【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(令和4年4月1日から令和5年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、経済社会活動の正常化を進め緩やかに持ち直しが見られたものの、半導体を始めとした部品調達の長納期化による販売の滞りや、資材価格の高騰などの影響を強く受けてまいりました。また、諸物価高騰により価格高騰の収束する見込みは立っておらず、経済活動が正常化に向かう動きが見られる中、様々な制約を受ける状況が続いてまいりました。新型コロナウイルス感染症対策は緩和され、緩やかに経済活動は持ち直しつつありますが、ウクライナ情勢の長期化による世界的な資源・原材料価格高騰、更には円安による輸入品価格の上昇も加わり先行きは依然として不透明な状況が続いてまいりました。
世界経済は、新型コロナウイルスの感染防止対策と経済活動の両立が進み、改善傾向が見られた一方、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱、長期化するウクライナ情勢の影響等を背景とし、各種価格の高騰や為替相場の不安定な動きを招き、更には米国での銀行破綻や欧州での金融不安から金融市場が不安定となる局面も発生するなど、景気の先行き不透明な状況が続いてまいりました。 このような環境の下、当社グループにおきまして、販売面では収益の改善に注力し、激変する市場環境に対応する新たな成長領域への取り組みを推し進め、開発及び生産面では付加価値の高い新製品の開発と経費削減を進めてまいりました。売上高は、競合他社との価格競争の激化等が続く中、新型コロナウイルス感染症に伴う世界的な半導体不足等により、部品調達の改善に全力で取り組んでまいりましたが、供給遅延による工場での製品の生産が滞り、完成に通常以上の時間を要したことなどの影響を受け、各国における市場での販売活動範囲が狭められ国内での販売活動も減速するなど、これまで厳しい状況が続いてまいりました。
このような結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は、円安による為替レートの影響もあり前連結会計年度に比して1.6%増加の54億74百万円(前連結会計年度は53億89百万円)となりました。 利益面につきましては、売上高は増収となりましたが、前連結会計年度よりも原材料、諸経費の価格は高騰し原価を圧迫、販売費及び一般管理費も削減に努めましたが増加に転じるなど利益回復までには至らず、当連結会計年度の営業利益は7億51百万円の営業損失(前連結会計年度は5億62百万円の営業損失)、経常利益はこれまでの為替差益が為替差損に転じるなどで7億56百万円の経常損失(前連結会計年度は4億32百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に欧州再編成に伴う事業構造改革費用25百万円を計上しましたが、特別利益にアメリカにおいて第2回目の新型コロナウィルス経済救済法によって提供されている給与補償プログラム(Paycheck protection program)の債務免除益1億50百万円を計上したことから6億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は4億48百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と損失を計上する結果となりました。
なお、当社グループの事業は、画像情報機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比して4億62百万円減少して11億16百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果、資金は7億35百万円の減少(前連結会計年度は2億56百万円の減少)となりました。この主な要因は、減価償却費1億62百万円、売上債権の減少1億54百万円等による資金の増加はありましたが、税金等調整前当期純損失6億33百万円、仕入債務の減少2億75百万円等、資金の減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果、資金は36百万円の減少(前連結会計年度は75百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の増加による支出36百万円等、資金の減少によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果、資金は1億41百万円の増加(前連結会計年度は1億76百万円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出80百万円、リース債務の返済による支出58百万円等の資金の減少はありましたが、長期借入金3億円の資金の増加によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
第74期平成31年3月期
第75期令和2年3月期
第76期令和3年3月期
第77期令和4年3月期
第78期令和5年3月期
自己資本比率(%)
73.2%
66.6%
71.7%
69.2%
69.6%
時価ベースの自己資本比率(%)
18.7%
11.8%
14.9%
15.3%
13.9%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
-年
-年
-年
-年
-年
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
-倍
-倍
-倍
-倍
-倍
(注)
1 各指標の算出方法は以下のとおりです。 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い 2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 3 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式総数により計算しております。 4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象とし
ております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用してお
ります。
5
営業キャッシュ・フローはマイナスのためキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・ カバレッジ・レシオは記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
事業部門の名称
金額(千円)
前期比(%)
大判型デジタル機器
2,780,734
△19.8
(注)
金額は、製造原価によっております。
(b) 受注実績当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
事業部門の名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
大判型デジタル機器
5,718,375
7.6
375,320
185.7
(注)
当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、一部の部材において不足が発生し、生産が受注に対応出来ず増加したためであります。
(c) 販売実績当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
事業部門の名称
金額(千円)
前期比(%)
大判型デジタル機器
