【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当社グループは、3カ年の中期経営計画「HARMONIZE 2023」(2022年3月期~2024年3月期)において、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するトータルITサービス「HARMONIZE」(2021年4月発表)を推進することでストックビジネスの比率を高め、継続した収益が得られる事業構造へと変革を進めています。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度においては、成長路線の確立を目指し、「HARMONIZE」の中心的なソリューションである超高速開発、クラウド、セキュリティ、クラウドデータ連携に経営資源を集中して事業を推進し、当上半期において増収増益を達成しました。
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)においては、成長路線を確実なものにするため、お客様のIT投資やDX需要に対し「HARMONIZE」を通じて具体的かつ最適な提案を進めました。超高速開発は、企業の競争力強化や内製化の需要を捉え受注が拡大していることに加え、昨年来推進してきたグループ全体での開発体制の強化とアセット(再利用可能な開発部品・資産)の活用による開発生産性の向上等により大型案件を含むプロジェクトが順調に進捗し、当第3四半期連結会計期間は過去最大の売上高となりました。DX推進に不可欠なクラウド、セキュリティにおいては、特長であるマルチクラウドに対応したソリューション&サービスを強化・拡充し、ストックビジネスが拡大しました(前年同期比51.0%増)。お客様のインフラ環境やDXの進捗状況、将来構想を踏まえた最適なサービスの提案が大型案件の獲得につながっています。また、10月から12月にかけては、“DX次の一手はこれだ!”と題した「HARMONIZE」のオンラインセミナーシリーズを展開し、DXの進め方や推進における課題解決を具体的に提示することで、とりわけ新規のお客様から多くの関心・引き合いをいただいています。
この結果、売上高42,935百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益2,960百万円(前年同期比23.5%増)、経常利益3,078百万円(前年同期比21.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,117百万円(前年同期比20.8%増)となりました。売上高については、当上半期で達成したプラス成長を継続し、利益については、第1四半期から継続して前年同期比二桁増の増益となりました。
当第3四半期連結累計期間における事業分野別の概況は、以下の通りです。
[情報ソリューション]
情報ソリューション分野は、システム開発(SI)、サービスおよびシステムに分類し、「HARMONIZE」の超高速開発、クラウド、セキュリティを中心にビジネスを展開しています。
システム開発(SI)については、グループ全体で超高速開発へのスキルシフトが進み、SI全体の売上高に占める超高速開発の割合は60.0%(注1)と、継続して高い水準で推移しています。ローコードツールを用いた基幹システムの刷新や、kintone等のノーコードツールを用いた周辺システムの構築等、システムの特性や利用用途に応じた柔軟な組み合わせ提案により、案件の大型化にも成功しています。また、大手メーカーによる汎用機撤退の移行先として、超高速開発に加えてモダナイゼーション(注2)の受注が増加し、売上に貢献しました。
サービスについては、クラウド、セキュリティのストックビジネスが順調に伸長しました。クラウドについては、「HARMONIZE」の新たなサービスとしてGoogle Cloudの運用付きサービスを発表しました(2022年12月)。これにより、Microsoft Azure、AWS(Amazon Web Services)と併せて三大クラウドに対応し、お客様のDX推進における要望やクラウド化の課題に柔軟に対応できるマルチクラウドの提供体制を強化しました。また、円安の影響を受け増大するクラウドの利用コスト(前述の三大クラウドはドル建て)を背景に、既存のインフラ投資額と比較して平均30%のコスト削減を可能にする“ITモダナイゼーションクリニック”(注3)を積極的に展開したことで大型案件の獲得につながりました。セキュリティについては、企業規模を問わないサイバー攻撃に関する報道の増加もあり、お客様のセキュリティ対策への関心は高まっています。高度化・多様化するサイバー攻撃に対応する全方位のサービス展開に加え、760社以上の実績がある“セキュリティ診断サービス”では、クラウドや社内(オンプレミス)環境を含めて現状のお客様環境におけるセキュリティリスクを“見える化”し、最適なセキュリティ対策のロードマップを示すことで、新規顧客および大型案件の獲得につながっています。世界的なサイバーセキュリティのリーダー企業であるパロアルトネットワークス株式会社から、エンドポイント製品Cortexの新規顧客獲得への貢献が評価され、JAPAC(日本を含むアジアパシフィック地区)における最優秀Cortexパートナーを2年連続で受賞しました。
システム(ハードウェア販売)についてはお客様のクラウド利用へのシフトに伴い引き続き縮小傾向にあります。
