【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化社会が及ぼす人手不足等の社会課題の蓄積や断続的な新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化への対応が求められるなど、大きな変革期を迎えています。
このような環境の中、当社グループでは、2023年3月期より、新たな経営理念体系「ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)」を策定いたしました。そして、”未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。”をミッションとして掲げ、更なる成長を見据えた2025年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画「Re-Growth 2025」を策定し、大きな目標に向け再スタートを切っております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、経済社会活動の正常化に伴いウィズコロナの新たな段階への移行が進む中、世界的な原材料及び燃料価格の高騰やこれまでの数倍規模となった第7波に続いて第8波の影響を受ける一方で、取り組んできたコスト削減等の様々な経営改革の成果に加え、コロナ禍からの着実な回復、クロスセルによる積極的な営業展開などにより大幅な増益を達成し、引き続き好調に推移いたしました。
当第3四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
前年同期比増減
前年同期比
売上高
87,622
90,860
3,237
103.7%
営業利益
2,224
3,640
1,415
163.7%
経常利益
2,211
3,454
1,242
156.2%
親会社株主に帰属
する四半期純利益(*)
4,449
2,773
△1,675
62.3%
(*) 前期第3四半期においては、資産売却による特別利益3,406百万円を計上しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。 (単位:百万円)
売上高
営業利益又は営業損失
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比増減
前年同期比
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比増減
前年同期比
フードサービス事業
39,113
△931
97.7%
1,619
△456
78.0%
車両運行サービス事業
17,571
1,223
107.5%
1,664
283
120.5%
社会サービス事業
32,208
4,084
114.5%
2,092
747
155.5%
その他
2,370
△1,483
61.5%
260
509
-
消去・全社費用
△403
344
-
△1,995
332
-
合計
90,860
3,237
103.7%
3,640
1,415
163.7%
<フードサービス事業>
大手同業他社との競争激化や原材料価格の高騰、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響による慢性的な人員不足など、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
社員食堂を中心とするコントラクトフードサービス部門では、オフィス、工場セグメント店舗を中心に喫食数は戻りつつある一方で、リモートワーク等の政府が推奨する「新しい生活様式」に沿った新しい働き方を取り入れる契約先も多く、職場における食事提供についても新しいサービスに対する期待が高まってきております。このような中、食事提供サービスや在宅勤務等の増加によって減少した食数に対応したローコストオペレーションモデルを構築し、積極的に提案活動を実施するなど新規契約の受注に注力してまいりました。
病院・高齢者施設・保育給食を中心とするメディカルフードサービス部門では、全国で給食を受託運営する保育園・幼稚園約190カ所で、12月より「大豆ミート」を使用した「彩りメニュー」の提供を開始するなどお客様満足度の向上に努めたほか、完全調理品(料理まで完成させた食品)の強化に向けた活動等を推進してまいりました。
これらの取り組みに加えて、原材料価格高騰への対策や営業効率を意識した新規契約の獲得に注力してまいりましたが、前期の大型イベント収益の剥落に加え、第7波及び第8波の影響による一時的な労務コストの増加等により減収減益となりました。
<車両運行サービス事業>
民間法人においては、ノンコア業務をアウトソーシングする流れが継続しており、特に車両運行管理業務については、役員送迎車や社員送迎バス等がその対象となっております。また、地方自治体においては財政再建と地域活性化のため、新たな交通体系の整備や学校統廃合におけるスクールバス需要等のニーズが高まっております。
