【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)のわが国経済は、円安に伴うエネルギーコストや物価の上昇が続きましたが、個人消費やインバウンド需要の増加により、景気は緩やかに回復しました。米国経済は、金融引き締めの影響を受けながらも、良好な雇用情勢により個人消費が堅調に推移しました。欧州経済は、インフレの圧力が続き、個人消費が停滞したことで景気の回復は低調となりました。中国経済は、不動産市場の低迷や個人消費の鈍化により、景気の減速が継続しており、先行きの不透明感が強まりました。
このような状況において当社は、中期成長目標「Vision 2025」に基づき、売上高と営業利益率の目標達成を通して持続可能な成長の実現を目指しています。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は92,555百万円と前年同期比5.6%の増収となり過去最高を更新しました。また利益につきましては、営業利益は5,689百万円と前年同期比4.3%の減益、経常利益は7,608百万円と前年同期比11.4%の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,052百万円と前年同期比2.2倍の増益となり過去最高を更新しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を「コンデンサおよびその関連製品」の単一セグメントから、「コンデンサ事業」と「NECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業」の2区分に変更しています。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で表示しています。
(コンデンサ事業)
コンデンサ事業における売上高は55,067百万円(前年同期比5.8%減)、セグメント営業利益は4,250百万円(前年同期比23.9%減)と減収減益となりました。
自動車・車両関連機器分野向けは顧客の半導体不足が解消され、駆動用インバータ向けxEV用フィルムコンデンサが国内向けは堅調に推移、海外向けは増産となりました。各種ECU向けに需要が拡大している導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサは、昨年からの設備投資効果により大きく伸長、今後の受注拡大が見込まれます。情報通信機器分野向けは導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサがPC、VGA用途は低調であったものの、生成AIサーバーなどデータセンター用途が好調です。白物家電・産業用インバータ機器分野およびエネルギー・環境・医療機器分野向けについては、中国市況低迷に伴い産機インバータ、パワーコンディショナー用途のアルミニウム電解コンデンサが足元で影響を受けているものの、省人化・自動化・再生可能エネルギーの普及加速などを背景に、今後の拡大が見込まれます。当社におきましては、今後さらなる需要拡大が見込まれるxEV用フィルムコンデンサの生産能力拡大、技術開発体制強化、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの製品ラインナップ強化により、各重点市場においての更なる受注拡大をはかってまいります。
(NECST事業)
NECST事業における売上高は37,487百万円(前年同期比28.5%増)、セグメント営業利益は1,436百万円(前年同期比3.9倍の増益)と大幅な増収増益となりました。
日本市場でEVの選択肢が増加する中で、急速充電器などEVが安心して走行するために必要なインフラの普及が加速してきました。また、円安とエネルギー価格の上昇により、売電していた太陽光発電電力を蓄電して自家消費し、更にEV走行にも活用する動きが加速し、家庭用蓄電システム「トライブリッド蓄電システム®(※)」やV2Hシステムの「EVパワー・ステーション®」が好調に推移しました。再エネの増加などにより、益々高度化するエネルギーネットワーク社会にとって、急速充電器・トライブリッド蓄電システム®・EVパワー・ステーション®は、単なる充放電器としての機能だけでなく、「モビリティとグリッド(電力網)をつなぐ機器」としての重要性が増しています。今後の更なるEV化の進展に合わせ、急速充電器や公共・産業用蓄電システムの展開による社会インフラ構築や一般消費者の生活でのCO2削減と利便性向上の両立に対し、事業活動を通じて貢献してまいります。
※トライブリッド蓄電システム®:蓄電池、太陽電池、EVの蓄電池3つの電池を効果的につなぎ合わせ、電気の家産家消に寄与するニチコン独自の家庭向け蓄電システム。
設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資や当社のコア事業であるアルミ電解コンデンサやxEV向けフィルムコンデンサの生産能力増強、NECST製品生産工場の建屋増築などを中心に8,822百万円の設備投資を実施しました。
なお、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
コンデンサ事業
6,654百万円
NECST事業
2,168百万円
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,896百万円増加し29,964百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ8,825百万円収入が増加し、10,617百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が7,568百万円、減価償却費を3,245百万円計上し、仕入債務の増加額が3,171百万円となったこと、および売上債権の減少額が2,411百万円となった一方で、和解金の支払額が2,796百万円、棚卸資産の増加額が1,600百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ5,090百万円支出が増加し、8,583百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却・償還による収入が520百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が6,469百万円、長期貸付金による支出が1,652百万円となったことに加え、有価証券・投資有価証券の取得による支出が940百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ9,959百万円収入が減少し1,612百万円の収入となりました。これは主に、配当金の支払額が1,094百万円となりましたが、短期借入金の純増加額が3,000百万円となったことなどによるものです。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は3,240百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
コンデンサ事業
937百万円
NECST事業
2,303百万円