以上の結果、情報ソリューションの売上高は、41,476百万円(対前年同期比4.2%増)となりました。
[製品開発製造]
製品開発製造分野では、当社グループ独自のソフトウェア、クラウドサービスおよびプリンター等の情報機器の開発・製造・販売を行っています。
ソフトウェアについては、「HARMONIZE」のクラウドデータ連携(Qanat Universe)(注4)を中心に、安定的かつ継続した収益基盤となるサブスクリプション型のサービス提供にシフトしています。Qanat Universeは、従来のSaaS間連携に加え、2024年の義務化に向けて電子帳簿保存法に対応したSaaSソリューションとのデータ連携需要が増加しました。さらに、Qanat UniverseをSaaSソリューションの追加オプションではなく、標準機能としてセットで提供する“組み込み型”のビジネス展開が順調に進捗し、当第3四半期連結会計期間における契約本数は過去最大となりました。累計契約本数は1,788本(対前年同期比278.8%増)です。プリンター等のハードウェアは、引き続き縮小傾向にあります。
以上の結果、製品開発製造の売上高は1,459百万円(対前年同期比1.3%減)となりました。
[事業分野別の状況]
(単位:百万円)
2022年3月期
第3四半期
連結累計期間
2023年3月期
第3四半期
連結累計期間
前年同期比
情報ソリューション
システム開発(SI)
売上高
10,820
12,336
+14.0%
売上総利益
3,689
4,350
+17.9%
%
34.1%
35.3%
サービス
売上高
19,402
20,375
+5.0%
売上総利益
6,022
6,180
+2.6%
%
31.0%
30.3%
システム
売上高
9,582
8,763
△8.5%
売上総利益
2,125
1,898
△10.7%
%
22.2%
21.7%
合計
売上高
39,803
41,476
+4.2%
売上総利益
11,837
12,429
+5.0%
%
29.7%
30.0%
製品開発製造
売上高
1,478
1,459
△1.3%
売上総利益
882
959
+8.7%
%
59.7%
65.8%
合計
売上高
41,281
42,935
+4.0%
売上総利益
12,720
13,388
+5.3%
%
30.8%
31.2%
(注1)システム開発に付随する運用保守や調達を除く売上高のうち、超高速開発による割合を示しています。
(注2)モダナイゼーションとは、古い業務システムを、稼働中の情報資産を活かしながら現在のニーズに合ったシステムに刷新することです。保守費用の増大に加え、開発者の退職によりシステムの現状が不明(ブラックボックス化)または属人化等の問題を解決できる等のメリットがあります。業務プロセスの改善と併せて実施することで、現状の業務に即した、拡張性の高いシステムを構築することができます。
(注3)ITモダナイゼーションクリニックとは、経験豊富なITドクター(エンジニア)による診断で、お客様の用途や状況に応じた最適なITインフラ環境のデザインや、TCO(導入や、管理維持に関わるすべてのコスト)削減レポートに加え、性能分析やリソースの利用状況を可視化する等、ITインフラ環境の改善点を洗い出すサービスの総称です。お客様の課題に応じて、クラウド(IaaS)クリニック、仮想化/Storageクリニック等があります。
(注4)Qanat Universe(カナート ユニバース)とは、SaaSや基幹/業務システム、PC、モバイル、IoTデバイス等、クラウドや社内(オンプレミス)の様々なサービスやシステムをシームレスにつなぐ、クラウド連携プラットフォームです。Qanat Universeを利用することで、利用者は接続先を意識せず、素早く、低コストでシステムの連携と業務の自動化が実現できるようになるため、ソフトウェアメーカーに自社製品との連携プラットフォームとして多く採用されています。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ163百万円増加し、33,423百万円となりま
した。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が2,965百万円、流動資産のうちその他に含まれている前払費
用が438百万円、有形固定資産に含まれている建設仮勘定が648百万円、投資その他の資産に含まれている敷金保証
金が246百万円増加した一方、現金及び預金が4,081百万円減少したことなどによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,101百万円減少し、14,141百万円となりました。これは主に未払法人税等が296百万円増加した一方、未払費用が1,477百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,265百万円増加し、19,281百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益により2,117百万円増加した一方、配当金の支払いにより989百万円減少したことなどによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は261百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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