【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が緩和され、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、地政学的リスクの長期化による資源価格の高騰や物価の上昇に加え、世界的な金融引き締め等が続く中で、海外景気の下振れが国内景気に影響を及ぼすことが懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
建築塗料業界におきましては、都市部や首都圏を中心とした大規模再開発案件の需要や物流施設・公共物件が堅調に推移致しました。しかし一方、戸建住宅等はインフレの影響を受け、消費者マインドにブレーキがかかりました。また、慢性的な人材不足による現場技術者及び現場作業員の確保と育成が大きな課題であり、建築費・人件費の高騰、人材の高齢化等厳しい市場環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、販売価格の見直しを行い、経費削減に努めるとともに、引き続き新築市場だけではなく膨大なストックを有するリニューアル市場において、当社の技術革新による製品、超耐久・超低汚染塗料、地球温暖化現象に対応した省エネタイプの遮熱塗料、新型省力化建材、オリジナルの高意匠性塗材や耐火被覆材・断熱材等の拡販に努めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は、490億円(前年同四半期比7.6%増)となりました。利益面におきましては、原材料の高騰を受けて製品価格の値上げを行い、営業利益は、56億6百万円(同23.2%増)となり、経常利益は、為替変動の影響等により94億85百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、66億52百万円(同10.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①建築仕上塗材事業
建築仕上塗材事業におきましては、特にリニューアル市場において超耐久性塗料や超低汚染機能で差別化した省エネタイプの遮熱塗料等の販売を行ない、売上高は428億54百万円(同3.5%増)と前年同四半期に比べて14億50百万円の増収となりました。セグメント利益は60億77百万円(同14.5%増)と前年同四半期に比べて7億67百万円の増益となりました。
②耐火断熱材事業
耐火断熱材事業におきましては、都市部の再開発事業における受注は続いており、売上高は50億76百万円(同66.1%増)と前年同四半期に比べて20億19百万円の増収となりました。セグメント利益は、7億72百万円(同128.1%増)と前年同四半期に比べて4億33百万円の増益となりました。
③その他の事業
その他の事業におきましては、売上高は10億68百万円(同0.0%増)と前年同四半期に比べて0百万円の増収となりました。セグメント利益は63百万円(同53.6%増)と前年同四半期に比べて21百万円の増益となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、次のとおりであります。
総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて66億69百万円増加し、1,757億13百万円(前連結会計年度末比3.9%増)となりました。増加した主なものは、長期預金49億83百万円(同33.1%増)、受取手形及び売掛金14億24百万円(同8.0%増)、減少した主なものは、現金及び預金13億5百万円(同1.3%減)であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて81百万円増加し、281億57百万円(同0.3%増)となりました。増加した主なものは、未払法人税等9億15百万円(同44.8%増)、減少した主なものは、支払手形及び買掛金7億37百万円(同7.7%減)であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて65億87百万円増加し、1,475億55百万円(同4.7%増)となりました。増加した主なものは、親会社株主に帰属する四半期純利益を含む利益剰余金55億73百万円(同3.9%増)、為替換算調整勘定10億21百万円(同35.4%増)であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ59億6百万円減少し、528億71百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、13億90百万円(前年同四半期比22.9%減)となりました。
これは主に税金等調整前四半期純利益94億85百万円(同7.4%増)、為替差益30億13百万円(同22.8%減)、法人税等の支払額19億69百万円(同15.0%減)、売上債権の増加額13億34百万円(同126.3%増)、仕入債務の減少額8億61百万円(前年同四半期は5億90百万円の増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、69億33百万円(前年同四半期比10.8%増)となりました。
これは主に定期預金の預入による支出273億8百万円(同40.1%増)、定期預金の払戻による収入206億83百万円(同15.4%増)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、11億51百万円(同11.6%増)となりました。
これは主に配当金の支払額10億75百万円(同0.2%減)によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億50百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの建築塗料事業においては、公共投資、民間設備投資及び住宅投資の需要動向が大きく影響します。
公官庁案件や民間の大規模再開発案件などの新築工事の需要は、比較的堅調に推移するものと見込まれます。
一方、民間の一戸建や集合住宅の改修案件につきましては、需要は持ち直してきておりますが、景気先行き懸念による消費マインドの低下により、未だに不透明な状況が続いております。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業運営上必要な資金は、自己資金より充当することを基本としております。
運転資金需要のうち主なものは、製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
資金の流動性について、当第2四半期連結会計期間末の資金の残高は528億71百万円であります。これは主に普通預金であり、当社グループの事業活動に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。