【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く市場環境につきましては、米国経済は引き続き良好な雇用環境が個人消費を下支えする一方で、長期化するウクライナ紛争や金融引き締めにより、世界経済の減速が懸念されるなど依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような環境の下、当社グループの主力である海外小型屋外作業機械(OPE:Outdoor Power Equipment)は、ホームセンターで改善が見られたものの、北米での金利上昇を受けて、代理店・販売店が在庫圧縮に動いていることから販売が減少しました。一方で、一般産業用機械は北米での旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の好調な販売が継続しました。
国内は、農林事業において肥料・燃料価格の高騰により農業従事者の購買意欲が減退したことに加え、長引く猛暑が刈払機等の買い替え需要に影響し販売が減少したものの、草刈作業の負担軽減に寄与するラジコン草刈機の新製品販売が好調に推移しています。国内の農林業が抱える就労人口の減少と高齢化という社会課題に対し、当社グループは引き続き省人・省力化につながる製品の開発に注力してまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループ連結業績は次のとおりとなりました。
2022年12月期
第3四半期連結累計期間
2023年12月期
第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
百万円
百万円
百万円
%
売上高
121,610
117,821
△3,789
△3.1
国内
34,682
32,105
△2,577
△7.4
海外
86,928
85,716
△1,212
△1.4
米州
72,113
71,143
△970
△1.3
その他海外
14,815
14,573
△242
△1.6
営業利益
9,475
13,253
3,777
39.9
経常利益
11,022
13,796
2,773
25.2
親会社株主に帰属する四半期純利益
8,198
9,051
853
10.4
[売上高]
主力の海外は、北米市場の一般産業用機械が旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の好調な販売が継続したものの、小型屋外作業機械で金利上昇に伴う代理店・販売店の在庫圧縮や欧州各国で続いた干ばつなど天候不順の影響を受けて、販売が減少した結果、売上高は前年同期比1.4%減の857億円となりました。
国内は、農林事業が肥料・燃料価格の高騰による農業従事者の購買意欲減退に加え、長引く猛暑が刈払機等の買い替え需要に影響し販売が減少しました。一般産業用機械は発電機の部品調達遅延が解消され始めたことで堅調に推移したものの、溶接機の販売不振が継続したことで減収となりました。その結果、売上高は前年同期比7.4%減の321億円となり、当第3四半期連結累計期間の合計売上高は前年同期比3.1%減の1,178億円となりました。
[損 益]
前期に積み上がった北米子会社の製品および生産用部材在庫の販売が順調に進んだことによる収益化に加え、昨年から国内外で実施した価格改定やアクセサリー・サービス部品の増販、前年と比較して物流コストが大幅に低下したことなどが利益を押し上げ、併せて、円安に推移した為替が大きく影響し、営業利益は前年同期比39.9%増の132億円、経常利益は25.2%増の137億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10.4%増の90億円となり、いずれも過去最高益となりました。
[セグメント別の概況]
① 小型屋外作業機械
2022年12月期
第3四半期連結累計期間
2023年12月期
第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
百万円
百万円
百万円
%
売上高
88,730
84,380
△4,349
△4.9
国内
12,157
11,359
△798
△6.6
海外
76,572
73,021
△3,551
△4.6
国内:肥料・燃料価格の高騰により、農業従事者の購買意欲が減退したことに加え、長引く猛暑が刈払機等の買い替え需要に影響したことで減収となりました。
海外:北米は金利上昇を受けて代理店・販売店が在庫圧縮に動いたことで販売が減少したほか、欧州においても引き続き各国での干ばつなどの天候不順の影響を補うことができず減収となりました。
② 農業用管理機械
2022年12月期
第3四半期連結累計期間
2023年12月期
第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
百万円
百万円
百万円
%
売上高
19,802
19,257
△544
△2.8
国内
13,230
12,159
△1,071
△8.1
海外
6,571
7,098
526
8.0
国内:草刈作業の省力化に寄与するラジコン草刈機の新製品が好調に推移したものの、農業従事者の購買意欲減退に加え、使用者の高齢化の影響もあり傾斜地の作業などで近年重大事故が発生していたスピードスプレーヤにおいて、安全対策を講じることを優先して販売停止したことによる影響を受けて減収となりました。
海外:北米は引き続き高値安定で推移した穀物価格市場に支えられ、高い需要が継続するなかで、部品調達遅延が解消され始めたことで、ポテト関連製品などの販売が好調に推移し増収となりました。
③ 一般産業用機械
2022年12月期
第3四半期連結累計期間
2023年12月期
第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
百万円
百万円
百万円
%
売上高
11,634
12,735
1,100
9.5
国内
7,852
7,138
△713
△9.1
海外
3,782
5,596
1,814
48.0
国内:発電機の部品調達遅延が解消され始めたことで販売が伸長したものの、溶接機の販売不振や新製品の販売遅延の影響を補うことができず減収となりました。
海外:北米市場での旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の好調な販売が継続したことにより大幅な増収となりました。
④ その他
2022年12月期
第3四半期連結累計期間
2023年12月期
第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
百万円
百万円
百万円
%
売上高
1,443
1,447
4
0.3
主要3事業以外の売上高は、主要セグメントに含まれない生産子会社の売上高や商品等で構成されています。
b.財政状態
① 資産
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1億54百万円増加し1,413億53百万円となりました。
その主な要因は、受取手形及び売掛金の増加36億2百万円、商品及び製品の増加13億55百万円、仕掛品の減少18億56百万円、現金及び預金の減少15億7百万円等によるものであります。
② 負債
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて116億54百万円減少し521億71百万円となりました。
その主な要因は、借入金の減少123億84百万円、賞与引当金の増加12億2百万円、未払法人税等の減少9億85百万円、関係会社清算損失引当金の増加6億6百万円等によるものであります。
③ 純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて118億9百万円増加し891億82百万円となりました。
その主な要因は、利益剰余金の増加68億83百万円、為替換算調整勘定の増加49億23百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ8.3ポイント増加し、63.1%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが177億18百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが33億53百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが164億32百万円の支出となりました。その結果、当第3四半期連結会計期間末の資金残高は126億72百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益130億6百万円、減価償却費32億84百万円、売上債権の増加額12億41百万円、棚卸資産の減少額61億30百万円、仕入債務の減少額24億61百万円、法人税等の支払額37億4百万円等により、177億18百万円の収入(前年同四半期は88億53百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出33億30百万円等により、33億53百万円の支出(前年同四半期は27億55百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額133億74百万円、配当金の支払額20億76百万円等により、164億32百万円の支出(前年同四半期は141億2百万円の収入)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、41億15百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性
当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性の重要な変更はありません。