、持分法による投資利益及び持分法投資に関するその他の損失が含まれており、当第2四半期連結累計期間においては、純額で25億円(前年同期は33億円)と前年同期を下回りましたが、これは、主にブラジルの建築用ガラスの持分法適用会社であるCebrace社の利益が減少したことによるものです。
前連結会計年度において、投資の一部に対して減損損失を認識したことに伴い、当社グループは、当第2四半期連結累計期間におけるロシアのジョイント・ベンチャーに対する持分法による投資利益を即時、減損しています。この減損損失は連結損益計算書では、持分法投資に関するその他の損失として表示しています。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、114億円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による191億円の支出等により209億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは95億円のマイナス(前年同期は14億円のマイナス)となりました。
(3)経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更等はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は、46億円となりました。事業別の内訳は、建築用ガラス事業にて14億円、自動車用ガラス事業にて13億円、高機能ガラス事業にて5億円、その他において14億円となりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
2022年9月末時点の総資産は10,074億円となり、2022年3月末時点から682億円増加しました
当社グループの資本の源泉としては、事業活動からの営業キャッシュ・フロー、銀行からの借入金、リース契約、又は資本が挙げられます。2022年9月末現在、当社グループの総借入残高の構成割合は、銀行からの借入金が91%、リース契約等が9%となっています。
当社グループは、最適な調達方法と調達期間の組み合わせにより、適切なコストで安定的に資金を確保することを、資金調達の基本方針としています。
2022年9月末時点のネット借入残高は、2022年3月末より98億円増加して3,750億円となりました。ネット借入の増加は主に、運転資本の季節的な増加と為替影響によるものです。為替影響によるネット借入の増加は160億円でした。運転資本の増加の影響を除いたキャッシュ・フローはプラスとなりました。また総借入残高は4,980億円となりました。当社グループは2022年9月30日時点で未使用の融資枠を379億円保有しており、これに加えて未引き出しのコミット型タームローンが161億円あります。
資本合計は1,830億円となり、2022年3月末時点の1,694億円から136億円増加しました。資本合計の増加は主に、為替換算差額やキャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動、退職給付債務の減少、超インフレ調整によるものですが、これらはのれんおよび無形資産の減損損失の認識に伴い一部相殺されました。
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