【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、度重なる新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く一方、社会経済活動再開に向けた行動制限緩和により、景気は徐々に回復基調が見られました。
住宅設備機器業界におきましては、巣篭もり需要による住環境充実への関心の高まりは継続し、リフォーム需要が堅調に推移した一方、新設住宅着工戸数における持家が前年比で大きく下回りました。また、依然として不安定な国際情勢もあり、原材料/資材の供給不足や価格高騰の影響など、未だ先行き不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)は、2021中期経営計画(2021-2023年度)の2年目にあたり「持続的な成長」に向けた企業価値向上に努めてまいりました。
商品面では、2022年2月にモデルチェンジしました主力のシステムキッチン「STEDIA(ステディア)」を中心に、付加価値の高い商品を市場に提供してまいりました。また、商品価格におきましては、原材料/資材の高騰に対応するため2022年9月より改定を行いました。
販売面では、大切な顧客接点であるショールームでの価値提供強化を図るため、2022年9月に川越ショールーム、10月に津ショールームをリニューアルオープンしました。また、11月に京都ショールーム、12月に山形ショールームを移転し、ライフスタイルを体感できる“共感型ショールーム”としてオープンしました。全国102ヶ所のショールームにおきましては、事前来場予約の促進、感染防止策の徹底など、安心・安全に商品を体感できるよう努めております。さらには自宅などから直接相談できる「オンライン相談」やショールーム見学が疑似体験できる「オンラインショールーム」などのWEBコンテンツの提供に取り組んでまいりました。
海外では、2015年からシステムキッチンの日本生産モデルをタイに向け輸出販売しておりましたが、2022年10月から現地の生活様式に合わせたモデルの現地生産を開始いたしました。当社システムキッチンの最大の特長である「ステンレスキャビネット」は、熱や湿気、カビに強く、高温多湿なタイでもご好評をいただいております。
生産面では、東西の生産拠点での生産性向上、VE活動を推進し、原価低減に努めてまいりました。
当第3四半期連結累計期間の売上高を部門別にみますと、厨房部門は前年同期比12.8%増の75,909百万円、浴槽・洗面部門は前年同期比2.0%増の12,022百万円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比10.0%増の94,112百万円となりました。利益面では、原材料やエネルギーの価格高騰などの影響により売上原価が大幅に上昇し、営業利益は同22.5%減の3,171百万円、経常利益は同19.4%減の3,594百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同11.0%減の2,607百万円となりました。
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は89,468百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,178百万円増加いたしました。流動資産は58,170百万円となり、3,933百万円増加いたしました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が1,836百万円、電子記録債権が2,843百万円、商品及び製品が879百万円増加した一方、現金及び預金が1,947百万円減少したこと等によります。固定資産は31,298百万円となり、244百万円増加いたしました。これは有形固定資産が294百万円減少した一方、無形固定資産が464百万円、投資その他の資産が74百万円増加したことによります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は33,110百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,457百万円増加いたしました。流動負債は27,164百万円となり、787百万円増加いたしました。これは買掛金が807百万円、電子記録債務が1,461百万円、未払金が601百万円、契約負債が381百万円増加した一方、短期借入金が1,647百万円、賞与引当金が899百万円減少したこと等によります。固定負債は5,946百万円となり、1,669百万円増加いたしました。これは長期借入金が1,599百万円増加したこと等によります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は56,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,721百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益が2,607百万円、配当金の支払が959百万円あったこと等によります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の64.1%から63.0%になりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,947百万円(8.9%)減少して20,039百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動の結果得られた資金は1,057百万円(前年同期比75.2%減)となりました。これは税金等調整前四半期純利益が3,768百万円、減価償却費が2,388百万円、仕入債務の増加が2,264百万円、未払金の増加が741百万円あった一方、売上債権の増加が4,295百万円、棚卸資産の増加が1,161百万円、賞与引当金の減少が899百万円、法人税等の支払が1,276百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動の結果使用した資金は1,917百万円(前年同期比5.1%増)となりました。これは投資有価証券の売却による収入が302百万円あった一方、生産設備の改修、ショールーム移転・改装等により有形固定資産の取得による支出が1,088百万円、情報システム構築に伴う無形固定資産の取得による支出が1,121百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動の結果使用した資金は1,201百万円(前年同期比61.0%減)となりました。これは短期借入金の純減が1,500百万円、長期借入金の返済による支出が1,548百万円、配当金の支払が959百万円あった一方、長期借入れによる収入が3,000百万円あったこと等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、876百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの連結売上高に占める厨房部門の売上高割合は、当第3四半期連結累計期間80.7%、前連結会計年度80.6%となっております。リフォーム需要は堅調に推移しているものの、原材料/資材の供給不足や価格高騰が続く先行き不透明な経営環境の中、競合他社との競争が一層激化するものと思われます。このような状況下において、消費者ニーズに適宜対応できなかった場合、厨房部門のシステムキッチンの販売動向に影響し、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況につきましては、営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ3,211百万円減少し、1,057百万円となりました。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ93百万円増加し、1,917百万円となりました。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ1,882百万円減少し、1,201百万円となりました。
なお、詳細につきましては、第2[事業の状況]2[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)キャッシュ・フローの状況に記載しておりますのでご参照ください。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の資金は、前連結会計年度末に比べ1,947百万円減少し、20,039百万円となりました。
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金について、内部留保資金又は借入により調達することとしております。
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