【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国は堅調に推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格・エネルギーコストの上昇や世界的なインフレ進行などがあり、欧州を中心に減速傾向となりました。また、中国も個人消費の低迷と不動産市場の悪化により減速が続きました。日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が軽減し回復が見られたものの、原材料価格・エネルギーコストの上昇や為替レートの大幅な変動など、先行き不透明な状況が継続しました。このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には、省エネルギー関連製品、環境対応製品、防災関連製品、生活関連製品、インフラ整備関連製品などの重点分野、およびグローバル化へ積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取り組んでまいりました。その結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、価格改定を含め、売上高38,182百万円(前年同四半期比6.4%減)となりました。営業損益は、原材料価格・エネルギーコストの上昇や円安による仕入れコスト上昇の影響等への対応として、生産性の向上や経費削減に努めましたが、519百万円の営業損失(前年同四半期は102百万円の営業損失)となりました。経常損益は、営業外収益に為替差益等の計上がありましたが、45百万円の経常損失(前年同四半期は489百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益に固定資産売却益の計上がありましたが、前年同四半期に比べ12百万円減少し、154百万円(前年同四半期比7.3%減)となりました。
②セグメントごとの経営成績の状況セグメントの業績は、次のとおりであります。当社は主に企業向けの中間財と最終消費者向けの消費財を製造、販売しております。消費財がもつ当社のブランド力を中間財の拡販に有効活用していくためにも、今後、消費財への注力は重要との観点から、消費財・中間財に区分して記載しております。
〈シューズ事業〉◆消費財衝撃吸収素材「ソルボセイン」搭載のコンフォートシューズ「アキレス・ソルボ」、および世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」は好調に推移し前年売上を上回りましたが、その他の商品群の回復が遅れ、全体では前年売上を下回りました。シューズ事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は4,991百万円と前年同四半期に比べ352百万円の減収(前年同四半期比6.6%減)となりました。セグメント損失は、価格改定の効果を含む利益率の改善や、販売費の削減等により404百万円(前年同四半期は564百万円のセグメント損失)となりました。
〈プラスチック事業〉◆中間財車輌内装用資材は、中国市場は苦戦しましたが、国内および北米市場においては自動車メーカーの生産が回復し、好調に推移しました。フイルムは、国内外の流通在庫調整によりエレクトロニクス分野、医療・医薬分野が大きく低迷したほか、長引く欧州の景気低迷によりエクステリア用フィルムも伸び悩み、低調に推移しました。建装資材は、市況の低迷が続く中、壁材の新柄投入効果によりほぼ前年並みとなりました。価格改定を含めた中間財の売上高は18,441百万円と前年同四半期に比べ1,556百万円の減収(前年同四半期比7.8%減)となりました。◆消費財防災対策商品は、米国市場でボートが伸び悩み、低調に推移しました。価格改定を含めた消費財の売上高は1,037百万円と前年同四半期に比べ283百万円の減収(前年同四半期比21.4%減)となりました。プラスチック事業全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は19,478百万円と前年同四半期に比べ1,839百万円の減収(前年同四半期比8.6%減)となりました。セグメント利益は、主にフイルムの大幅減収による粗利減の影響等により、前年同四半期に比べ821百万円減少の555百万円(前年同四半期比59.6%減)となりました。
〈産業資材事業〉◆中間財ウレタンは、主な用途である車輌用および寝具用ともに回復基調に推移しました。断熱資材は、戸建住宅向け、建築向けボード製品、スチレン製品が回復しましたが、全体としてはほぼ前年並みに推移しました。工業資材は、半導体分野向けウエハー搬送用部材が国内、海外向けともに低調に推移しました。価格改定を含めた中間財の売上高は13,230百万円と前年同四半期に比べ481百万円の減収(前年同四半期比3.5%減)となりました。<その他>を含む産業資材事業全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は13,713百万円と前年同四半期に比べ425百万円の減収(前年同四半期比3.0%減)となりました。セグメント利益は、価格改定の効果を含む利益率の改善等により、前年同四半期に比べ214百万円増加の634百万円(前年同四半期比50.9%増)となりました。
③財政状態当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産は84,939百万円で前連結会計年度末に比べ1,281百万円減少しました。資産の部では、流動資産は46,610百万円となり前連結会計年度末に比べ2,571百万円減少しました。これは主に、棚卸資産が680百万円増加しましたが、売掛金が1,554百万円、現金及び預金が1,127百万円、受取手形が697百万円減少したことによります。固定資産は38,328百万円となり前連結会計年度末に比べ1,289百万円増加しました。これは主に、有形固定資産が1,042百万円、投資有価証券が320百万円増加したことによります。負債の部では、流動負債は23,630百万円となり前連結会計年度末に比べ3,881百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が2,555百万円、短期借入金が700百万円、未払金が331百万円、電子記録債務が305百万円減少したことによります。固定負債は15,287百万円となり前連結会計年度末に比べ2,784百万円増加しました。これは主に、長期借入金が2,750百万円増加したことによります。純資産の部は46,021百万円となり、前連結会計年度末に比べ185百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が842百万円増加しましたが、自己株式の取得により689百万円、利益剰余金が449百万円減少したことによります。以上の結果、自己資本比率は54.2%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は5,759百万円(前連結会計年度末比1,127百万円減少)となりました。営業活動の結果、減少した資金は324百万円(前年同四半期比279百万円支出増)となりました。これは主に、売上債権の減少2,287百万円、減価償却費1,570百万円、税金等調整前四半期純利益384百万円等の増加要因と、仕入債務の減少3,053百万円、その他の負債の減少738百万円、棚卸資産の増加432百万円、固定資産除売却損益430百万円等の減少要因によるものであります。投資活動の結果、減少した資金は1,750百万円(前年同四半期比1,043百万円支出減)となりました。これは主に、固定資産の売却による収入488百万円の増加要因と、固定資産の取得による支出2,137百万円等の減少要因によるものであります。財務活動の結果、増加した資金は756百万円(前年同四半期比3,494百万円収入減)となりました。これは主に、短期借入金の純減額700百万円、自己株式の取得による支出689百万円、配当金の支払額604百万円の減少要因と、長期借入れによる収入2,750百万円の増加要因によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は601百万円であります。
(8) 主要な設備①当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額(千米ドル)
既支払額(千米ドル)
ACHILLES USA,Inc.
本社工場(米国ワシントン州)
プラスチック事業
フィルム製造設備
9,621
1,115
自己資金及び借入金
2023年8月
2025年9月
生産能力の増強
②前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に重要な変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
提出会社
滋賀第二工場(滋賀県豊郷町)
産業資材事業
ウレタン製造設備
1,754
1,601
自己資金及び借入金
2020年6月
2023年12月
生産能力の増強
(注) 前連結会計年度末の計画から、投資予定額と完成予定年月が変更になりました。