【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、経済活動の正常化により、インバウンドの復調、外食や旅行などのサービス消費の高まり、企業の販促投資に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかに回復しております。一方、長期化するウクライナ情勢や、世界的な金融引締めに伴う影響、米中貿易摩擦、中国経済の先行き懸念等、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクもあり、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
エレクトロニクス業界におきましては、車載向け半導体の供給不足の緩和とAIサーバー向け高性能メモリーの需要は継続しているものの、既存のデータセンター分野やPC、スマートフォン等の最終需要は季節要因による緩やかな回復に留まっており、全体としては低調な状況が継続しております。
このような状況下、車載向けビジネスとSiP(システム・イン・パッケージ)ビジネスの売上が増加したものの、データセンター・ストレージ、PC、スマートフォン向けに当社の主力製品であるメモリー製品の売上が減少したことから、売上高は1,837億81百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益は57億3百万円(同22.5%減)、経常利益は34億13百万円(同5.4%減)となりました。また、当社の取引先であるFCNT株式会社による民事再生手続き開始申立てを受け、同社に対する債権について取立不能または取立遅延のおそれが生じたこと、同社から受注した取引に関連する棚卸資産について収益性の低下のおそれが生じたことから特別損失(貸倒引当金繰入額および棚卸資産評価損)42億36百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益27億24百万円)となりました。
なお、品目別の実績については、次のとおりであります。
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
(自 2023年4月1日
増減率
(自 2022年4月1日
品目別
至 2022年9月30日)
至 2023年9月30日)
(%)
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
構成比
(%)
金額(百万円)
構成比
(%)
金額(百万円)
構成比(%)
メモリー
174,091
78.4
140,445
76.4
△19.3
325,181
77.9
システムLSI
35,838
16.1
36,187
19.7
1.0
67,147
16.0
半導体小計
209,929
94.5
176,632
96.1
△15.9
392,328
93.9
ディスプレイ
4,774
2.1
2,342
1.3
△50.9
10,008
2.4
その他
7,450
3.4
4,807
2.6
△35.5
15,285
3.7
合計
222,153
100.0
183,781
100.0
△17.3
417,621
100.0
「メモリー」に含まれる主な商品は以下のとおりです。
DRAM、NAND FLASH、MCP(マルチチップ・パッケージ)、SSD(ソリッドステートドライブ)等
「システムLSI」に含まれる主な商品は以下のとおりです。
SoC(システム・オン・チップ)、DDI(ディスプレイドライバーIC)、CIS(CMOSイメージセンサー)、
PMIC(パワーマネージメントIC)、SiP等
「ディスプレイ」に含まれる主な商品は以下のとおりです。
LCD(液晶パネル)、OLED(有機EL)等
「その他」に含まれる主な商品は以下のとおりです。
LED、MLCC(積層セラミックコンデンサ)、バッテリー、設備等
(メモリー)
車載向けの売上が拡大したものの、データセンター・ストレージ、PC、スマートフォン向けの売上が減少したことから、この分野の売上高は1,404億45百万円(前年同期比19.3%減)となりました。
(システムLSI)
テレビ向けLCD用DDIの売上が減少したものの、SiPビジネスおよびスマートフォン向け高画素CISの売上が増加したことから、この分野の売上高は361億87百万円(同1.0%増)となりました。
(ディスプレイ)
スマートフォン向けOLEDおよびテレビ・モニター向けLCDの売上が減少したことから、この分野の売上高は23億42百万円(同50.9%減)となりました。
(その他)
車載向けMLCCの売上が増加したものの、テレビ向けバックライト用LEDおよび工作機等向けバッテリーの売上が減少したことから、この分野の売上高は48億7百万円(同35.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
車載ビジネスおよびSiPビジネスの売上が拡大したものの、データセンター・ストレージ、PC、スマートフォン向けの売上が減少したことから、このセグメントの売上高は524億32百万円(同41.1%減)となりました。また、セグメント利益は25億63百万円(同37.5%減)となりました。
(海外)
車載ビジネスおよびデータセンター・ストレージ向けNAND FLASH製品の売上が増加したものの、PC向けおよびスマートフォン向けメモリー製品の売上が減少したことから、このセグメントの売上高は1,313億48百万円(同1.4%減)となりました。また、セグメント利益は収益性の改善等もあり、29億80百万円(同5.3%増)となりました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産の残高は、1,069億76百万円(前連結会計年度末比0.2%減)となりました。これは主に商品が減少したことによるものです。
負債の残高は、638億34百万円(同1.4%増)となりました。これは主に未払金が増加したことによるものです。
純資産の残高は、431億41百万円(同2.4%減)となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上、配当金の支払、非支配株主持分の減少によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローについては、主に営業活動によるキャッシュ・フローが増加したことにより、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)が、前連結会計年度末に比べ27億57百万円増加し148億94百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、88億35百万円(前年同期は487億92百万円の支出)となりました。これは主に売上債権の増加(27億5百万円)、仕入債務の減少(19億57百万円)および利息の支払(9億9百万円)により資金が減少しましたが、棚卸資産の減少(85億76百万円)、貸倒引当金の増加(39億52百万円)および未払金の増加(26億80百万円)により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、7億37百万円(前年同期は1億78百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入(7億41百万円)により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、75億73百万円(前年同期は487億62百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の減少(44億69百万円)、配当金の支払(20億40百万円)および連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出(10億21百万円)により資金が減少したことによるものです。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入代金および人件費等の販売費及び一般管理費の支払によるものであります。当社グループはこれらの資金需要に対し、自己資金および金融機関からの借入を基本としており、金融機関からの借入の主な通貨は日本円及び米ドルであります。
なお、当第2四半期連結会計期間末における借入金の残高は182億93百万円となっております。