【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益は製造業を中心に円安を背景に回復傾向で推移し、設備投資についてもソフトウェアや情報機器投資を中心として持ち直している。また、対面型サービス業などでコロナ禍のリバウンド需要や円安進行を要因としたインバウンド需要により回復基調で推移したものの、物価高を背景に個人消費は節約志向が続いている。
世界経済については、ウクライナ情勢の長期化などに伴い、食料品をはじめとする世界的な物価高が継続しており、減速傾向となっている。また、欧米で行われている金融引き締めなどの影響により、日本との金利差を要因とした円安が続いており、今後の景気の減速や、インフレの鎮静化の動向が不透明であるため、為替相場の先行きが見通せない状況である。
このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は263億42百万円(前年同四半期比43.7%増)、営業利益は26億91百万円(前年同四半期は営業利益2億48百万円)、経常利益は26億98百万円(前年同四半期は経常利益2億10百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億97百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益4億84百万円)となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
(a)船舶事業
新造船市場においては、これまでの重油に代わる燃料の動向を様子見する動きに加えて、原油、鋼材価格の高止まりや急激な為替相場の変動など、先の見えない状況により、2023年はじめごろまで商談は停滞していた。また、一時はドライバルク市況の上昇により回復の兆しを見せていた新造船発注については、市況の変化などにより一転して様子見する動きが増えている。
収益面については、新造船の受注船価は一時的に上昇したが、資機材価格の高騰や鋼材価格の高止まりに起因する建造コストアップをカバーできる水準には届いておらず、内航船はもとより外貨(USドル)建受注外航船においても円安効果を除けば収益の厳しい状況が続いている。
第3四半期以降はその低採算の内航船の売上の比率が増加し、収益圧迫要因となる見込みである。
改修船事業においては、前連結会計年度から継続して取り組んでいた大口の改造船工事、修繕船工事が完工したことにより売上高が増加し、収益面についても前年同四半期に比べ、改善した。
今後の見通しとしては、今年度に入っても、米国経済が引き続き底堅く推移していることから想定外に円安傾向が継続したが、この先米国経済の成長率鈍化に伴い円高に向かうという予測が一般的である中、受注済みの外航船及び新規受注船の収益が大幅に悪化するという大きな変動要因があり、先行きは不透明であるため、2023年5月12日に公表した通期の連結業績予想については、据え置くこととした。
このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間の船舶事業全体の経営成績については、売上高261億35百万円(前年同四半期比44.4%増)、セグメント利益32億14百万円(前年同四半期はセグメント利益7億13百万円)となった。受注については、新造船6隻、修繕船他で332億35百万円を受注し、受注残高は、新造船21隻他で854億56百万円(前年同四半期比26.7%増)となった。
(b)その他
陸上・サービス事業の当第2四半期連結累計期間の経営成績については、売上高4億74百万円(前年同四半期比2.5%増)、セグメント利益18百万円(前年同四半期比12.5%増)となった。
②財政状態の状況
(連結財政状態)
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2023年3月31日)
当第2四半期連結会計期間
(2023年9月30日)
増減
資産
40,204
49,974
9,770
負債
32,774
40,369
7,594
純資産
7,429
9,605
2,175
資産は、前連結会計年度末の402億4百万円から97億70百万円増加し、499億74百万円となった。
これは主に、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことによるものである。
負債は、前連結会計年度末の327億74百万円から75億94百万円増加し、403億69百万円となった。
これは主に、支払手形及び買掛金、契約負債、長期借入金が増加したことによるものである。
純資産は、前連結会計年度末の74億29百万円から21億75百万円増加し、96億5百万円となった。
これは主に、利益剰余金が増加したことによるものである。
③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より76億28百万円増加し、167億55百万円となった。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、67億31百万円(前年同四半期は11億58百万円の使用)となった。
これは主に、売上債権及び契約資産の増加21億11百万円により資金が減少したものの、税金等調整前四半期純利益の計上26億93百万円、契約負債の増加38億12百万円及び仕入債務の増加20億78百万円により資金が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3億22百万円(前年同四半期は9億10百万円の獲得)となった。
これは主に、固定資産の取得による支出2億95百万円によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、11億26百万円(前年同四半期は10億26百万円の使用)となった。
これは主に、長期借入れによる収入と返済による支出の純増額11億95百万円によるものである。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はない。
(5)研究開発活動
当社グループ全体の研究開発活動は、船舶事業において、新船型の開発等を行っており、当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億12百万円である。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。
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