【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による制限が段階的に解除され、社会経済活動の正常化が進みました。一方で、国内外でインフレ懸念が高まるとともに、これに対する各国金融当局の政策変更が大幅な為替変動をもたらす等、景気の下振れリスクに注視を要する状況となっています。
このような社会情勢のなか、社会インフラのデジタル化が加速していることに加え、製品・サービス、ビジネスモデルの改変へ向けた投資強化を背景に、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズが高まっています。当社グループのお客様の多くが属する国内モビリティ産業においても、デジタル技術を用いた業務処理や働き方の業務効率面だけでなく、既存事業改革や新規事業創出においても、DXニーズが高まっています。
当社グループは企業理念である「感謝と喜び」の心を根本として、お客さまの事業継続や事業創造に貢献するための活動を続けるとともに、中期経営計画(2022-2028)で掲げた2つの重点施策である「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」に注力しております。当連結会計年度におきましては、トータルマネジメントシステムへと進化したクラウドソフトウェアサービス『.cシリーズ』を主力商材に据えるとともに、改正電子帳簿保存法に対応したクラウドサービス『電帳.DX』を提供する等、お客さまのさらなるDX化を支援しました。また、トヨタファイナンス株式会社が提供するローン機能を連携した『.cシリーズ』の提供開始や、SALES GO株式会社の子会社化のほか、富士通株式会社とのAI分野における共同開発の実施等、『Broadleaf Cloud Platform』を起点とするサービスメニューの拡張を推進しております。
これらの取組みの結果、中期経営計画(2022-2028)の初年度であります当連結会計年度におきましては計画通りの進捗となり、月額サブスクリプション型ビジネスモデルへの転換に向けた基盤が整いました。
『.cシリーズ』への主力商材の転換は、当社グループの売上収益を安定させ、『電帳.DX』等の新サービスの提供は中長期的な売上収益の拡大をもたらします。さらに、『.cシリーズ』は柔軟なメニュー体系での利用が可能となったことで、新規の契約獲得が好調となり、お客さま総数が増加しました。
コスト面においては、サービスの開発投資や提供基盤の強化等、今後の事業成長につなげるための先行費用が増加した一方で、セールスプロモーション活動の効率化を図りました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益138億33百万円(前期比33.0%減)、営業損失28億97百万円(前期は営業利益33億95百万円)、税引前損失30億5百万円(前期は税引前利益32億33百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失24億31百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期利益21億73百万円)となりました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a) 財政状態の分析」に記載しております。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により得られた資金が16億6百万円、投資活動により使用した資金が29億10百万円、財務活動により得られた資金が12億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ65百万円減少の34億57百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、16億6百万円(前期比57.5%減)となりました。この主な要因は、税引前損失30億5百万円、営業債務及びその他の債務の減少額9億1百万円による資金の減少があったものの、減価償却費及び償却費26億96百万円、営業債権及びその他の債権の減少額17億78百万円、減損損失6億15百万円、契約負債の増加額5億72百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、29億10百万円(前期比14.1%減)となりました。この主な要因は、貸付金の回収による収入67百万円、有形固定資産の売却による収入45百万円があったものの、無形資産の取得による支出30億1百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、12億37百万円(前期は1億8百万円の使用)となりました。この主な要因は、短期借入金の純減額10億2百万円、リース負債の返済による支出8億64百万円、配当金の支払額4億14百万円があったものの、長期借入れによる収入35億円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループは、単一セグメントのため、製品及びサービス分野ごとに記載しております。
区分
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
クラウドサービス (千円)
2,627,667
146.7%
パッケージシステム (千円)
11,204,880
59.4%
合計(千円)
13,832,547
67.0%
(注)金額は販売価格によっております。
(b) 受注実績