このような環境のもと、役員車両部門及び一般車両部門においては、新たな通勤手段としての車両利用、社員送迎バス等においても「密」を避けるための増便を提案するなど、需要開拓に努めたほか、安定収益が見込める公共法人への営業活動の強化として、クロスセル営業の推進やデマンドシステム及びスクールバスの提案に注力いたしました。また、Webプロモーション及び営業体制の強化を図ったことにより、期中スタートを含む新規受注の獲得に繋がるなど着実に成果が表れております。
旅客運送部門においては、観光需要の本格的回復までの期間を見据え、工場や倉庫に勤務する社員送迎やスクールバスといった定期契約に基づく運行へと切り替えを進めるとともに、地方自治体に対してデマンドバスを含めた地方交通体系の提案を行うなど、引き続き売上構造の安定化を図ってまいりました。
これらの結果、原価増加の要因となる燃料単価の上昇やインバウンド需要の低迷は継続しておりますが、経済社会活動の再開による運行時間の延長や休日運行の稼働等が大きく回復したほか、新規増車の順調な立ち上がりなども寄与し、増収増益を達成いたしました。
<社会サービス事業>
政府が掲げる「地方創生」政策はコロナ禍の影響下においても継続しており、地方自治体においては財政健全化と地域活性化のため、自治体が提供するサービスを民間に委託するニーズは高まっております。さらに、住民サービスの効率的な運用を目指した施設の統合が進められるとともに、少子高齢化による行政サービスのコストアップと人手不足が、行政サービスのアウトソーシング市場を確実に伸長させる要因となっております。
このような環境のもと、成長ドライバーとして特に力を入れている学童保育・児童館・子育て支援受託業務においては、多様化する子育てニーズに応えるべく、培ってきたノウハウを活かしたコンテンツ開発に注力し、全国の自治体からの新規案件受託数は前期末比で194箇所増加いたしました。
施設管理・図書館運営及び学校給食受託業務においては、コロナ禍による一部施設における利用者数の減少や休業等の影響は残るものの回復基調で推移したほか、2022年9月に岡山県玉野市に新たにオープンした「玉野市立学校給食センター」の受託運営を開始するなど、多くの自治体からの案件を受託し、立ち上げ後の運営も堅調に推移しております。さらに、ワクチン集団接種の会場運営等の受託業務の獲得に加え、効率的なコストコントロールによる収益性の改善を図った結果、売上高・営業利益ともに二桁成長を遂げるなど大きく躍進し、好調に推移いたしました。
(ESG/SDGsへの取り組み)
当社グループは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)のESGに関する様々なステークホルダーの要請に対応し、かつDX(Digital Transformation)を活かした経営改革・事業改革を実践するために、地球環境対応、労働と人権に配慮した働き方改革・お客様満足度向上・地域社会への貢献といった社会課題やガバナンスへの対応などを進めてきております。2021年10月には取締役会に直属するSDGs委員会を設立し、経営理念、経営目標、経営戦略の達成のために事業活動を通してSDGsの達成に寄与することを目指しております。
2022年5月のSDGs委員会において、SDGs経営方針を“『未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。』というミッションのもと、社員エンゲージメントへの投資により生産性を高めてその成果を還元し、顧客・パートナー企業との協創でイノベーションを進める、というアプローチで、社会価値と経済価値が好循環するCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を目指します。”といたしました。また、2022年9月に開示した統合報告書においても、SDGs経営の推進を説明しております。
当社グループの事業は、社員が生み出す、安心、安全、そして笑顔などの「価値」をお客様や取引先様へ提供することで幸せを育む事業であり、ジェンダー平等や多様性に配慮した社員一人ひとりの可能性を育み、「人を育み、幸せを最大化する社会課題解決企業」として持続可能な社会づくりに貢献してきております。
当社グループは、事業活動を通じて競争優位性を確立し、事業基盤を強化するとともに、人や社会、環境、そして株主に広く還元をしてまいります。
(ESG/SDGsに関する主な活動事例)
現在、国内では、路線バス事業者の撤退や運転士不足等により、多くの自治体で交通空白地帯が存在しています。また、免許返納後の高齢者の移動手段の維持確保等、公共交通の重要性が高まっております。当社グループで全国の民間企業の役員車及び自治体の公用車、貸切バス等の車両運行を行う車両運行サービス事業では、2022年12月1日、東京都江東区と災害時協力協定(移送手段に係る車両の確保等に関する協定)を締結いたしました。当協定は、江東区内において、豪雨、地震、水害等の「災害対策基本法」第2条第1号に定める災害が発生した際に、保有する車両を移送手段として確保すると同時に、運転サービス士による運行サポートを行うというものです。当社グループは現在、江東区内において、図書館窓口等業務、学校給食調理等業務、放課後児童クラブ・放課後こども教室等の受託運営も行っております。当社グループが提供するサービスを通じて地域住民の皆様の幅広い生活支援を行うだけでなく、災害時協力協定の締結を通じて、江東区とのさらなる地域連携を図っていきたいと考えております。
