【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、地政学的リスクによる原材料・エネルギー価格などの物価高騰やサプライチェーンの混乱に加え、急速な円安の進行に伴うインフレ圧力の強まりにより、引き続き厳しい状況で推移しました。
新型コロナウイルス対策におきましては、各種行動規制の緩和や外国人の新規入国制限緩和および入国者総数の上限撤廃など「コロナとの共存」への動きが進められており、地域経済の活性化、企業の設備投資や生産活動、個人消費の回復・正常化が期待される一方、感染拡大第8波の流行懸念など、先行きは未だ不透明な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、国内染色加工事業では、高騰を続ける原材料・エネルギー価格に対応するため、設備改善・設備改良、生産性の向上、原材料使用の適正化などを推進したほか、受注拡大や商品の付加価値化・差別化を図るべく、新商品の開発に注力しました。
また、環境に配慮した節水活動、CO2排出量削減、薬品の回収作業などSDGsの達成に向けた取組についても継続しております。
海外染色加工事業では、主力のインドネシア子会社においては、受注は回復傾向にあり、コロナ禍前の水準に戻りつつありますが、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰による生産コスト上昇に対応するため、生産性の向上、加工条件適正化、薬品回収の効率化、熱エネルギーの効率利用など、各種活動の推進に注力しました。
保育サービス事業では、認可保育園2件、企業内保育所6件の新規開園に加え、「日々忙しく働く保護者様」・「コロナ禍の医療現場で働く保護者様」への支援、負担軽減を目的とした、保育用品の定額制レンタルサービス「ふわっこめいと」の提供を開始しました。
洗濯事業では、ホテルリネンの回復に加え、既存取引先との新たな取組やアイテム拡大など、取扱数量の増加に注力しました。
これらの結果、売上高は6,094百万円(前年同期比18.3%増、943百万円増)となり、営業損失は186百万円(前年同期は営業損失53百万円)、経常損失は112百万円(前年同期は経常損失23百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は187百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益7百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.染色加工事業
染色加工事業は、売上高は4,310百万円(前年同期比18.3%増、665百万円増)となり、営業損失は264百万円(前年同期は営業損失40百万円)となりました。
染色加工事業における部門別(加工料部門、テキスタイル販売部門)の業績は次のとおりであります。
(加工料部門)
国内では、原綿価格の高騰に伴う生機価格や円安の進行に伴う輸入コスト上昇など、受注環境は悪化しました。また、原材料・エネルギー価格の高騰に対応すべく加工料金への価格転嫁を実施するも、生産コスト上昇分を吸収するに至らず、減収減益となりました。
海外では、市況の回復に伴う受注数量の増加および加工料金の値上げにより売上高は増加しましたが、国内同様、原材料・エネルギー価格の高騰による生産コストの上昇から減益となりました。
これらの結果、加工料部門の売上高は3,499百万円(前年同期比13.3%増、410百万円増)となりました。
(テキスタイル販売部門)
国内では、カジュアル・ユニフォーム用途部門の販売不振により減収となりましたが、海外においては、市況回復に伴い各拠点にて大幅な増収となりました。
これらの結果、テキスタイル販売部門の売上高は810百万円(前年同期比46.1%増、255百万円増)となりました。
b.縫製品販売事業
縫製品販売事業は、シャツやブラウス、パジャマなどの縫製品販売数量の増加により、売上高は136百万円(前年同期比33.8%増、34百万円増)、営業損失は0百万円(前年同期は営業損失12百万円)となりました。
c.保育サービス事業
保育サービス事業は、株式会社マミーズを連結子会社化したほか、新規拠点開設により売上拡大を図っております。また、拠点開設費用や採用費・その他費用の見直しを実施した結果、売上高は1,534百万円(前年同期比17.8%増、231百万円増)、営業利益は37百万円(前年同期は営業損失27百万円)となりました。
d.倉庫事業
倉庫事業は、新規取引先の開拓により売上は増加しましたが、燃料価格や運賃などの上昇により、売上高は120百万円(前年同期比2.5%増、2百万円増)、営業利益は9百万円(前年同期比26.1%減、3百万円減)となりました。
e.機械販売事業
機械販売事業は、新型コロナウイルス感染症に対する各種規制の緩和に伴い、国内外ともに保守点検作業や営業活動が再開され、引き合いや受注獲得件数は増加しているが、当期の販売には至っておらず、売上高は13百万円(前年同期比32.0%減、6百万円減)、営業損失は7百万円(前年同期は営業損失13百万円)となりました。
f.洗濯事業
洗濯事業は、既存取引先との新たな取組に加え、自治体の観光事業者支援策によるホテルリネンの回復により、売上高は56百万円(前年同期比35.6%増、14百万円増)、営業利益は1百万円(前年同期は営業損失6百万円)となりました。
g.その他事業
当セグメントには、システム事業、不動産賃貸事業が含まれており、売上高は46百万円(前年同期比7.5%増、3百万円増)、営業利益は36百万円(前年同期比7.8%増、2百万円増)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、13,590百万円(前連結会計年度末比1.5%増、206百万円増)となりました。これは主に受取手形及び売掛金の減少232百万円、商品及び製品の増加143百万円、原材料及び貯蔵品の増加137百万円、建物及び構築物の増加202百万円等によるものです。
負債は、6,356百万円(前連結会計年度末比2.0%増、127百万円増)となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加91百万円、短期借入金の増加154百万円、その他固定負債の減少103百万円等によるものです。
純資産は、7,234百万円(前連結会計年度末1.1%増、78百万円増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失による減少187百万円、配当金の支払いによる減少64百万円、その他有価証券評価差額金の増加90百万円、為替換算調整勘定の増加180百万円等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、営業活動により4百万円の増加、投資活動により69百万円の減少、財務活動により63百万円の減少となった結果、2,307百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 税金等調整前当期純損失112百万円、減価償却費221百万円、国庫補助金105百万円、売上債権の減少301百万円、棚卸資産の増加264百万円等により、4百万円の収入(前年同期は131百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入62百万円、国庫補助金の受入による収入105百万円、有形固定資産の取得による支出166百万円等により、69百万円の支出(前年同期は108百万円の収入)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 長期借入れによる収入400百万円、長期借入金の返済による支出410百万円、配当金の支払額64百万円等により、63百万円の支出(前年同期は0百万円の収入)となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。