【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動抑制の緩和が継続されておりますが、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う西側諸国のロシアに対する経済制裁により生じた世界的なエネルギーの供給不足や原材料価格の高騰の長期化、更には円安が急激に進行したこと等により、その見通しは引き続き不透明な状況が続いております。
このような経済状況の中、歯科関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大前までは歯科医療費は増加傾向にあるなど、国内歯科関連業界全体の事業環境は緩やかな回復が見られておりましたが、上記の影響により先行きは不透明な状況となっております。こうした中でも、歯科治療領域でのデンタルソリューション関連装置等がマーケットを牽引することにより、歯科機器・用品マーケットの増加傾向は続く見通しです。
当社グループにつきましては主力の歯科医院向け通信販売事業を中心に新商品の販売及び個人医院・総合病院等の医科業界への参入拡大を進めると共に、歯科医院並びに動物病院等へ大型医療機器(デジタルレントゲン医療機器等)を販売し確実に実績を積み重ねております。後述するその他事業のCAD/CAM歯科技工関連機器・システム販売と併せまして、これら大型医療機器等の当連結会計年度の売上高は37億20百万円にまで拡大しております。その一方で利益面では、円安や原材料価格の高騰による商品調達価格上昇の影響を受けております。
その他の事業については、CAD/CAM歯科技工関連機器・システム販売事業及びCAD/CAM歯科技工物製作事業において2022年4月のCAD/CAMインレーの保険適用の拡大も追い風となり、経営成績は順調に推移いたしました。その一方で、歯科医院等の医療機関取引先向け電力小売取次事業「Ci電たる」では、事業経費削減等の企業努力を行っておりますが、電力市場価格高騰の影響を当社で負担していることの影響を受けております。
引き続き歯科医院向けを中心に感染対策商品の需要が堅調に推移していること、更には病院・一般診療所を中心に前連結会計年度以前に新規口座を開設されたお客様から、引き続きご注文を頂けたこと等も業績に寄与しております。調剤薬局向け通信販売事業については、ジェネリック医薬品メーカーにおける自主回収の発生の影響により商品の欠品が相次ぎ低調に推移致しました。また、ロジスティクスセンターの人員強化等に伴う人件費及び前連結会計年度に実施したシステム・マテハンの一部改修に伴う減価償却費の増加等の影響や歯科技工所2社(株式会社サクラ歯研、株式会社TDS)の子会社化に伴う取得関連費用により販売費及び一般管理費が増加しております。なお、上記子会社2社につきましては、第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めております。
なお、(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)に記載の通り、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等を当連結会計年度の期首より適用した結果、当連結会計年度の売上高は2億2百万円減少し、売上原価は87百万円減少し、販売費及び一般管理費は1億6百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益は8百万円減少しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は428億91百万円(前期比4.1%増)、営業利益39億90百万円(同 11.8%減)、経常利益は38億89百万円(同15.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億21百万円(同 10.6%減)となりました。
事業内容別の経営成績は次のとおりであります。
(通信販売事業)
通信販売事業につきましては、主力の歯科医院向け通信販売を中心に感染対策商品の需要が堅調に推移したこと、個人医院・総合病院等の医科業界向け、福祉介護施設向け、並びに動物病院向けセールス企画を引き続き実施したこと及び歯科医院並びに動物病院等への大型医療機器(デジタルレントゲン医療機器等)の販売が好調な一方、円安や原材料価格の高騰による商品調達価格上昇の影響を受けた結果、通信販売事業の売上高は404億55百万円(同2.8%増)、売上総利益は105億76百万円(同0.2%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、CAD/CAM歯科技関連機器・システム販売及びCAD/CAM歯科技工物製作事業の業績が順調に拡大しました。その一方で、歯科医院等の医療機関取引先向け電力小売取次事業「Ci電たる」では、事業経費削減等の企業努力を行っておりますが、電力市場価格高騰の影響を当社にて負担していることもあり、その他の事業の売上高は24億36百万円(同30.2%増)、売上総利益は10億96百万円(同4.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億18百万円減少し、17億31百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は14億9百万円(前期比10.7%減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益38億51百万円、減価償却費3億78百万円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払額11億39百万円、棚卸資産の増加10億79百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は100億49百万円(同229.4%増)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得による支出93億48百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は67億10百万円(前期は5億84百万円の使用)となりました。これは主として、配当金の支払い2億82百万円があった一方で、短期借入金の純増額70億円等により資金が増加したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社及び連結子会社では製造を行っていないため、該当事項はありません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業内容別に示すと、次のとおりであります。
事業内容の名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
仕入高(百万円)
前期比(%)
通信販売事業
31,004
105.2
その他の事業
1,339
165.2
合計
32,343
106.8
(3)受注実績
該当事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業内容別に示すと、次のとおりであります。
事業内容の名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
売上高(百万円)
前期比(%)
通信販売事業
40,455
102.8
その他の事業
2,436
130.2
合計
42,891
104.1
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3億75百万円減少(前期比2.6%減)し140億74百万円となりました。これは主として、商品及び製品が10億58百万円、受取手形及び売掛金が4億90百万円増加したものの、現金及び預金が19億18百万円、前渡金が1億62百万円減少したことによるものであります
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ106億46百万円増加(同194.8%増)し161億12百万円となりました。これは主として、建設仮勘定が96億24百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ78億97百万円増加(同224.4%増)し114億16百万円となりました。これは主として、短期借入金が70億円、支払手形及び買掛金が2億49百万円、未払金が2億24百万円、未払法人税等が2億9百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ70百万円増加(同16.9%増)し4億89百万円となりました。これは、長期借入金が65百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ23億2百万円増加(同14.4%増)し、182億80百万円となりました。これは主として剰余金の配当により2億82百万円減少したものの親会社株主に帰属する当期純利益25億21百万円を計上したことによるものであります。
ロ.経営成績の分析
(売上高、売上原価、売上総利益の分析)
当連結会計年度の売上高は428億91百万円(同4.1%増)、売上原価は312億18百万円(同5.5%増)となり、その結果、売上総利益は116億72百万円(同0.6%増)となりました。
また、売上総利益率につきましては、27.2%(同1.0%ポイント減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益の分析)
販売費及び一般管理費につきましては、76億81百万円(同8.5%増)を計上いたしました。その結果、営業利益につきましては、39億90百万円(同11.8%減)となりました。
また、営業利益率につきましては、9.3%(同1.7%ポイント減)となりました。
(営業外損益、経常利益の分析)
営業外収益につきましては、受取利息及び配当金31百万円、賃貸収入20百万円、補助金収入2百万円等により88百万円を計上いたしました。また、営業外費用につきましては、デリバティブ評価損1億64百万円、為替差損15百万円、賃貸原価2百万円等により1億90百万円を計上しました。
この結果、経常利益につきましては、38億89百万円(同15.5%減)となりました。
また、経常利益率につきましては、9.1%(同2.1%ポイント減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益の分析)
特別利益につきましては、固定資産売却益0百万円を計上いたしました。
特別損失につきましては、投資有価証券償還損19百万円、投資有価証券評価損14百万円、関係会社株式評価損4百万円等により38百万円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、25億21百万円(同10.6%減)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益率につきましては、5.9%(同1.0%ポイント減)となりました。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「事業等のリスク」に記載しているとおりですが、市場環境の変動等、さまざまなリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に最新の市場動向に留意しつつ、お客様ニーズに合致した商品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金、長期運転資金および設備投資は自己資金および金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7,093百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,731百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。