フードサービス部門においては、10月30日の「食品ロス削減の日」に合わせ、全国で給食を受託運営する幼稚園・保育園約190カ所、約10,000人の子どもたちとその保護者の方を対象に“食品ロス”をテーマにした食育企画を実施しました。まだ食べられるのに捨てられている食べ物(食品ロス)は、日本では年間約522万トン、その内約半数は家庭から出されているものです(農林水産省及び環境省の「令和2年度推計」)。“食品ロス削減”の啓発のため、“食べ物を残さず食べる”ことで少しでも食品ロスの削減に繋がればという狙いのもと、2020年度より受託先の幼稚園や保育園等で食品ロスをテーマに、塗り絵や紙芝居などのツールを使用し食育企画を実施しています。
コントラクトフードサービス部門では、2022年より水産庁が制定した「さかなの日(毎月3~7日)」に賛同企業として参画いたしました。水産物は、適切に管理すれば食物連鎖の中で資源が回復する持続的な資源です。魚を選択して食べることは、SDGsの「持続可能な生産消費形態を確保する」(目標12)ことにもつながります。そこで、フードサービスを受託する約1,800カ所の企業・学校・病院・保育園・幼稚園等の利用者様に向け、特に11月3日から7日の全体の活動強化週間「いい(11)さ(3)かな(7)の日」において、「白身魚の香草焼き」「さわら煮付け定食」などの「いいさかなの日」特別メニューの提供、ポスターやWEBページにて本取り組みの発信などを実施いたしました。
公共施設、学童保育、学校給食調理等業務、自治体業務の受託運営等を行う社会サービス事業は、2022年12月25日より、千葉県香取市に新設される複合施設「コンパス(KOMPAS)」の施設運営を受託いたしました。当施設は、「交流の拠点」「集客・魅力創造の拠点」、「生活支援・学び・育成の拠点」をコンセプトに、図書館、子育て世代支援スペースに加え、貸出施設やホール等も兼ね備えた一体型となっております。地域の生産者・事業者の協力を仰ぎ、地元の野菜や果物、加工品を販売するマルシェを月1回のペースで実施するなど、賑わいを創出する取り組みを増やしていく予定です。
当社グループはこれからも、事業活動を通じたSDGsの活用により、お客様及び取引先様とのパートナーシップを強化し、健康、持続可能なまちづくり、カーボンニュートラルへの挑戦、働き方改革など持続可能な成長を目指してまいります。
(健康経営への取り組み)
当社は、社内の健康経営を推進するべく、従業員の健康維持・増進を支える部署横断型の「健康経営推進プロジェクト」を設置し、2022年3月に「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に2年連続で選定されております。当社グループは、財産は「人」であると考え、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、異なる個性や能力を持った「人」が 活躍できるダイバーシティ経営を推進しており、新型コロナウイルス感染症との共存する社会への移行が進む中、従業員が安心して働けるよう、保育園・小学校等の臨時休業や自身のコロナ感染に伴う休暇取得支援制度も積極的に実施しております。また、健康診断受診率の向上やストレスチェックの推進など従業員の健康・維持増進に強く働きかけております。
当社グループは今後も「人」を重要視した経営を続けていくとともに、すべての従業員が働き甲斐があり、かつ安心して働ける環境整備に継続して努めてまいります。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し33,238百万円(前連結会計年度末比0.2%増)となりました。流動資産においては、2,083百万円増加し24,644百万円となりました。これは主に、現金及び預金が530百万円、受取手形及び売掛金が947百万円増加したことによります。固定資産においては、2,004百万円減少し8,593百万円となりました。これは主に、有形固定資産が1,025百万円減少したことによります。
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ281百万円増加し22,068百万円(前連結会計年度末比1.3%増)となりました。流動負債においては、1,950百万円減少し19,452百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が3,672百万円減少した一方で、未払金が1,221百万円増加したことによります。固定負債においては、2,231百万円増加し2,616百万円となりました。これは主に、長期借入金が2,250百万円増加したことによります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ202百万円減少し11,169百万円(前連結会計年度末比1.8%減)となりました。これは主に、株主資本が264百万円減少したことによります。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント減少し33.6%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
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