【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しています。先行きについては、ウィズコロナのもとで、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染拡大の影響に十分注意する必要があります。
このような経済情勢のもと、航空業界においては全国旅行支援の開始や入国制限の大幅な緩和を受け、需要回復が続いております。羽田空港の旅客数は、コロナ影響前の2019年度比で、第3四半期連結累計期間では国内線で7割強、国際線で3割ほどの水準となりました。また、当第3四半期においては、国内線が8割強、国際線が5割ほどまで回復しております。当社グループでは引き続き、ターミナル各所で感染防止策を実施し、空港利用者及び従業員の安全・安心の確保に努めてまいります。
このような中、当社グループが5月に発表した新中期経営計画は訪日外客数6000万人の達成等の政府目標が掲げられる2030年に目指す姿からバックキャストした2025年までの計画としており、その経営目標達成に向け各施策を実行しております。また、5月に基本方針を策定し7月に推進体制を整えたサステナビリティについては、9月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、現在はサステナビリティ中期計画の策定を進めております。
当第3四半期において、施設面では、経済産業省からの要請に伴いターミナル内の照明の一部消灯、空調の運転制御を実施して節電に協力しております。また、大規模災害に備えた改修工事を順次行っているほか、第2ターミナル北側サテライトと本館との接続工事に着手するなど、将来へ向けた投資計画を着実に推進しております。加えて、羽田空港における空港車両のEV化の検討や水素エネルギーの潜在的な需要調査など、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みも進めております。
また、羽田空港公式アプリ「Haneda Airport」に、最新運航情報をもとにご搭乗までのご案内を行うとともに利用目的に合わせて空港内での過ごし方を提案する新たな機能を追加しました。さらに、国際線で先行導入した「羽田空港エスコートサービス」を国内線ターミナルでも開始するなど、多様なニーズに対応したサービスを提供しております。
営業面では、国際線需要の回復に合わせ、免税店の営業時間を見直すとともに、空港免税店としていずれも日本初出店となる「ルイ・ヴィトン」や「ディオール」等、計3店舗を第3ターミナルにオープンしました。国内線では、アップサイクル商品を展開する「GOOD NEWS TOKYO」を第2ターミナルにオープンしたほか、羽田空港限定品等を集めた「羽田空港セレクション」や全国各地の物産&観光フェア等の催事イベントを積極的に開催するなど、旅客数の回復に伴う需要の取り込みに努めております。
羽田空港以外では、成田空港第1ターミナルに北海道産の食品を販売する「北海道食賓館」をオープンしました。また、京急百貨店で開催された物産展では、空弁や冷凍機内食をはじめとした羽田空港限定商品を販売するなど、販路拡大に努めております。さらに、羽田空港での導入実績や運用ノウハウを活かした販売代理店事業として、放射冷却素材「Radi-Cool」や、案内や清掃などのロボットの施工・導入実績を増やしており、CO2排出量の削減や、労働力不足への対応等の社会問題解決に貢献しながら、新規事業の収益拡大を推進しております。
羽田空港旅客ターミナルは、6月に英国SKYTRAX社の国際空港評価において、アジア空港の総合評価である「Best Airports in Asia」部門で2年連続となる第1位、空港の総合評価である「World’s Best Airports」部門で4年連続して世界第2位、さらに、「World’s Cleanest Airports」部門(7年連続)、「World’s Best Domestic Airports」部門(10年連続)、「World’s Best PRM / Accessible Facilities」部門(4年連続)で世界第1位の評価をいただきました。また、11月にはSKYTRAX社が実施する“Global Airport Rating”において、世界最高水準の旅客ターミナルであると評価される「5スターエアポート」を9年連続で獲得しました。
足元においては、羽田空港の旅客数は引き続き回復傾向を示しております。国内線では、全国旅行支援が1月以降も継続され、観光旅行需要の下支えが期待されます。国際線では、コロナ前にインバウンド旅客で最も多かった中国人観光客については、中国本土からの入国に対して水際措置が強化され回復には時間を要しますが、アジアや米国を中心にインバウンド需要が急速に回復しております。このような中、当社は本年1月に、日本人にとって最も魅力的な旅行目的地のひとつであるハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港を管理運営するハワイ州運輸局と業務協力に関する覚書を締結いたしました。今後、空港運営に関する専門的な知識やアイデアの交換を行い、高品質なサービスを提供することで、ハワイ及び日本の航空事業の発展に寄与してまいります。当社グループは引き続きコロナ禍での学びをターミナル運営に活かしながら、回復する旅客需要を確実に取り込み、再成長への道筋をつけてまいります。そして、羽田空港旅客ターミナルの利便性、快適性、機能性の向上に取り組み、すべてのお客さまの安全で円滑な出入国や移動を実現することで、日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港の価値向上に取り組んでまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績につきましては、次のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 38億9千5百万円増加し、1,177億6千3百万円となりました。
