【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第3四半期連結累計期間における経済情勢は、新型コロナウイルス感染症対策が緩和される一方、中国でのロックダウンやウクライナ情勢の長期化により、サプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰など先行きに不透明感が増しました。また、米国では景気は回復基調が続きましたが、インフレ抑制のための金融引き締めが行われ、欧州ではエネルギー価格の高止まりなど高インフレが続き、欧米の景気の回復ペースは鈍化しました。中国ではゼロコロナ政策の影響や不動産市場の停滞で景気は減速しました。日本では資源価格の上昇と円安による物価高の影響はあったものの、行動制限の緩和を受け個人消費は持ち直しの動きがみられました。このような状況の中、経済活動が上向き、部品不足の影響は残ったものの、複合機や商業用印刷機などの生産は堅調に推移し、オフィス等での稼働の回復と流通在庫の積み上げもあり、当社の主力製品であるキャリアの需要は前年同期比で増加しました。食品の品質保持に使用される脱酸素剤の需要は、行動制限の緩和を受け、前年同期を上回りました。これらの市場環境に加え、販売価格の適正化を進めた結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比6.2%増加の7,066百万円となりました。損益面では、売上は回復しましたが、エネルギーおよび原材料価格の値上がりと減価償却費の増加により、営業利益は733百万円(前年同期比20.7%減)となり、営業外損益を加えた経常利益は751百万円(前年同期比19.5%減)となりました。特別損益では、利益として鉄粉販売先の紹介手数料40百万円、損失として固定資産処分損32百万円を計上いたしました。親会社株主に帰属する四半期純利益は515百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① 機能性材料事業当セグメントにおきましては、電子写真用キャリアの需要の回復により、売上高は5,958百万円(前年同期比8.6%増)となりました。セグメント利益は、主にエネルギーおよび原材料価格の上昇と減価償却費の増加により971百万円(前年同期比15.8%減)となりました。
② 鉄粉事業当セグメントにおきましては、脱酸素剤関連製品は増販となりましたが、鉄粉関連製品の販売を、2022年9月末をもって終了したため、売上高は1,107百万円(前年同期比4.9%減)となりました。セグメント利益は、主に脱酸素剤関連製品の増販により103百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
(2)
財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、主に預け金の減少により、203百万円減少いたしました。固定資産は、有形固定資産の減価償却発生金額が設備投資金額を上回ったことなどにより111百万円減少いたしました。以上により、総資産は314百万円減少し15,116百万円となりました。負債は、主に未払金と未払法人税等の減少により、630百万円減少し2,472百万円となりました。純資産は、配当金の支払い231百万円、四半期純利益515百万円等により、315百万円増加し12,644百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.7%増加し83.6%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は384,158千円であります。なお、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。事業環境の変化に対応すべく経営戦略を明確にし、掲げた課題と施策を確実に実行してまいります。