【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結会計期間の財政状態及び当第2四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。
a.
財政状態
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末と比較して194億99百万円(17.0%)増加して、1,341億69百万円となりました。これは主に顧客の需要増加に伴う販売在庫の積み上げにより、商品及び製品が116億18百万円増加したためであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して17億24百万円(10.3%)減少し、150億94百万円となりました。これは主に保有株式の株価の下落により投資有価証券が16億34百万円減少したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して177億74百万円(13.5%)増加し、1,492億64百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して130億20百万円(23.5%)増加して、684億40百万円となりました。これは主に運転資本の増加に伴い短期借入金が87億10百万円増加したためであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して25億4百万円(17.4%)増加し、169億6百万円となりました。これは主に保有株式の株価の下落により繰延税金負債が3億74百万円減少した一方で、運転資本の増加に伴い長期借入金が29億23百万円増加したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して155億25百万円(22.2%)増加し、853億46百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して22億49百万円(3.6%)増加し、639億17百万円となりました。これは主に自己株式の消却により資本剰余金が16億67百万円、保有株式の株価下落によりその他有価証券評価差額金が11億27百万円減少した一方で、利益剰余金が31億68百万円、為替換算調整勘定が18億72百万円増加したためであります。
b.
経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、欧米諸国を中心にウィズコロナを前提とした行動制限の緩和による経済正常化が進んだものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源の高騰や中国におけるゼロコロナ政策によるロックダウン、各国における金融政策の引き締め等、先行きに対する不透明さが増してきております。
我が国の経済についても、新型コロナウイルス感染対策の緩和に伴い社会経済活動の正常化が進み、景気回復の動きがみられるものの、急激な円安の進行等による物価の上昇が続いており、引き続き不安定な状況にあります。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、車載関連機器の需要が底堅く、産業機器分野における設備投資も堅調さを維持する一方、モバイル関連や民生機器の需要は減少し、半導体電子部品の供給不足によるサプライチェーンの混乱や製品価格の値上げによる影響も徐々に緩和する傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、一部に半導体電子部品等の供給制約による影響は残るものの、堅調な需要に伴い車載関連用途ICの販売が増加し、また産業機器関連の部品販売も伸長したことにより、対前年同期比で増収となりました。
電子・電気機器事業においては、引き続き半導体製造関連の活発な設備投資により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、対前年同期比で増収となりました。
工業薬品事業においては、化粧品基剤の販売は引き続き伸長しましたが、プラント向け工業薬品は海外プラントの稼働率の低下や国内顧客の需要減少により、対前年同期比で減収となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は1,147億80百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
損益面につきましては、当第2四半期連結累計期間の連結売上総利益は164億10百万円(同40.2%増)となり、連結販売費及び一般管理費として92億9百万円(同22.2%増)を計上した結果、連結営業利益は72億円(同72.6%増)、連結経常利益は73億3百万円(同75.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は51億41百万円(同80.4%増)となりました。
また、1株当たり四半期純利益は269円06銭となり、前年同四半期より129円04銭増加いたしました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品事業では、PC・タブレット端末等のモバイル関連やテレビ・白物家電等の民生機器関連の電子部品は
需要の減退から販売は減少しましたが、車載関連用途ICは引き続き販売が増加し、産業機器向けの半導体デバイスや工作機械装置向けの一般電子部品の販売も堅調に推移しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は967億1百万円(前年同期比29.7%増)となり、販売増加に伴う利益額の増加や半導体デバイス事業を中心とする為替の影響による外貨建て輸出取引の収益改善等の要因により、セグメント利益は56億85百万円(同211.4%増)と大幅な増加となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器事業においては、引き続き半導体関連の設備投資の活発化によりプリント基板製造装置や真空機器の販売が伸長しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は115億40百万円(前年同期比12.3%増)となりましたが、次世代装置の開発費用の増加等により、セグメント利益は11億93百万円(同7.2%減)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品事業では、化粧品基剤の販売は堅調に推移したものの、プラント向けの工程添加剤等は紙・パルプ分野、石油化学分野ともに国内外で販売が伸び悩みました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は62億62百万円(前年同期比1.3%減)となり、急激な円安と原材料費の高騰による影響もあり、セグメント利益は5億65百万円(同39.7%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託事業と太陽光発電事業を行っております。当第2四半期連結累計期間の売上高は6億35百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は1億56百万円(同2.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは89億89百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは2億39百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは79億32百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が8億46百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して4億49百万円減少し、当第2四半期末は181億70百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、業績動向に加えて、取引状況によって変動する売上債権、棚卸資産及び仕入債務等の運転資本にも影響を受けます。当第2四半期連結累計期間においては、税金等調整前四半期純利益73億16百万円、仕入債務の増加額40億60百万円等の収入要因がありましたが、棚卸資産の増加額106億95百万円、売上債権の増加額58億5百万円等の支出要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは89億89百万円の支出となりました。なお、前年同四半期には税金等調整前四半期純利益等により7億41百万円の収入となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当第2四半期連結累計期間においては、有形固定資産の取得による支出2億32百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは2億39百万円の支出となりました。なお、前年同四半期には有形及び無形固定資産の取得による支出等により、2億43百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動として、当社グループの営業活動に必要な資金は主に金融機関からの借入による調達を行っております。また、2021年4月より開始している中期経営計画「Change & Co-Create 2024」では、株主への還元方針として、配当と自己株式の取得による「総還元性向100%」を目標としております。当第2四半期連結累計期間においては、自己株式の取得による支出18億円、配当金の支払額19億73百万円、長期借入金の返済による支出26億65百万円等の支出要因がありましたが、短期借入による収入(純)74億円、長期借入による収入70億円等の収入要因により、財務活動によるキャッシュ・フローは79億32百万円の収入となりました。なお、前年同四半期には、長期借入による収入等により、3億38百万円の収入となっておりました。
③半導体市況の当社グループへの影響
新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、2020年度第4四半期(2021年1月~3月)から世界的な半導体不足が表面化しました。当第2四半期連結累計期間においては、車載用途や産業機器向けについては依然として需給逼迫が続いておりますが、PC、スマートフォン及び民生機器向けについては需要の減少により調整局面に入っております。
当社グループでは、最終製品の需要動向に注視しながら適正な在庫水準の維持に努めておりますが、半導体製品の取引価格やサプライチェーンにおける在庫水準の変動、及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、1億6百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。