【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、206億8千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億2百万円増加いたしました。これは、主として受取手形、売掛金及び契約資産が12億9千6百万円増加したことなどによります。
固定資産は、125億2千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億6千5百万円増加いたしました。これは、主として投資その他の資産が1億7千4百万円、有形固定資産が1億6千万円増加したことなどによります。
この結果、総資産は、332億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億6千7百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、150億3千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億4千2百万円増加いたしました。これは、主として短期借入金が14億4百万円増加したことなどによります。
固定負債は、30億2千万円となり、前連結会計年度末に比べ5億5千万円減少いたしました。これは、主として長期借入金が5億9千8百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、180億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億9千1百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、151億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億7千5百万円増加いたしました。
この結果、自己資本比率は35.3%(前連結会計年度末は35.3%)となりました。
ロ.経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されるなど、経済活動の正常化に向けた動きが見られたものの、急速な円安進行や、原材料・原油価格の高騰による物価上昇圧力が高まる等、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このようなもとで当社グループは、『C&Eへのこだわり』をキーワードに、①脱炭素社会に向けて、②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、③人材育成、の3点を重点課題に設定した第7次3カ年計画(2022~2024年度)を新たにスタートさせ、より強固な経営基盤の構築と成長戦略の具現化に努めてまいりました。
このような事業環境において当社グループは、原材料高騰への対応として製品の販売価格是正による収益の確保ならびにコスト改善諸施策の一層の推進に努めた結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高 195億7千6百万円(前年同期比 17.3%増)、営業利益 5億2千2百万円(前年同期 営業利益4千3百万円)、経常利益 4億6千1百万円(前年同期 経常損失2千4百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益 2億8千9百万円(前年同期 親会社株主に帰属する四半期純損失2千5百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① Casting Field
鋳型は、鍛鋼用鋳型の需要が好調で、売上高は、前年同期を上回りました。ロールは、主要顧客先の国内高炉メーカー及び国内電炉メーカーの需要が好調で、売上高は、前年同期を上回りました。自動車用プレス金型鋳物は、国内において新規開発車種の減少がみられたものの、国内カーメーカーの受注が堅調に推移し、売上高は、前年同期を上回りました。大型産業機械用鋳物は、工作機械、鍛圧機及び発電用減速機向けが好調で、売上高は、前年同期を上回りました。小型鋳物は、下水道鉄蓋や機械鋳物で価格是正もあり収益を確保しましたが、土木用鋳物の受注が低迷し、売上高は、前年同期並みで推移しました。デンスバーは、主要顧客先の部品調達難により需要が減少しましたが、価格是正による収益確保に努め、売上高は、前年同期を上回りました。海外事業の天津虹岡鋳鋼有限公司、南通虹岡鋳鋼有限公司は、現地自動車産業の堅調な推移と円安効果により、売上高は、前年同期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は、167億8千7百万円(前年同期比 19.8%増)、セグメント利益 4億9千3百万円(前年同期 セグメント利益2千5百万円)となりました。
② Environment Field・環境エンジニアリング
環境装置事業は、保守・メンテナンス工事の受注が伸び悩み、売上高は、前年同期を下回りました。送風機は、民間設備投資が堅調で、売上高は、前年同期を上回りました。環境・省エネ商品のトランスベクターは、半導体向けが好調で、売上高は、前年同期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は、20億1千9百万円(前年同期比 4.6%増)、セグメント利益 4千2百万円(前年同期比 16.6%減)となりました。
③ Environment Field・機能材料
KCメタルファイバーは、鉄道用及び産業用摩擦材が堅調に推移しましたが、自動車向け摩擦材の需要が低迷し、売上高は、前年同期並みで推移しました。
この結果、当事業の売上高は、7億5千1百万円(前年同期比 5.1%増)、セグメント利益 4千5百万円(前年同期比 111.2%増)となりました。
なお、2022年1月28日に公表しました通り、KCカーボンセラミックス事業は、2022年10月3日付をもちまして、株式会社TYKグループの明智セラミックス株式会社に譲渡しましたので、あらためてお知らせいたします。
④ その他の事業
当事業の売上高は、1千8百万円(前年同期比 1.3%減)、セグメント損失 0百万円(前年同期 セグメント損失0百万円)となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は3億7千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因につきましては、前事業年度の有価証券報告書
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は99億7千1百万円、現金及び預金の残高は23億1千5百万円となっております。
当社は、将来の資金需要に対して安定的、機動的かつ効率的な資金調達を可能にするため金融機関11社と総額65億円の特定融資枠契約を締結しております(借入実行残高51億円、借入未実行残高14億円)。
新型コロナウイルスの感染拡大により急激な景気変動が起これば、資金面でも影響を懸念されますが、この特定融資枠契約によりリスクヘッジをしております。