5,474,413
3.8
(注)
1
金額は、販売価格によっております。
2
当連結会計年度及び前連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、すべて10%未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、これらについて継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
前連結会計年度令和4年3月31日
当連結会計年度令和5年3月31日
増減(△)率
資産の部
6,480,273千円
6,105,621千円
△5.78%
負債の部
1,995,411千円
1,854,631千円
△7.06%
純資産の部
4,484,862千円
4,250,990千円
△5.21%
(資産の部)当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比して3億74百万円減少し61億5百万円となりました。流動資産につきましては、前連結会計年度末に比して4億98百万円減少し38億77百万円となりました。これは主として、現金及び預金で4億62百万円等が減少したことによります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して1億23百万円増加し22億28百万円となりました有形固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して1億67百万円増加し14億12百万円となりました。投資その他の資産につきましては、前連結会計年度末に比して42百万円減少し7億49百万円となりました。
(負債の部)当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比して1億40百万円減少し18億54百万円となりました。流動負債につきましては、前連結会計年度末に比して1億47百万円減少し12億65百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の関係会社長期借入金1億円等の増加はありましたが、支払手形及び買掛金1億70百万円、未払金及び未払費用1億20百万円等が減少したことによります。固定負債につきましては、前連結会計年度末に比して6百万円増加し5億88百万円となりました。
(純資産の部)純資産につきましては、前連結会計年度末に比して2億33百万円減少し42億50百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定4億88百万円の増加ありましたが、利益剰余金6億59百万円、退職給付に係る調整累計額67百万円が減少したことによります。
(b)経営成績の分析
前連結会計年度(自令和3年4月1日至令和4年3月31日)
当連結会計年度(自令和4年4月1日至令和5年3月31日)
増減(△)率
売上高
5,389,627千円
5,474,413千円
1.57%
売上総利益
1,461,140千円
1,501,934千円
2.79%
営業損失(△)
△562,740千円
△751,660千円
–
経常損失(△)
△432,248千円
△756,781千円
–
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
△448,721千円
△659,479千円
–
(売上高)主な要因といたしましては、当期も競合他社との企業間価格競争に加え、新型コロナウイルスの世界における感染拡大に伴う影響で、半導体部品の欠品等は続きましたが、期中において北米の売上げに回復基調が見られ、為替の影響も受け売上高は前連結会計年度より増収となりました。大判型カラープリンタは、原価の見直しや開発において時間を要し本格的な販売までに至らず、部品の欠品などで米市場への導入が引き続き遅れたことも売上げが押し上げられない要因となりました。当社グループにおける当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比して、1.5%増加の54億74百万円(前連結会計年度は53億89百万円)となりました。
(売上総利益)売上総利益は、目標としている売上総利益率25.0%を超え27.4%となりました。当連結会計年度は、付加価値の高いパーツ・消耗品に回復の兆しが見られ、15億1百万円の売上総利益(前連結会計年度は14億61百万円の売上総利益)となりました。
(営業損益)営業利益は、売上高は増収となりましたが、前連結会計年度よりも原材料、諸経費の価格は高騰し原価を圧迫、販売費及び一般管理費も削減に努めましたが、増加に転じるなど利益回復までには至らず、当連結会計は7億51百万円の営業損失(前連結会計年度は5億62百万円の営業損失)となりました。
(経常損益)経常利益は、これまでの為替差益が為替差損に転じるなどで7億56百万円の経常損失(前連結会計年度は4億32百万円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失に欧州再編成に伴う事業構造改革費用25百万円を計上しましたが、特別利益にアメリカにおいて第2回目の新型コロナウィルス経済救済法によって提供されている給与 補償プログラム(Paycheck
protection program)の債務免除益1億50百万円を計上したことから6億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は4億48百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と損失を計上する結果となりました。
(c)キャッシュ・フローの分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(d)資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループが必要とする資金需要のうち主なものとしては、原材料や商品の仕入等の購入費用、開発費や人件費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金や投資を目的とした設備投資等資金であります。基本的には、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を財源としており、状況に応じて関係会社及び金融機関等からの調達を行うこととしております。当社グループは、事業運営において必要な流動性資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、関係会社及び金融機関等からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11億16百万円となっており、現在の現金及び現金同等物の残高水準については、当面事業を継続していくうえで必要な流動性を確保しているものと考えております。
(3)継続企業の前提に関する重要事象等についての分析、検討内容及び解消、改善するための対応策当社グループは、「第2(事業の状況)3(事業等のリスク)(13)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該状況等を解消し、又は改善するための対応策として、次について取り組んでおります。 ① 収益構造の改善、② 生産構造改革、③ 技術開発部門等の業務改革、④ 組織体制の見直し及び人員削減等による合理化、⑤ 新規事業等の取組み、⑥ 固定資産の有効活用、⑦ 資金繰りについて当社グループの対応策の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
