【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による行動制限の緩和により、社会経済活動の正常化が進展し、景気は緩やかに持ち直しの動きで推移いたしました。しかしながら、世界的に金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇や金融資本市場の変動等を注視する状況が続いております。住宅業界におきましては、新設住宅着工戸数は、底堅い状況で推移いたしましたが、持家の着工については、前年同期比11.8%の減少となり、弱含みの状況で推移いたしました。このような状況のもと、当連結会計年度におきましては、積極的な経費削減の一環として、建築家展等のイベント開催で使用しておりました常設展示場ASJ YOKOHAMA CELL及びASJ YOKOHAMA Satelliteを、2022年7月末日に閉鎖いたしました。また、ASJ UMEDA CELL(住所:大阪市北区)については、規模を縮小し、2023年3月に再オープンいたしました。さらに、将来の建設計画を有するASJアカデミー会員の獲得は当社の重要課題であるため、総合住宅展示場ハウスクエア横浜(住所:横浜市都筑区)にASJ Yokohama Satelliteと、湘南地区にASJ Shonan Satellite(住所:鎌倉市稲村ガ崎)をそれぞれ新たに開設いたしました。また、新たな試みとして、2022年4月27日付で、全国の建設会社・不動産会社に情報提供サービスを行う子会社CONSTRUCTION NETWORK株式会社を設立いたしました。スタジオネットワークビジネスにおいては、当社オリジナルのサービスであるプランニングコース(建築家が直接住宅のデザインや建設コストを提供する有料のサービス)のメリットの再構築や利用方法の再検討、さらには、全国一斉リフォーム展など新築以外にも建築家による魅力あるイベント開催の提案等を行ってまいりましたが、会員数の大幅な増加には結びつかず、また加盟スタジオにおいても建設資材等の高騰の影響を受け、見積調整に時間がかかるなど、工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約の件数はともに、大きく低迷いたしました。首都圏の富裕層を中心に営業展開を図っているプロデュースビジネスにおいては、住宅以外に別荘やリゾート案件、収益物件などの案件受注が建設資材の高騰などにより見積調整に時間がかかっていることと、一部では建設計画の延期や中止、規模縮小などが発生しました。また、大型常設展示場を閉鎖し、イベント・セミナー、住宅情報誌など積極的に展開することを目的とした地域密着型の小型展示場を開設いたしました。しかし、イベント来場での会員獲得は想定より多かったものの、全体の会員獲得数並びにプランニングコースへの件数が大幅に伸び悩み、結果として工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約の件数も大きく低迷することとなりました。PROTO BANKビジネスにおいては、全国の工務店に建築家住宅という競争優位性のある商材提供サービスの提案に努めましたが、加盟件数の増加には至らず、計画を大きく下回りました。さらに、ASJ建築家ネットワークの登録建築家による投資計画、リゾート計画等への亜臨界水処理技術(*)を利用したごみ処理施設等の導入に伴う顧客紹介業務委託契約の獲得に注力いたしましたが、予定を大きく下回りました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は553,857千円(前連結会計年度比24.9%減)となりました。損益面においては、売上高が大きく下振れしたため、営業損失は349,019千円(前連結会計年度営業損失260,867千円)となりました。また、リース資産を取得したことにより支払利息が増加したため営業外費用が4,536千円となり、経常損失は352,782千円(前連結会計年度経常損失318,614千円)となりました。当社事業に必要なソフトウェアの開発に伴うソフトウェア仮勘定22,800千円、及び新設展示場の設備等21,755千円について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき回収可能性を検討し、将来の収益見込み等を勘案した結果、当社の固定資産簿価の全額の44,555千円を減損処理いたしました。また展示場の解約又は一部解約に伴う原状回復費用26,485千円を計上いたしました。以上により特別損失が71,040千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は427,767千円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失348,701千円)となりました。
なお、当社グループはASJ建築家ネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(*)亜臨界水処理技術とは、高温・高圧領域で高速加水分解反応により有機廃棄物を効率的に分解することで、肥料等に資源利用する技術のこと。
b.財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は720,036千円となり、前連結会計年度末と比べて522,042千円減少いたしました。流動資産は前連結会計年度末に比べ、553,228千円減少し、488,706千円となりました。これは主として現金及び預金384,129千円、売掛金60,103千円、未収入金129,677千円の減少等によるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ、31,186千円増加し、231,330千円となりました。これは主としてリース資産46,826千円の増加等によるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は560,939千円となり、前連結会計年度末と比べて94,275千円減少いたしました。流動負債は前連結会計年度末に比べ、117,403千円減少し、246,895千円となりました。これは主として未払金128,018千円の減少等によるものであります。固定負債は前連結会計年度末に比べ、23,128千円増加し、314,043千円となりました。これは主としてリース債務40,674千円の増加等によるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は159,097千円となり、前連結会計年度末と比べて427,767千円減少いたしました。これは利益剰余金の減少427,767千円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、384,129千円減少し、313,044千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の減少は319,192千円(前年同期は211,088千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失423,822千円、未払金の減少額144,638千円等の支出要因のほか、未収入金の減少額129,677千円、売上債権の減少額60,760千円等の収入要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は51,606千円(前年同期は18,305千円の支出)となりました。これは主に原状回復による支出37,675千円、無形固定資産の取得による支出23,577千円等の支出要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は13,330千円(前年同期は492,220千円の収入)となりました。これはリース債務の返済による支出13,330千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b. 受注実績
ASJ建築家ネットワーク事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注状況に関する記載はしておりません。
c. 販売実績
当社グループは、ASJ建築家ネットワーク事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前期比(%)
ASJ建築家ネットワーク事業
553,857
75.1
合計
553,857
75.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析当連結会計年度は、売上高1,166,000千円、営業利益123,000千円を経営目標として事業活動を行ってまいりました。しかしながら、当社グループの売上は例年3月に集中する傾向にありますが、資材高騰の影響により見積調整に時間がかかったことや建設計画の延期及び中止並びに規模縮小などが原因で、建築設計・監理業務委託契約及び工事請負契約の成約数は大きく低迷いたしました。また、主要施策のPROTO BANK Stationにおける新規加盟契約件数は計画を大幅に下回りました。以上のことから売上高は553,857千円(計画比52.5%減)となりました。また、営業損益においては、売上高が大きく下振れしたことから、営業損失は349,019千円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金需要の主なものは、運転資金と設備投資資金であります。運転資金は、主に人件費、販売促進費、建物賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。また、設備投資資金は事業運営に係る基幹システム開発及び社内業務効率化のためのシステム開発等を目的としたソフトウエア開発費用であります。当社グループは、運転資金と設備投資資金については、自己資金により充当いたしました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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