【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかに持ち直しの動きが続いております。先行きについては、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、原油価格の高騰により依然として原材料価格は高値を維持しており、昨年度に引き続き販売価格への転嫁を実施しつつも依然として予断を許さない状況です。
このような環境のもと、中期経営計画「変革への決意 Commit to Transformation 2023(CX2023)」の2年目として、「1.社会課題の解決、2.新事業・新製品・新技術の獲得、3.ボーダレスの加速、4.デジタルの実装、5.グループ経営の再整備、6.経営基盤の進化」の6つの重点実施項目を設定し計画達成に向け事業活動を行ってまいりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高は72,515百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は3,090百万円(前年同期比35.5%減)、経常利益は3,318百万円(前年同期比33.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,862百万円(前年同期比46.5%減)となりました。
次に、事業セグメント別の概況をご報告します。
建築資材事業セグメント
住設建材事業は、製品値上げに伴う売上高の増加がありましたが、建設資材や畜産飼料価格の高騰による設備投資減少の影響を受け、非住宅物件および畜産資材の販売が低調に推移し、全体の売上はほぼ前年並みの結果となりました。
床・建装事業は、床部門において、マンション改修工事物件への販売が引き続き順調に推移しました。建装部門においては、海外市場の主力である欧州市場の減速、中国、アジアの回復遅れが継続し、全体の売上はほぼ前年並みの結果となりました。
その結果、建築資材事業セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上高は22,259百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は1,154百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
環境資材事業セグメント
アグリ事業は、原材料価格高騰を反映し、需要期に合わせた価格改定が西日本から東日本に浸透する過程において駆け込み需要が引き続き発生しており、農業用資材全般が堅調に推移し増収となりました。
インフラマテリアル事業は、業界全体に新型コロナウイルスによる土木工事の発注数の減少および工事の中断などの影響が継続しており、当社の受注案件についても大型工事物件の長期中断や工事計画自体の変更などの影響が継続しました。また、前期は堅調であったハウエル管の大型物件への販売が低調に転じたため、減収となりました。
その結果、環境資材事業セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上高は25,774百万円(前年同期比1.6%減)、営業損失は8百万円(前年同四半期は671百万円の営業利益)となりました。
高機能材事業セグメント
高機能材事業は、半導体需要の好調持続により、製造装置向けの工業用プレート、エンプラ材の販売は高い水準を維持しました。電子回路基板向けのナノ材料販売は、ここにきて市況にやや一服感が出始めましたが期間を通して堅調に推移しました。眼鏡フレーム用アセテート板の販売については、海外ブランドからの引き合いが引き続き旺盛で伸長しました。マイクロモータは、上海ロックダウンによる操業停止の影響で減収となりましたが、操業再開後はフル稼働状況に転じ急速に回復方向に推移しています。これにより、事業全体は増収となりました。
その結果、高機能材事業セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上高は11,665百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は1,424百万円(前年同期比18.8%減) となりました。
機能フィルム事業セグメント
ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内販売および欧州市場で堅調に推移し、北米においては原材料のタイトな状況から数量面では苦戦を強いられたものの製品値上げと円安効果により増収となりました。
サンジップ事業は、ジッパーテープが国内販売は好調ながら、海外販売は上海ロックダウンにより2ヶ月間に亘る操業停止を余儀なくされた影響により減収となりました。
その結果、機能フィルム事業セグメントの当第2四半期連結累計期間における売上高は12,457百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は483百万円(前年同期比56.0%減)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末より6,134百万円増加し、153,196百万円となりました。これは主に現金及び預金が減少したものの、預け金、商品及び製品、原材料及び貯蔵品が増加したことによるものです。
一方、負債は、前連結会計年度末より4,451百万円増加し、59,457百万円となりました。これは主に未払法人税等が減少したものの、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したことによるものです。
また、純資産は、前連結会計年度末より1,683百万円増加し、93,738百万円となりました。自己資本比率は、59.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、6,706百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,446百万円の収入となりました。これは、主に棚卸資産の増加3,633百万円の支出要因があったものの、税金等調整前四半期純利益3,044百万円、減価償却費2,607百万円の収入要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,253百万円の支出となりました。これは、主に有形固定資産の取得1,614百万円、預け金の増加3,107百万円の支出要因によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、525百万円の支出となりました。これは、主に短期借入金の増加額1,155百万円の収入要因があったものの、配当金の支払額1,559百万円の支出要因によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等についての重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間に支出した研究開発費は基礎研究に係るもので、総額642百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完成したものは次のとおりであります。
会社名事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
完了年月
タキロンテック㈱
(兵庫県たつの市)
高機能材事業
製造設備
2022年7月