【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、経済活動が正常化しつつあるものの、ウクライナ情勢の長期化や欧米を中心とした海外景気の減速、原材料価格、エネルギーコストの高騰による企業業績の下押し、金利政策の転換に伴う為替などの金融市場への影響、半導体や部品不足による生産制約の問題等、国内景気回復の足かせとなる要素は引き続き多い状況にあります。また、個人消費は、物価上昇により実質所得が下押しされる中、足元では新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザの流行状況によっては、個人消費にとって下方リスク要因となり、依然として不透明な状況が続いております。このような経営環境のもと、引き続き製造費、販売費、管理費の削減、高付加価値商品の開発などに取り組んでまいりました。当第3四半期連結累計期間は、緩やかな景気回復のもと、各報告セグメントでほぼ増収となった一方で、原材料費、動力費などの価格高騰で上昇した製造コストや仕入コスト、また、販売コストにおいても広告費や運賃の値上がりなど上昇した全てのコストを売価に転嫁しきれない状態となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は減益となりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、33,850百万円(前年同四半期比15.7%増)となり、営業利益は、1,070百万円(同23.9%減)、経常利益は、1,205百万円(同13.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、801百万円(同8.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。
① コラーゲン・ケーシング事業国内販売は順調に推移し、輸出販売も北米を中心に好調に推移いたしました。一方で、海外を中心に価格改定を実施したものの、原材料及びエネルギー価格の大幅な値上がりにより生産コストが上昇した影響で減益となりました。この結果、売上高は、7,396百万円(前年同四半期比14.7%増)、営業利益及びセグメント利益は、350百万円(同64.0%減)となりました。② ゼラチン関連事業ゼラチン販売は、カプセル用を中心に好調に推移し、ペプタイド販売は、健康食品市場の世界的な伸張を背景に国内外ともに順調に推移した一方で、原料価格は輸入為替の影響もあり上昇し続け、販売価格の調整を段階的に実施しているものの、コストアップを吸収できるまでに至っておらず、利益面では微増となりました。この結果、売上高は、8,895百万円(同16.2%増)、営業利益は、443百万円(同4.4%増)、セグメント利益は、455百万円(同4.8%増)となりました。③ 化粧品関連事業化粧品の販売は、スキンケア通販市場での競争が激しさを増して苦戦を強いられましたが、健康食品「ニッピコラーゲン100」は引き続き健康志向の高まりを背景に好調に推移いたしました。この結果、売上高は、4,874百万円(同9.5%増)、営業利益は、616百万円(同44.3%増)、セグメント利益は、616百万円(同71.8%増)となりました。
④ 皮革関連事業ハンドル用革の販売は、上海のロックダウンの影響などで出荷が滞り減収となりました。一方で、靴用革の販売は、紳士用、婦人用ともに行動制限の緩和に伴い需要が回復傾向となり増収となりましたが、原材料費、加工費、輸入為替などコストの上昇を売価に転嫁しきれない状況で推移いたしました。この結果、売上高は、5,511百万円(同15.5%増)、営業利益は、34百万円(前年同四半期は営業損失65百万円)、セグメント利益は、34百万円(前年同四半期はセグメント損失95百万円)となりました。⑤ 賃貸・不動産事業東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート、駐車場として有効活用を図っておりますが、賃貸契約の一部終了により賃貸収入は減少いたしました。また、大阪府大阪市の土地賃貸事業は、中央区心斎橋において商業施設用地として有効活用を図るほか、浪速区なんばにおいては「難波中二丁目開発計画(仮称)」を本格始動しており、ホテル及びオフィスビルは2023年1月10日に竣工を迎えるなど、新規事業を着実に推進しております。この結果、売上高は、632百万円(前年同四半期比2.0%減)、営業利益は、478百万円(同5.1%減)、セグメント利益は、478百万円(同20.6%減)となりました。⑥ 食品その他事業有機穀物は、コンテナ不足による物流の滞りが解消傾向となり、外食産業向けのイタリア輸入食材は、行動制限の緩和により需要の回復が進みました。また、バイオ関連製品は、国内外製薬会社や民間研究機関を中心に順調に推移いたしました。この結果、売上高は、6,539百万円(同24.2%増)、営業利益は、306百万円(同27.6%増)、セグメント利益は、294百万円(同27.7%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、70,941百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,524百万円増加しました。これは主に、未収還付法人税等が488百万円減少しましたが、現金及び預金が905百万円、受取手形及び売掛金が1,254百万円、商品及び製品が552百万円、原材料及び貯蔵品が556百万円増加したことなどによるものです。当第3四半期連結会計期間末における負債は、36,039百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,618百万円増加しました。これは主に、長期借入金が1,028百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が2,585百万円増加したことなどによるものです。当第3四半期連結会計期間末における純資産は、34,902百万円となり、前連結会計年度末と比べ906百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が628百万円、為替換算調整勘定が215百万円増加したことなどによるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、585百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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