これは主に、旅客数の回復に伴い旅客取扱施設利用料収入等の売掛金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 132億4千5百万円減少し、3,367億6千4百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ 93億5千万円減少し、4,545億2千8百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 23億7千5百万円増加し、3,102億4千5百万円となりました。これは主に、長期借入金が約定返済で減少したものの、商品仕入が増加したことによる買掛金の増加や、
国有財産使用料の計上に伴う未払費用が増加したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べ 117億2千6百万円減少し、1,442億8千3百万円となりました。これは主に、四半期純損失の計上により利益剰余金及び非支配株主持分が減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、33.3%(前連結会計年度末は 33.2%)となりました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間の業績については、旅客数の回復に伴いすべてのセグメントで売上高が前年度より増加し、営業収益は 760億2千7百万円(前年同期比78.5%増)となりました。また、売上の回復とコスト削減の堅持により赤字幅が前年度より縮小し、営業損失は 93億2千5百万円(前年同期は営業損失 308億9千2百万円)、経常損失は 103億2千9百万円(前年同期は経常損失 332億4千万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は 25億8千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失 193億2千6百万円)となりました。
(単位:百万円)
区 分
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比増減率(%)
営 業 収 益
42,590
76,027
78.5
(施設管理運営業)
29,847
44,375
48.7
(物品販売業)
9,971
25,821
159.0
(飲食業)
2,771
5,829
110.3
営 業 損 失
△ 30,892
△
9,325
-
経 常 損 失
△ 33,240
△ 10,329
-
親会社株主に帰属する 四半期純損失
△ 19,326
△
2,587
-
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益(損失)はセグメント利益(損失)に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
区 分
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比増減率(%)
外部顧客への売上高
29,847
44,375
48.7
家賃収入
13,787
14,963
8.5
施設利用料収入
7,729
19,612
153.7
その他の収入
8,330
9,800
17.6
セグメント間の内部売上高
1,454
1,697
16.7
売上高 合計
31,302
46,073
47.2
セグメント損失
△ 18,805
△ 3,200
-
家賃収入については、賃料減免の縮小や歩合賃料収入の増加等により、前年を上回っております。
施設利用料収入については、旅客数の回復及び料金の改定に伴う旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前年を上回っております。
その他の収入については、請負工事収入が減少したものの、ラウンジ収入や駐車場収入の増加等により、前年を上回っております。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 460億7千3百万円(前年同期比47.2%増)となり、営業損失は 32億円(前年同期は営業損失 188億5百万円)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
区 分
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比増減率(%)
外部顧客への売上高
9,971
25,821
159.0
国内線売店売上
3,837
7,554
96.9
国際線売店売上
3,267
11,524
252.7
その他の売上
2,866
6,743
135.3
セグメント間の内部売上高
578
654
13.0
売上高 合計
10,549
26,475
151.0
セグメント損益
△ 4,457
623
-
国内線売店売上については、国内線旅客数の回復に伴い前年を上回っております。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加により、前年を上回っております。
その他の売上については、卸売売上が増加し、前年を上回っております。
その結果、物品販売業の営業収益は 264億7千5百万円(前年同期比151.0%増)となり、営業利益は 6億2千3百万円(前年同期は営業損失 44億5千7百万円)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
区 分
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
前年同期比増減率(%)
外部顧客への売上高
2,771
5,829
110.3
飲食店舗売上
2,002
3,992
99.4
機内食売上
522
1,479
183.0
その他の売上
246
357
45.0
セグメント間の内部売上高
594
697
17.3
売上高 合計
3,365
6,527
93.9
セグメント損失
△ 2,365
△ 1,103
-
飲食店舗売上については、主に国内線旅客数の回復により、前年を上回っております。
機内食売上については、主に成田空港における外国航空会社の旅客数の回復により、前年を上回っております。
その結果、飲食業の営業収益は 65億2千7百万円(前年同期比93.9%増)となり、営業損失は11億3百万円(前年同期は営業損失 23億6千5百万円)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
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