【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当社グループは、3カ年の中期経営計画「HARMONIZE 2023」(2022年3月期~2024年3月期)において、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するトータルITサービス「HARMONIZE」(2021年4月発表)を推進することで、ストックビジネスの比率を高め、安定した収益と継続的な成長を実現する事業構造へと変革を進めています。
お客様においては、クラウドファースト(クラウド利用を第一に考えたIT環境やシステムの検討)が進んでいます。「HARMONIZE」は“マルチクラウド”を前提としたクラウド、セキュリティのサービス&ソリューションを展開しており、企業の多様化するニーズへの確実な対応に加え、クラウドとセキュリティを同時提案することで案件が大型化し、受注が拡大しています。超高速開発は、460件超の実績から蓄積したアセット(再利用可能な開発部品・資産)を汎用的な機能単位にサービス化し、組み合わせて利用できる「JBマイクロサービス」の取り組みを強力に推進しました。超高速開発の圧倒的なスピードと実績への評価に加え、注力業種を明確化した提案活動が案件獲得につながっています。
この結果、売上高16,359百万円(前年同期比17.9%増)、営業利益1,139百万円(前年同期比13.3%増)、経常利益1,231百万円(前期比16.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益850百万円(前期比17.3%増)となりました。増収の要因は、クラウド、セキュリティのストックビジネスの着実な伸長に加え、大手メーカーの汎用機撤退に伴うモダナイゼーション(注1)の大型案件に因るものです。ストックビジネスの受注高と超高速開発の受注残がともに過去最大となり、当連結会計年度は過去最高益を更新する見込みです。中期経営計画の最終年度として順調な滑り出しとなりました。引き続き付加価値の高い「HARMONIZE」に注力し、継続成長の実現を目指します。
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における事業分野別の概況は、以下の通りです。
[情報ソリューション]
情報ソリューション分野は、システム開発(SI)、サービス、システムの3つに分類し、「HARMONIZE」の超高速開発、クラウド、セキュリティを中心にビジネスを展開しています。
<システム開発(SI)>
システム開発(SI)は、グループ内の専門組織である超高速開発センターを中心に、従来型の開発手法から超高速開発へスキルシフトし、開発体制を継続強化しています。前述の「JBマイクロサービス」は、開発実績から業務知識とアセットが蓄積した4業種(学習塾、建材卸、鉄鋼業、食品製造)を注力業種と定め、順次サービス化を進めています。サービス化により業務の標準機能が可視化され、実際の画面イメージを見せた提案活動がパッケージ対抗策となり、当四半期において学習塾の大型案件を受注しました。
<サービス>
サービスは、インフラ関連の導入・運用を行っており、「HARMONIZE」のクラウド、セキュリティを含みます。
クラウドについては、既存のインフラ投資額と比較して平均30%のコスト削減を可能にする、運用&最適化付クラウドサービス「EcoOne」が好調を維持し、クラウドの受注は過去最大となりました(対前年同期比69.8%増)。
企業利用が定着しているMicrosoft365(Microsoft Officeなどを含むアプリケーション&サービス群)のバックアップや長期ログ保管などの運用サービスを6月に発表し、生成系AIへの関心やデータ活用のニーズの高まりを受けて「データ活用ワークショップ」を開始する等、提供サービスのポートフォリオを計画的に拡充しています。中核事業会社であるJBCC株式会社は、クラウド活用を支援する総合的な取り組みが評価され「Microsoft Japan Partner of the Year 2023」においてアワード(Microsoft Azure関連)を3年連続で受賞しました。
セキュリティについては、お客様の関心と投資意欲が高く、提案機会が増加しています。IT環境のセキュリティリスクを網羅的に可視化する「セキュリティ診断サービス」から具体的なセキュリティ対策のロードマップを提案することで、お客様のセキュリティへの関心を対策実施へとつなげることができています。クラウド利用を前提に、包括的なセキュリティ対策(ゼロトラストセキュリティ)を推進し、セキュリティの受注は過去最大となりました(対前年同期比44.3%増)。
<システム>
システムは、ハードウェアやソフトウェアの販売を行っており、お客様のクラウド利用への移行に伴い、中長期では縮小傾向にあります。当四半期においては、モダナイゼーションに伴うハードウェアの刷新などにより売上高が増加しました(対前年同期比33.8%増)。
以上の結果、情報ソリューションの売上高は、15,909百万円(対前年同期比19.0%増)となりました。