当社グループは、主に業務アプリケーション製品の開発、販売及び保守の事業を行っており、個別受注に基づく製品の生産の割合が少ないため記載を省略しております。
(c) 販売実績
当社グループは、単一セグメントのため、製品及びサービス分野ごとに記載しております。
区分
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
クラウドサービス (千円)
2,627,667
146.7%
パッケージシステム (千円)
11,204,880
59.4%
合計(千円)
13,832,547
67.0%
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
三菱HCビジネスリース株式会社(注)2
3,157,234
15.3
-
-
株式会社リコーグループ(注)2
2,197,281
10.6
-
-
2.当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営成績及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における取組みとして、トータルマネジメントシステムへと進化したクラウドソフトウェアサービス『.cシリーズ』の本格展開を開始しております。当社の自動車整備業・鈑金業向けパッケージソフトウェア『.NSシリーズ』を利用されているお客さまの利用権が満了を迎えた際には、原則として『.cシリーズ』の提供へと切り替えるとともに、ミスなく、漏れなく、記録簿の作成ができる指定整備工場様の車検に特化した車検・点検支援システム『スーパー検査員』のサービス提供を開始しました。また、2022年12月には『スーパー検査員』と、一般財団法人 自動車検査登録情報協会の『スマート継続OSSシステム』との連携を開始しております。『スーパー検査員』と『スマート継続OSSシステム』との連携により、車検業務における記録簿作成から自賠責保険証発行、保安基準適合証の交付、記録簿の電子保存までシームレスに業務を行う事が可能となり、入力の工数やミスの削減、コンプライアンスを重視した合理的な運用を実現してまいります。
さらに改正電子帳簿保存法に対応したクラウドサービス『電帳.DX』のサービス提供を開始し、『.cシリーズ』など、当社が開発・提供するSaaSを通じて電子帳票を発行する場合は、自動的に『電帳.DX』に登録される仕様になっております。『電帳.DX』は、当社グループ主要顧客であるモビリティ産業の事業者だけでなく、すべての企業において、改正電子帳簿保存法への対応、ペーパーレス、伝票の保管スペースの削減、作業時間の大幅削減、郵送コスト削減に貢献してまいります。
2021年10月から当社とトヨタファイナンス株式会社は、当社グループの主要顧客層である自動車販売業、および自動車整備・鈑金業をはじめとするモビリティ事業者を中心に、金融サービスを提供することを目的に協業を開始いたしました。協業の第一弾として、当社が開発・提供する『.cシリーズ』に、加盟店契約およびローン申込・審査・契約を可能とするワンストップ型のローン連携機能を搭載し、トヨタファイナンス株式会社は、本ローン連携機能を通じて新たなローン商品『Mμ-way(ミューウェイ)』、および『Mμ-プラン(ミュープラン)』の提供を開始しております。当社は、このたびの連携により、オートファイナンスプラットフォームの提供を開始するとともに、クラウドサービスの稼働基盤である「Broadleaf Cloud Platform」を起点としたプラットフォーム型サービスの多様化を目指してまいります。
また、2022年10月には富士通株式会社と当社が開発・提供する作業分析・業務最適化ソリューション『OTRS』に富士通株式会社の作業分節AI技術を搭載することで、運用負荷を大幅に軽減することを目指した共同開発を行うことに合意しました。今後、『OTRS』に搭載する作業分節AIサービスの共同開発を通じ、日本のものづくりに携わる事業者のDX推進に貢献してまいります。
上記の取組みを推進したものの、月額サブスクリプション型ソフトウェア『.cシリーズ』の本格展開を推進した結果、当連結会計年度の業績は減収減益となりました。
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として売上収益、営業利益、営業利益率と親会社の所有者に帰属する当期利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として掲げています。加えて、中期経営計画で成長戦略として掲げている「クラウドの浸透」の達成状況を判断するための客観的な指標として、クラウドソフトウェアサービス『.cシリーズ』におけるクラウド化率、ライセンス数、ユーザー維持率、平均月額売上を掲げています。
当連結会計年度の目標の進捗状況は、以下のとおりであります。
経営上の目標の達成状況
2022年12月期
目標
2022年12月期
実績
達成率(%)
売上収益(百万円)
12,300
13,833
112.5
営業利益(百万円)
△4,800
△2,897
-
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)
△5,000
△2,431
-
中期経営計画で成長戦略として掲げている「クラウドの浸透」の達成状況
2022年12月期
実績
2024年12月期
目標
クラウド化比率(%)
6.5
40.0
『.cシリーズ』ライスンス数
2,523
24,000
『.cシリーズ』ユーザー維持率
-
99%以上
『.cシリーズ』平均月額売上収益
21,279円/月
