【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績に関する分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の感染法上の位置づけが「5類感染症」に移行したことに伴う社会活動及び経済活動の正常化が進み、雇用や所得環境が改善するなど、国内景気は緩やかに回復の動きがみられました。しかしながら、急激な円高及びエネルギーコストや原材料の高騰による物価高の消費への影響、世界的な金融引締めによる景気動向、さらにウクライナやパレスチナ情勢など、景気の先行きは不透明な状況が続くものとみております。
住宅市場は、ここ数カ月において新設住宅着工戸数は弱含みとなっており、賃貸住宅は横ばいであるものの、持家の着工数は引き続き減少傾向にあり、予断を許さない状況にあります。
このような事業環境の下、当社グループでは、BESS事業において原点回帰を掲げ、LOGWAY等での感動を起点としたファンづくりをベースとする農耕型営業を推進するとともに、集客策としてSNS(YouTube、Instagram等)での発信を強化しました。当第2四半期連結累計期間における新規来場数は前年同期比121.9%と伸長し、また、連結契約(受注)高においては、4,917百万円(前年同期比11.6%増)となりました。しかしながら、充分な伸びには至らず、期末契約(受注)残高は7,104百万円と前連結会計年度末比で18.0%減少しており、引き続き契約(受注)増に向けて、集客/営業の両面で注力していきます。具体的には、以下の取り組みを進めております。
・新商品の「三角WONDER 間貫けのハコ」を2023年10月21日に販売開始しました。これは、“つながりのある暮らし”をコンセプトに、日本家屋にある縁側を配して、内装には国産杉をふんだんに使用し、外観はアルマジロをモチーフにシンプルで愛嬌のあるかたちをした商品です。それと同時に、BESSのホームページにおいて本商品の紹介に新表現方法を用いるなど、ブランドプロモーションを新たにスタートさせました。本商品につきましては、BESS熊谷にて第1号となるモデルハウスを2023年12月オープン予定で建設中です。
・「栖(すみか)ログ」の魅力向上に向け、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出し、また、遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。
・「梺(ふもと)暮らし」に関連し長野県小諸市と移住定住促進を軸とした提携協定を締結しました。なお、
小諸市にて宅地販売しておりました「小諸 梅の坂下 FuMoTo」は、第一期全20区画を完売しました。
・BtoB事業(特建事業)において、北海道厚沢部町にて「栖ログ」をベースとした保育園留学の寮を株式会社キッチハイクと共同プロデュースすることとなりました。
なお、上記小諸市と厚沢部町は、創意・工夫ある「地域づくり」の優良事例を表彰する国土交通省の令和5年度「地域づくり表彰」受賞団体に選ばれました。
現在BESS MAGMAとして営業している代官山の資産譲渡に係る引渡しが2023年4月25日に完了しました。なお、本譲渡契約上の明渡しは2025年4月であり、それまでの期間は従来通りに営業を継続します。
こうした状況のなか、当社グループの当第2四半期連結累計期間における連結売上高は6,723百万円と前年同期比10.1%の減少となりましたが、連結営業利益については、前期に実施した商品価格改定に伴う売上総利益率の回復により174百万円(前年同期は420百万円の損失)となりました。以下、連結経常利益が163百万円(同405百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,969百万円(同415百万円の損失)となっております。
セグメント別の経営成績は以下の通りであります。
① 直販部門
連結売上高の34.4%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESS MAGMA」、東京都・昭島の「BESS多摩」及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は2,332百万円(前年同期比2.6%減)となり、セグメント利益は295百万円(同130.7%増)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は1,616百万円(同1.9%増)となりました。
② 販社部門
連結売上高の27.1%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材キット等を供給する事業を行っております。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は、2,966百万円(前年同期比12.7%減)となり、セグメント利益は347百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は2,178百万円(同24.8%増)となりました。
③ 株式会社BESSパートナーズ(以下、BP社)
連結売上高の38.5%を占める国内連結子会社グループのBP社は、株式会社BESSパートナーズが運営する千秋(秋田県)、熊谷(埼玉県)、水戸、つくば(茨城県)、富士、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)、糸島(福岡県)、熊本(熊本県)に加え、その連結子会社である株式会社BESS札幌が運営する札幌(北海道)、同じく株式会社BESS岐阜が運営する岐阜(岐阜県)の合計11拠点のBESS LOGWAYによるグループであり、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、営業の集約化により固定費削減を図るため、不採算拠点となっていた千秋(秋田県)を2023年6月末に、水戸(茨城県)を同年10月末にそれぞれ閉鎖しました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は、2,663百万円(前年同期比9.8%減)となり、セグメント損失は9百万円(前年同期は32百万円の利益)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は、1,954百万円(同25.3%増)となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末比で2,091百万円減少の9,103百万円、負債は同5,087百万円減少の5,226百万円、純資産は同2,995百万円増加の3,877百万円となりました。それぞれの主な増減要因につきましては、次の通りであります。
総資産につきましては、「有形固定資産」が2,734百万円の減少及び「繰延税金資産」が550百万円の減少に対し、「現金及び預金」が1,265百万円増加したこと等によります。
負債につきましては、「短期借入金」が2,894百万円の減少及び「一年以内返済予定長期借入金」が1,392百万円の減少、さらに「仮受金」が705百万円減少したこと等によります。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益2,969百万円を計上したこと等によります。
その結果、自己資本比率は42.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,464百万円となり、前連結会計年度末3,199百万円に対し1,265百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは157百万円の支出(前年同期は770百万円の支出)となりました。有形固定資産売却損益4,220百万円などにより税金等調整前四半期純利益4,384百万円が計上されたものの、前受金及び未成工事受入金の減少並びに長期未収入金や売上債権の増加による資金減少要因が、棚卸資産の減少等による資金増加要因を上回ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは5,773百万円の収入(前年同期は89百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4,374百万円の支出(前年同期は353百万円の収入)となりました。これは短期借入金の減少及び長期借入金の返済等によるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
・暮らすログ小屋「栖(すみか)ログ」の魅力向上
2022年8月の発売から1年を経過した栖ログについて、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出し、また遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。
・「三角WONDER 間貫けのハコ」の開発
潜在BESSファンの感性を刺激するとともに、原価を躯体から見直し、マーケットプライスを実現できる新商品として開発しました。本商品は、日本家屋にある縁側を配し、室内には国産杉をふんだんに使用した内装とし、外観はアルマジロをモチーフとしたシンプルで愛嬌のあるデザインとなっており、2023年10月21日に販売開始しました。
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は60百万円であります。
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