【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況(経営成績の概況)当上期の国内経済は、期前半は個人消費や設備投資を中心に持ち直しの動きがみられたものの、半導体不足や中国のロックダウンによる供給制約の影響で生産活動は低迷いたしました。期後半は、新型コロナウイルス感染症が再拡大するも特別な行動制限は課されず、他国でも同感染症対策の緩和もあり、生産が回復するなど景気は緩やかながらも持ち直しました。当社が事業を営むインドネシアも同感染症が抑制され、個人消費が堅調に推移するとともに、資源国である同国の貿易収支改善もあり、経済は緩やかに回復しております。一方、国内の鉄鋼需要は前年同期に比べ自動車向けを中心に総じて減少しており、当社の主要需要先である建設向けも低迷が続いております。インドネシアの建設需要も同様に低位で推移しました。このような状況下、国内においては、主原料である鉄スクラップ価格が2008年以来の6万円/トンを超える水準まで高騰し、資源価格上昇も相まって製造コスト負担が増大する中で、お客様の理解を得ながら再生産可能な販売価格への改定を進め、期後半にはスクラップ価格が一時的に低下したことから一定のマージンを確保することができました。また、並行して徹底的なコスト改善も進めてまいりました。まずは、2018年度より取り組んできた大阪事業所圧延ライン体質強化対策、いわゆるSプロジェクトにおいて、恩加島圧延工場生産品の堺工場への移管が完了し、本年9月末をもって恩加島圧延工場を休止いたしました。大阪事業所全体での固定費最適化と生産集約による堺工場でのコスト改善を鋭意進めております。また、岸和田工場でのコスト改善や省エネに資する投資への着手や、当社堺工場から東京鋼鐵への一部製品の生産移管など、各拠点のコスト競争力強化に加え、グループ全体での最適生産体制の構築にも取り組んでおります。インドネシア事業は、原料価格の大幅な変動に加え、製品市況の低迷などから厳しい経営環境となりました。引き続き新規販路の拡大や原料の安価調達ソース拡大など成長へ向けた戦略を継続してまいります。加えて、当社グループガバナンス強化へ向けた取組みとして、安全・環境・防災対策の基盤整備を継続するとともに、品質・コンプライアンスの強化を推進しております。以上の取組みの結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループにおける鋼材売上数量は45万5千トン、売上高は551億9千2百万円(前年同期実績472億2千1百万円)、経常利益は47億4千1百万円(前年同期実績25億8千3百万円)となり、大阪地区生産体制最適化等に伴う事業構造改善費用14億1千1百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億8百万円(前年同期実績17億3千9百万円)となりました。
(財政状態の概況)① 資産流動資産は、前連結会計年度末に比べ1.5%増加し、1,319億3千3百万円となりました。これは、主として棚卸資産が53億3千6百万円、未収入金が12億6千1百万円増加し、預け金が26億2千7百万円、売上債権が15億8千9百万円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ3.2%増加し、807億6千3百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ2.1%増加し、2,126億9千7百万円となりました。② 負債流動負債は、前連結会計年度末に比べ3.1%増加し、487億2千5百万円となりました。これは、主として短期借入金が61億7千7百万円増加し、支払手形及び買掛金が37億1千8百万円、未払金が19億9千8百万円減少したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ8.4%増加し、108億4千2百万円となりました。これは、主として事業構造改善引当金が9億6千8百万円増加したことによるものです。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ4.0%増加し、595億6千7百万円となりました。③ 純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1.4%増加し、1,531億2千9百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ33億7千万円減少し、590億2千6百万円となりました。① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果、当第2四半期連結累計期間において使用した資金は、27億5千8百万円(前年同期実績25億7千9百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益33億3千万円、売上債権の減少額25億5千5百万円、減価償却費20億8千7百万円、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額43億3千8百万円、棚卸資産の増加額35億8千7百万円、未収入金の増加額12億4百万円であります。② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果、当第2四半期連結累計期間において使用した資金は、23億5千3百万円(前年同期実績25億8千万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、固定資産の取得23億6千2百万円であります。③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果、当第2四半期連結累計期間において得られた資金は、12億5千3百万円(前年同期実績6千7百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の増加額27億4百万円、支出の主な内訳は、長期借入金の返済17億3千8百万円であります。
(3) 研究開発活動当社は新商品開発、製造プロセス改善、圧延生産性向上、ビレット及び製品品質向上をテーマに上げ、技術開発・操業改善に取り組んでおります。なお、当第2四半期連結累計期間においては、商品開発にかかる研究開発費を3百万円計上しております。