23,000円/月
(a) 財政状態の分析
ⅰ.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より9億40百万円減少の335億35百万円(前期比2.7%減)となりました。流動資産は18億49百万円減少の65億55百万円(前期比22.0%減)、非流動資産は9億9百万円増加の269億80百万円(前期比3.5%増)となりました。流動資産の減少の主な要因は、営業債権及びその他の債権が16億91百万円減少したことによるものです。非流動資産の増加の主な要因は、のれんが6億13百万円、有形固定資産が2億35百万円減少したものの、無形資産が12億23百万円、繰延税金資産が4億9百万円、その他の金融資産が1億23百万円増加したことによるものです。
ⅱ.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より15億11百万円増加の98億73百万円(前期比18.1%増)となりました。流動負債は9億30百万円減少の65億83百万円(前期比12.4%減)、非流動負債は24億41百万円増加の32億91百万円(前期比287.3%増)となりました。流動負債の減少の主な要因は、契約負債が5億72百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が8億95百万円、未払法人所得税が3億97百万円、短期有利子負債が2億10百万円減少したことによるものです。非流動負債の増加の主な要因は、長期有利子負債が25億40百万円増加したことによるものです。
ⅲ.資本
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末より24億52百万円減少の236億62百万円(前期比9.4%減)となりました。資本合計の減少の主な要因は、その他の資本の構成要素が1億57百万円増加、自己株式が1億18百万円減少、利益剰余金が28億32百万円減少したことによるものです。
(b) 経営成績の分析
ⅰ.売上収益
当連結会計年度の売上収益は138億33百万円(前期比33.0%減)となりました。これは、主に『.cシリーズ』の本格展開にともない、当社の自動車整備業・鈑金業向けパッケージソフトウェア『.NSシリーズ』を利用されているお客さまの利用権が満了を迎えた際には、原則として『.cシリーズ』を月額サブスクリプション契約で販売を行ったことによるものです。
当社グループはITサービス事業の単一セグメントでありますが、売上区分別の状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
区 分
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前期比(増減額)
クラウドサービス
1,791
2,628
837
ソフトウェアサービス
1,090
1,958
867
マーケットプレイス
701
670
△31
パッケージシステム
18,860
11,205
△7,656
ソフトウェア販売
11,620
3,539
△8,082
運用・サポート
7,240
7,666
426
売上収益合計
20,652
13,833
△6,819
ⅱ.営業利益
売上原価は53億46百万円(前期比7.1%減)となりました。これは、主にソフトウエア償却費が増加したものの減収に伴い仕入高が減少したことによるものです。販売費及び一般管理費は108億3百万円(前期比6.2%減)となりました。これは、主に人件費が減少したことによるものです。その他の営業収益は34百万円(前期比14.9%増)となりました。その他の営業費用は6億15百万円(前期は12百万円)となりました。これは、主にのれんの減損損失を計上したことによるものです。
これらの結果、営業損失は28億97百万円(前期は営業利益33億95百万円)となりました。
ⅲ.当期利益
金融収益は11百万円(前期比86.5%減)となりました。金融費用は1億19百万円(前期比50.6%減)となりました。持分法による投資損失は1百万円(前期比87.6%減)となりました。法人所得税につきましては△5億73百万円(前期は10億59百万円)となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は24億31百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期利益21億73百万円)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、外部要因としては①モビリティ産業の環境変化②技術革新への対応③法的規制④訴訟等により影響を受ける可能性があります。
一方、当社グループの経営成績に影響を与える内部要因としては、①システムトラブル②商品不具合③情報管理④知的財産の保護⑤人材の獲得及び育成等が挙げられます。当社グループは、継続的に内部管理体制の改善、組織体制を整備することでこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因についての詳細につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保又は金融機関からの借入により資金調達することとしております。金融機関からの資金調達につきましては、長期借入のほか、効率的な運転資金の調達を図るため、総額90億円のコミットメントラインを設定しております。
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