【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレ抑制を目的とした各国中央銀行による利上げや昨年2月以来のロシアによるウクライナ侵攻の影響から停滞、減速状況が続いております。また、コロナ禍からの急激な回復局面で引き起こされた、資源高・原材料市況や輸送運賃の高騰・サプライチェーンの混乱も、地域差はあるものの依然として高い水準で継続しています。
このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、コロナ禍前と同様の水準で堅調に推移しており、海外においては、米州では景気の減速感もあって買い控えによる若干の需要減少はあるものの物流ニーズは底堅く、依然としてコロナ禍前を上回る需要が継続しております。その一方で、欧州はロシアのウクライナ侵攻以降の資源高などで企業活動が鈍化して、コロナ禍前の水準は維持しながらも縮小傾向で推移しております。また、アジアは好調であった前年度よりもさらに高い水準で推移しておりますが、中国は昨年12月までのゼロコロナ政策の推進などにより需要の減速感は否めません。
当社においては、半導体不足から始まった様々な部品供給の遅れによるリードタイムの長期化、原材料費・輸送費を始めとしたコスト高は前年度から継続していますが、グループ各社の受注は、地域差はあるものの全体としては概ね順調です。また、国内、海外において生産の整流化に努め、年度前半に比して生産、出荷を進めることができており、それに伴い価格改定の効果も出てきております。しかしながら、世界経済の先行きは依然、厳しいものと想定され、予断を許さない状況が続いていることに変わりはなく、引き続き部品供給を確保しながら生産整流化による更なる出荷促進に取り組むとともに、併せてコストの削減にも注力してまいります。
この結果、当第3四半期連結累計期間における連結売上高は、4,409億5千8百万円(前年同期比30.9%増加)となりました。利益面については、原材料や輸送費の高騰影響を受けながらも、売上高の増加に加え、価格改定 の効果が大きく出てきていることなどにより、営業利益は76億2千4百万円(前年同期比156.1%増加)、経常利益は62億6千3百万円(前年同期比128.0%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億8千1百万円(前年同期比731.9%増加)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は152億5千4百万円(前年同期比52.1%増加)となり、営業利益率は3.5%(前年同期比0.5ポイント増加)となっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
〔国内事業〕
国内事業は、受注は堅調に推移しているものの、年度前半の部品欠品のための出荷不足により、売上高は1,271億2千1百万円(前年同期比0.9%減少)となりました。セグメント損失は、売上高の減少に加え、コスト高の影響もあり、2億7千万円(前年同期15億1千3百万円の利益)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は33億5千2百万円(前年同期比34.3%減少)となっております。
〔海外事業〕
海外事業は、米州、欧州を中心とした販売台数の増加に加え、為替の円安影響が追い風となり、売上高は3,138億3千6百万円(前年同期比50.5%増加)となりました。セグメント利益は、売上高の増加や価格改定効果も寄与し、78億9千5百万円(前年同期比439.3%増加)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は119億2百万円(前年同期比141.7%増加)となっております。
特に米州においては、好調な受注を背景とした売上高の大幅な増加に加え、販売子会社のレンタル事業の好調や価格改定効果もあり、これらがセグメント利益の増加に寄与しております。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は4,698億4千5百万円となり、前連結会計年度末より642億4千4百万円増加しました。流動資産は、為替の円安影響に加え、売上債権の増加、棚卸資産の増加等により326億9千4百万円増加しました。固定資産は、会計方針の変更で機械装置及び運搬具やリース資産が増加したこと等により、315億4千9百万円増加しました。負債合計は3,989億6千9百万円となり、前連結会計年度末より571億5百万円増加しました。主な要因は、為替の円安影響に加え、会計方針の変更によるリース債務、その他流動負債及びその他固定負債の増加、借入金の増加によるものです。
また、純資産につきましては、新株予約権及び非支配株主持分を除くと702億7千3百万円となり、前連結会計年度末より71億4千1百万円増加しました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加に加え、利益剰余金の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ80億3千3百万円増加し、205億9千5百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
なお、前第3四半期連結累計期間においては、四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、比較分析は行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、34億2千6百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益、減価償却費及びのれん償却費の計上があった一方で、売上債権や棚卸資産の増加、法人税等の支払等があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で支出した資金は、235億5千万円となりました。短期貸付金の減少による資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出や米州での新規連結子会社取得による支出の増加により、当第3四半期連結累計期間の支出は大きく増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、280億5千4百万円となりました。これは主に、短期借入金による収入、その他の金融取引に係る収入によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は35億1千1百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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