[製品開発製造]
製品開発製造分野は、当社グループ独自のソフトウェア、クラウドサービスおよびプリンターなどの情報機器の開発・製造・販売を行っており、「HARMONIZE」のクラウドデータ連携(Qanat Universe)(注2)を含みます。
ソフトウェアについては、Qanat Universeを中心に安定的かつ継続した収益基盤となるサブスクリプション型のサービスを提供しています。
Qanat Universeは、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応したSaaSソリューションへの組み込み提供が、引き続き順調に伸長しました。また、2023年3月に発表したラクス社のメールマーケティングサービス「配配メール」とサイボウズ社の「kintone」との連携機能も立ち上がりが好調に推移しており、当四半期におけるQanat Universeの契約本数は521本(対前年同期比71.9%増)、累計2,842本となりました。
以上の結果、製品開発製造の売上高は450百万円(対前年同期比10.1%減)となりました。売上高減少の要因は、OEM提供するプリンターの価格改定(2023年4月)に伴う駆け込み需要の反動で、販売台数が大幅に減少したためです。主力製品であるQanat Universeの契約は堅調に推移しており、引き続き、連携するSaaSベンダーおよびサービスを拡充することで、収益拡大を図ります。
以上の事業分野別の売上及び売上総利益の状況は、以下の通りであります。
[事業分野別の状況] (単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
前年同期比
情報ソリューション
システム開発(SI)
売上高
3,908
4,508
+15.3%
売上総利益
1,464
1,507
+2.9%
%
37.5%
33.4%
サービス
売上高
6,716
7,723
+15.0%
売上総利益
2,069
2,167
+4.7%
%
30.8%
28.1%
システム
売上高
2,748
3,677
+33.8%
売上総利益
565
819
+44.7%
%
20.6%
22.3%
合計
売上高
13,373
15,909
+19.0%
売上総利益
4,100
4,494
+9.6%
%
30.7%
28.3%
製品開発製造
売上高
501
450
△10.1%
売上総利益
315
321
+2.0%
%
62.8%
71.3%
合計
売上高
13,874
16,359
+17.9%
売上総利益
4,415
4,816
+9.1%
%
31.8%
29.4%
(注1)モダナイゼーションとは、古い業務システムを、稼働中の情報資産を活かしながら現在のニーズに合
ったシステムに刷新することです。保守費用の増大に加え、開発者の退職によりシステムの現状が不明(ブラックボックス化)または属人化などの問題を解決できるなどのメリットがあります。業務プロセスの改善と併せて実施することで、現状の業務に即した、拡張性の高いシステムを構築することができます。
(注2)Qanat Universe(カナート ユニバース)とは、SaaSや基幹/業務システム、PC、モバイル、IoTデバイスなど、クラウドや社内(オンプレミス)の様々なサービスやシステムをシームレスにつなぐ、クラウド連携プラットフォームです。Qanat Universeを利用することで、利用者は接続先を意識せず、素早く、低コストでシステムの連携と業務の自動化が実現できるようになるため、ソフトウェアメーカーに自社製品との連携プラットフォームとして多く採用されています。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,070百万円減少し、34,880百万円となりました。これは主に確定拠出年金制度への完全移行に伴い移管金の払込みを行っていることから現金及び預金が1,363百万円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が226百万円増加したことなどによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,364百万円減少し、14,703百万円となりました。これは主に賞与支払いにより未払費用が1,289百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ294百万円増加し、20,176百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益により850百万円増加した一方、配当金の支払いにより645百万円減少したことなどによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は84百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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