【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における経済環境は、新型コロナウイルス感染拡大が、国内外の経済や社会、個人の生活に影響を与える状況が継続しました。新型コロナウイルス感染拡大に対しては、当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、感染拡大を防ぐための取組みを実施しております。また、デジタルを活用した販売・マーケティングを強化する等、顧客のライフスタイルや嗜好の変化に適合するための様々な施策を推進しました。それに加え、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)の世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに強化し、グローバルでの展開を拡大するための取組み、成長の可能性が高い地域や事業の強化に向けた取組み、世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOでグループが一体となり総合力の発揮を目指す取組み等の施策を推進しました。
当第2四半期連結累計期間につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により、国内外の多くの地域で小売店やアミューズメント施設の休業、イベントの中止等で各事業が大きな影響を受けた前年同期を上回る業績となりました。新型コロナウイルス感染拡大による影響はあるものの、各事業において顧客のライフスタイルや嗜好の変化に適合するための様々な施策をスピーディに推進したことや、グループの幅広い事業のポートフォリオが効果を発揮しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高393,646百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益61,751百万円(前年同期比34.4%増)、経常利益64,111百万円(前年同期比35.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益39,527百万円(前年同期比24.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
①デジタル事業
デジタル事業につきましては、家庭用ゲームにおいて「テイルズ オブ アライズ」等の新作タイトルの販売が好調だったほか、既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移しました。また、ネットワークコンテンツにおいては、主力タイトルが安定的に推移したものの、好調だった前年同期には及びませんでした。なお、当第2四半期連結累計期間においては、前年同期と比較し新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が先行しました。
この結果、デジタル事業における売上高は149,597百万円(前年同期比10.7%減)、セグメント利益は26,008百万円(前年同期比24.6%減)となりました。
②トイホビー事業
トイホビー事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、ロト等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティングや、海外における展開拡大により好調に推移しました。また、前年同期にアミューズメント施設の休業により影響を受けたプライズ等の商品販売が回復しました。さらに、国内においては、定番IPや新規IPを活用した玩具に加え、菓子やカプセルトイ、海外向けのトレーディングカード等の玩具周辺商材が人気となりました。
この結果、トイホビー事業における売上高は178,123百万円(前年同期比35.9%増)、セグメント利益は33,092百万円(前年同期比73.1%増)となりました。
③映像音楽事業
映像音楽事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行ったほか、IP関連のライセンス収入が業績に貢献しました。また、ライブイベントにおいては、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたこと等により、前年同期に比べ開催回数が増加しました。
この結果、映像音楽事業における売上高は23,627百万円(前年同期比69.7%増)、セグメント利益は3,059百万円(前年同期比183.8%増)となりました。
④クリエイション事業
クリエイション事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の公開増加により制作収入が増加しましたが、コスト先行のビジネスモデルのため利益への影響は限定的となりました。また、ガンダムの人気拡大に伴い商品化権収入が好調でしたが、IPの情報発信を行う「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。
この結果、クリエイション事業における売上高は15,696百万円(前年同期比64.2%増)、セグメント利益は909百万円(前年同期比52.5%減)となりました。
⑤アミューズメント事業
アミューズメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で139.1%となり回復の兆しが見えたほか、欧州やアジアのアミューズメント施設についても前年同期比で回復しました。アミューズメント事業においては、今後も効率化に加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進し収益基盤の強化を目指します。
この結果、アミューズメント事業における売上高は39,005百万円(前年同期比60.4%増)、セグメント利益は2,447百万円(前年同期は8,022百万円のセグメント損失)となりました。
⑥その他事業
その他事業につきましては、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
その他事業における売上高は13,642百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は580百万円(前年同期比60.4%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ64,451百万円増加し797,233百万円となりました。これは主に商品及び製品が9,152百万円、仕掛品が9,876百万円、投資有価証券が44,546百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ13,773百万円増加し235,122百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が4,533百万円、未払法人税等が10,295百万円増加したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ50,678百万円増加し562,111百万円となりました。これは主に配当金の支払額19,996百万円があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益39,527百万円を計上したこと等により利益剰余金が19,710百万円、その他有価証券評価差額金が30,451百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.7%から70.5%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ2,083百万円増加し、205,782百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は31,329百万円(前年同期は4百万円の支出)となりました。これは棚卸資産の増加額が20,076百万円(前年同期は18,067百万円)等の資金の減少要因はありましたが、税金等調整前四半期純利益が64,836百万円(前年同期は45,059百万円)となったことにより、全体としては資金が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10,118百万円(前年同期比51.1%減)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が11,852百万円(前年同期は10,212百万円)であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は21,063百万円(前年同期は11,521百万円の収入)となりました。これは主に配当金の支払額が19,996百万円(前年同期は24,606百万円)であったことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
なお、当社では、2022年4月にスタートする次期中期計画より、現在の企業理念に代わり、バンダイナムコの社会における存在意義や、なぜその事業や企業活動を行うのかを表す「パーパス」と、パーパスにこめた思いを具現化した新たなコーポレートロゴマークを導入することを決定しました。これにより、各社の個性を活かしながらこれまで以上に各地域でグループの一体感と総合力を高め、グループブランドの価値を向上することを目指してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は9,448百万円であります。また、このほかに、主な開発部門で発生したゲームコンテンツ等に係る支出額は35,822百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画から著しい変更はありません。
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