【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、長期化する新型コロナウイルスの影響やロシア・ウクライナ情勢、原材料・エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱に加え、円安進行に伴う物価上昇、欧米の金融引締めによる景気後退懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
一方、新型コロナウイルス対策における行動規制や水際対策の緩和・撤廃、「全国旅行支援」の再開による地方経済の活性化や個人消費拡大、脱炭素やDX化などへの設備投資拡大など、社会経済活動の正常化へ期待が高まっております。
このような状況のもと、当社グループは、国内染色加工事業では、業界全体の課題である適切な価格転嫁を図るべく加工料金値上げの実施、原材料・エネルギー価格の高騰や原材料の供給不足に対応すべく、設備の改善・改良、生産性向上、原材料使用の適正化などを推進したほか、受注拡大や商品の付加価値化・差別化を図るため、新商品開発に注力しました。
また、環境に配慮した節水活動、CO2排出量削減、薬品回収・再利用などSDGsの達成に向けた取組についても継続実施しております。
海外染色加工事業では、主力のインドネシア子会社においては、受注環境はコロナ禍以前に近い水準にありますが、原材料・エネルギー価格の高騰に対応するため、生産性向上、加工条件適正化、薬品回収効率化、熱エネルギー効率利用、加工設備の正常化や改善など、各種活動の推進に注力しました。
保育サービス事業では、前年同期と比べ認可保育園2件、企業内保育所5件を新規開園するなど積極的な拠点拡大に注力したほか、働く保護者様への支援・負担軽減を目的とした、保育用品の定額制レンタルサービスの提供を開始しました。
洗濯事業では、ホテルリネンの回復に加え、既存取引先との新たな取組や新規アイテムの取込みにより取扱数量の増加を図りました。
これらの結果、売上高は9,856百万円(前年同期比22.1%増、1,782百万円増)となり、営業利益は33百万円(前年同期比61.1%減、52百万円減)、経常利益は150百万円(前年同期比21.9%増、27百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純損失は45百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益68百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.染色加工事業
染色加工事業は、売上高は7,071百万円(前年同期比22.4%増、1,294百万円増)となり、営業損失は149百万円(前年同期は営業利益15百万円)となりました。
染色加工事業における部門別(加工料部門、テキスタイル販売部門)の業績は次のとおりであります。
(加工料部門)
国内では、原材料・エネルギーほか全ての経費が上昇を続けるなか、薬品使用原単位削減、エネルギー使用量削減などコスト削減活動を実施するも、品目によっては購入価格が前年比2倍となるなど、価格の急騰にコスト削減が追い付かない状況が続いております。
このような生産コストの異常かつ急激な上昇に対応するため、複数回にわたり加工料値上げを実施しましたが、生産コスト上昇の流れは未だ続いており、充分かつ適正な価格転嫁が出来ておらず、減収減益となりました。
海外では、市況の回復による受注数量増加および加工料金値上げにより大幅増収となりました。
しかしながら、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰に伴う生産コストの大幅な上昇により、収益率が悪化しました。
これらの結果、加工料部門の売上高は5,693百万円(前年同期比17.5%増、846百万円増)となりました。
(テキスタイル販売部門)
国内では、売上数量は減少したものの、単価上昇により売上高は微増となりました。
また、海外においては、市況の回復に伴う受注数量の増加により大幅な増収となりました。
これらの結果、テキスタイル販売部門の売上高は1,378百万円(前年同期比48.2%増、448百万円増)となりました。
b.縫製品販売事業
縫製品販売事業は、シャツやブラウス、パジャマなどの縫製品販売数量の増加により、売上高は200百万円(前年同期比57.4%増、72百万円増)、営業利益は0百万円(前年同期は営業損失17百万円)となりました。
c.保育サービス事業
保育サービス事業は、株式会社マミーズの連結子会社化や新規拠点開設が増収に寄与したほか、拠点開設費用や採用費・その他費用の見直しにより、売上高は2,416百万円(前年同期比20.2%増、406百万円増)、営業利益は116百万円(前年同期比280.6%増、86百万円増)となりました。
d.倉庫事業
倉庫事業は、新規取引先との取組により売上は増加しましたが、燃料価格や運賃などの各種コスト上昇の影響を受け、売上高は181百万円(前年同期比0.2%増、0百万円増)、営業利益は10百万円(前年同期比55.2%減、12百万円減)となりました。
e.機械販売事業
機械販売事業は、新型コロナウイルス感染症に対する各種規制の緩和に伴い、国内外ともに保守点検作業や営業活動が再開され、引き合いや受注獲得件数は増加しているものの、電装品や部材の納入遅延の影響もあり、当期の販売には至っておらず、売上高は24百万円(前年同期比5.1%減、1百万円減)、営業損失は7百万円(前年同期は営業損失14百万円)となりました。
f.洗濯事業
洗濯事業は、政府による観光需要喚起策「全国旅行支援」によるホテルリネンの回復に加え、既存取引先との新たな取組により取扱数量が増加しました。また、価格改定に加え、生産性向上、生産体制見直しなどを実施した結果、売上高は89百万円(前年同期比30.7%増、20百万円増)、営業利益は4百万円(前年同期は営業損失5百万円)となりました。
g.その他事業
当セグメントには、システム事業、不動産賃貸事業が含まれており、売上高は69百万円(前年同期比7.6%増、4百万円増)、営業利益は57百万円(前年同期比8.0%増、4百万円増)となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、14,269百万円(前連結会計年度末比6.6%増、885百万円増)となりました。これは主に受取手形及び売掛金の増加202百万円、商品及び製品の増加154百万円、原材料及び貯蔵品の増加170百万円、建物及び構築物の増加184百万円等によるものです。
負債は、6,702百万円(前連結会計年度末比7.6%増、473百万円増)となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加153百万円、電子記録債務の増加89百万円、短期借入金の増加274百万円、賞与引当金の減少57百万円等によるものです。
純資産は、7,566百万円(前連結会計年度末比5.8%増、411百万円増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失による減少45百万円、配当金の支払による減少64百万円、その他有価証券評価差額金の増加158百万円、為替換算調整勘定の増加219百万円等によるものです。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、35百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。