【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文章中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況 当第1四半期累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかる活動制限の緩和を受け、経済活動の正常化が進む中、景気が持ち直していくことが期待される一方で、ロシア・ウクライナ情勢による資源価格の上昇や世界的な金融引締めなどによる景気の下振れリスクがあり、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等に注意する状況が続いております。国内の医療用医薬品市場においては、前年の新型コロナウイルス感染症による患者の受診控えからの反動で市場は回復傾向にあるものの、薬価改定や保険制度改革などの影響に加え、昨今の物価高や円安が製薬企業の調達コストに影響を与える状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症が拡大したことによって、医薬品の開発には膨大なコストと時間を要するものの、ワクチンをはじめとする医薬品の開発・供給基盤を確保することが、安全保障面においても重要であることを多くの国民が認識するようになりました。国産のワクチンや治療薬の登場が待ち望まれている中、最先端のICT (Information and Communication Technology:情報通信技術)の活用によって、新薬の研究や開発に必要となる期間やコストをいかに短縮できるかが課題となっています。 そのような状況の中、当社は「ICTの活用で“持続可能な医療”を目指す」というビジョンを掲げ、患者・医療従事者向けに自社開発した治療用アプリを提供する「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」及び医薬企業向けに汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、DTx開発の支援を行う「DTxプラットフォーム事業」を展開し、ブロックチェーンやAI(人工知能) 技術の応用で業界に新たな価値を生み出して社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。DTxプロダクト事業におきましては、不眠障害治療用アプリについて、塩野義製薬株式会社との間で締結した販売提携契約に基づき、当社は本アプリの製造販売業者として、本アプリの開発及び薬事承認取得に向けてPMDAによる審査対応を行っております。また、本契約においては、今後の開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大45億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。 不眠障害治療用アプリ以外のパイプラインについては、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を開始し、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリに関して臨床試験の準備を行っております。今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。 DTxプラットフォーム事業におきましては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験の実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験実施の準備を進めております。ブロックチェーン技術を用いた治験の実施により、新薬開発コストの適正化と治験データの信頼性向上を同時に実現することを目指してまいります。 また、当社とアカデミア等との共同研究につきましては、国立大学法人滋賀大学と「信頼されるAIシステムを実現するための因果探索基盤技術の確立と応用」について共同研究契約を締結いたしました。本共同研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の2022年度戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択されております。 なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の地政学リスクによる当社業績への影響は軽微であります。
これらの結果、当第1四半期累計期間における業績は、事業収益31,392千円(前年同四半期は30,838千円)、営業損失91,787千円(前年同四半期は128,024千円の損失)、経常損失91,591千円(前年同四半期は128,996千円の損失)、四半期純損失92,991千円(前年同四半期は129,828千円の損失)となりました。
(DTxプロダクト事業)当セグメントは、治療用アプリ開発で構成されております。治療用アプリ開発では、不眠障害治療用アプリの薬事承認取得に向けてPMDAによる審査対応を行っております。また、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験を開始し、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリは、臨床試験の準備を行っております。また複数の医療機関と共同研究を行い、次のパイプラインの獲得を目指しております。医療機器承認を取得し、販売段階にあるプロダクトはまだありません。この結果、本報告セグメントの当第1四半期累計期間の事業収益の計上はなく(前年同四半期もなし)、セグメント損失は19,858千円(前年同四半期は76,784千円の損失)となりました。 (DTxプラットフォーム事業) 当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験の実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験実施の準備を進めておりますが、当第1四半期累計期間の事業収益の計上はありません。機械学習自動分析システムの提供及びDTx開発の支援に関する活動につきましては、前期からの継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。この結果、本報告セグメントの当第1四半期累計期間の事業収益は31,392千円(前年同四半期は30,838千円)、セグメント利益は22,324千円(前年同四半期は13,979千円の利益)となりました。
②財政状態の状況(資産)当第1四半期会計期間末における流動資産合計は、4,832,849千円となり、前事業年度末に比べ102,749千円減少いたしました。これは主に仕掛品が8,827千円増加した一方、現金及び預金が110,381千円減少したほか、前払費用が2,541千円減少したこと等によるものであります。当第1四半期会計期間末における固定資産合計は、8,190千円となり、前事業年度末に比べ66千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産のその他が66千円増加したことによるものであります。
(負債) 当第1四半期会計期間末の流動負債合計は、62,489千円となり、前事業年度末に比べ25,199千円減少いたしました。これは主に未払金が6,039千円増加した一方、未払法人税等が23,890千円、未払消費税等が7,133千円減少したこと等によるものであります。 当第1四半期会計期間末の固定負債合計は、5,650千円となり、前事業年度末から変動ありませんでした。
(純資産) 当第1四半期会計期間末の純資産合計は4,772,901千円となり、前事業年度末に比べ77,482千円減少いたしました。これはストック・オプションの行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ6,085千円増加したほか、新株予約権が3,338千円増加した一方、四半期純損失の計上に伴い利益剰余金が92,991千円減少したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等 当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期累計期間において発生した当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動 当第1四半期累計期間における当社の研究開発費の総額は、25,637千円であります。なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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