【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことで社会経済活動が正常化に向かい、国内の景気は個人消費や設備投資などの持ち直しが見られる緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化及び急激な円安による物価の上昇などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとし、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高348億62百万円(前年同四半期比10.3%増)、営業損失19億75百万円(前年同四半期営業損失金額43億97百万円)、経常損失6億68百万円(同経常損失金額27億69百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億17百万円(同親会社株主に帰属する四半期純損失金額22億8百万円)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ22,286t(前年同四半期比5.4%減)、エリンギ8,514t(同5.3%減)、マイタケ7,396t(同5.0%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、原材料価格、電力費、包装費などの製造原価が大幅に上昇する中、コスト削減に取り組むとともに、引き続き衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、既存のきのこの改良及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。
営業部門におきましては、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、今期の初めより生産調整を行ったことにより、きのこの需給が改善したことや、野菜の相場も比較的高値で推移していたこと等により、きのこの価格も堅調な動きとなるなど、安定した状況で推移いたしました。
以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は215億74百万円(前年同四半期比14.2%増)となりました。
[海外きのこ事業]
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、値上げの効果があり売上高、営業利益ともに堅調に推移いたしました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、過去3年間台風が一つも襲来しませんでしたが、今期は既に3回台湾南部を直撃したため、野菜全体の供給が減少しきのこの需要が拡大したため、売上高は堅調に推移し予算計画を上回りましたが、価格面では厳しい状況が続きまして、営業利益は計画未達となりました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、昨年からのインフレは弱まりを見せているものの、景気の先行きが不透明な状況の中、中国産のきのこがASEAN域内に安価で大量に輸入され、当社のきのこ販売に大きな影響がでました。その結果、売上高、営業利益共に計画を下回ることとなりました。
以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は36億16百万円(同14.9%増)となりました。
[加工品事業]
加工品事業におきましては、水煮・冷凍などのきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発および市場開拓に取り組んでまいりました。デリカ向け商品や中食向け商品が好調だったほか、青果向け市販用加工商品も乾燥シイタケ・水煮・炊込みご飯の素などを中心に順調な販売となりました。また、コンビニエンスストア向けの業務用生鮮きのこの販売、冷凍きのこ商品の販売も順調に推移致しました。通販事業では、乾燥シイタケなど値上げしたにもかかわらず好調に推移し自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、4月より値上げをした影響で受注が減少したため、売上高は計画を下回りました。
以上の結果、加工品事業の売上高は36億55百万円(同7.4%減)となりました。
[化成品事業]
包装資材を主要事業とする第一営業部では、品質劣化をおさえる機能性包材や、リサイクル原料を利用した環境包材を中心とした付加価値製品の提案営業に取り組みました。量販店向け売上が堅調に推移する一方、半導体・自動車関連部品関連メーカー向けの一部に回復の兆しがあるものの、工業資材販売は苦戦しました。
自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二営業部では、引き続き自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。きのこ生産者向けに需給がひっ迫する一部生産原料や培地の安定供給に注力したほか、きのこ以外の野菜生産者向けの資材供給に努めました。
以上の結果、化成品事業の売上高は60億15百万円(同7.0%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は313億58百万円となり、前連結会計年度末より5億67百万円増加いたしました。固定資産は737億69百万円となり、前連結会計年度末より3億36百万円減少いたしました。
この結果、総資産は1,051億28百万円となり、前連結会計年度末より2億30百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は358億72百万円となり、前連結会計年度末より20億63百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金100億6百万円の増加、流動負債のその他に含まれる1年内償還予定の新株予約権付社債97億19百万円及び1年内返済予定の長期借入金29億52百万円の減少によるものであります。固定負債は190億98百万円となり、前連結会計年度末より30億94百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金29億99百万円の増加によるものであります。
この結果、負債合計は549億71百万円となり、前連結会計年度末より10億30百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は501億56百万円となり、前連結会計年度末より7億99百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失6億17百万円を計上し配当金9億54百万円を支払ったことによる利益剰余金15億71百万円の減少及びその他有価証券評価差額金8億50百万円の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は47.7%(前連結会計年度末は48.6%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は119億73百万円となり、前連結会計年度末より73百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により減少した資金は18億87百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失6億66百万円および減価償却費31億94百万円、為替差益11億11百万円の計上、売上債権および棚卸資産の増加29億65百万円ならびに法人税等の支払額3億85百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して15百万円の支出の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により増加した資金は22億62百万円となりました。これは主に、定期預金の純減27億87百万円および有形固定資産の取得による支出5億89百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して40億47百万円の支出の減少となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により減少した資金は7億28百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増99億92百万円、社債の償還による支出97億17百万円および配当金の支払9億54百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して20億80百万円の収入の減少となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動につとめております。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は353百万円となりました。
これまでの研究開発活動で得られた成果のうち、公表された成果は以下のとおりです。
品種登録関連
(国内)
アラゲキクラゲ
発明の名称 HKAP2
登録日 2023年7月14日
登録番号 29757
マイタケ
発明の名称 HKGF10
登録日 2023年7月14日
登録番号 29805
学会発表
演題 ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)の分類学的再検討
発表日 2023年8月7日
学会 日本きのこ学会第26回大会
演題 2品種のシイタケ(Lentinula edodes)の子実体形成における各種糖質加水分解酵素の活性の推移と比較
発表日 2023年8月7日
学会 日本きのこ学会第26回大会
大阪公立大学との共同研究
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度有価証券報告書「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当第2四半期累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
#C1379JP #ホクト #水産農林業セクター