【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況(a)経営成績当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、企業収益は総じて改善しているほか、個人消費が持ち直す等、景気は緩やかに回復しています。先行きについては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、社会経済活動の正常化が進展し、景気が回復していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢等による不透明感が見られる中で、原油価格の高止まり、物価上昇、供給面での制約等による影響に十分注意する必要があります。
当社グループを取り巻く環境は引き続き厳しく、当第2四半期連結累計期間は、前年同期比較で、乗船客数及び関連する大島島内でのホテルやバスなどの利用は回復傾向となりましたが、コロナ禍以前との比較では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が遅れ、乗船客数は約8割の水準に留まっています。一方で貨物輸送量は、生活関連品目が堅調に推移しましたが全体としては微減となりました。
このような状況の下、当社グループでは、コスト削減に加えて各種補助制度の利用に努め、また感染防止に取り組みながら安全運航に努めました。 この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、乗船客数の増加等により、売上高は60億9千8百万円(前年同期59億1千9百万円)と増加しました。一方、費用面で船舶燃料費、船舶修繕費等の増加があり、営業損失は8億2千3百万円(前年同期営業損失7億8百万円)、営業外収益に宿泊施設バリアフリー化支援の補助金収入を計上したことなどにより、経常損失は7億3千4百万円(前年同期経常損失7億3千6百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億2千9百万円(前年同期純損失4億4百万円)となりました。
なお、当社グループは、2023年の事業の活性化策として、「変化への挑戦 東海汽船 2023」を掲げ、この先150年、200年とバトンを繋いでいくためには、日々変化していくことが継続への力になると信じ、全社一丸となって、業績向上に努めます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
《海運関連事業》
主力の海運関連事業の旅客部門は、大島の最大イベント「椿まつり」が昨年に続き本年も通常開催となったことから、個人向け商品の営業を強化したほか、高速ジェット船では東京湾周遊クルーズや臨時運航(江の島、千葉、木更津、御前崎)、客船による横浜~東京夜景クルーズ、全国旅行支援「ただいま東京プラス」や都内観光促進事業(もっとTokyo)等を活用した企画商品販売等により集客に努めました。また、ジオパーク教育ツアーなど自然環境観光型をテーマとした新たなツアーを実施しました。この結果、乗船客数は29万1千人(前年同期23万1千人)と増加しました。一方、貨物部門は、引き続きお客様の利便性と集荷効率の引き上げを図り、集荷に遺漏がないように取り組んだ結果、生活関連品目が堅調に推移しましたが、工事関連品目がやや減少し、貨物取扱量は全島で15万1千トン(前年同期15万7千トン)となりました。 この結果、当事業の売上高は、52億9千7百万円(前年同期51億5千7百万円)と増収となりましたが、一方、費用面で船舶燃料費、船舶修繕費等の大幅な増加があり、営業損失は6億2千9百万円(前年同期営業損失5億2千7百万円)となりました。
《商事料飲事業》商事部門は、関係先と連携を密にし工事情報を積極的に収集するなど販売強化に取り組みましたが、公共工事等の遅れから島しょ向けセメントや燃料販売等が減少しました。一方で、料飲部門は、旅客の回復により売上が増加したほか、自販機ビジネスの委託化、船舶レストランのメニュー見直し等を行いました。なお、商事部門においては、島しょ向け生活通販「ショップ東海」と島産品の全国向け販売「島ぽち」のECサイトを積極的にPRし、島民の皆さまの利便性向上と物流の活性化に取り組んでおります。
この結果、当事業の売上高は6億1千5百万円(前年同期6億1千4百万円)、営業利益は3千8百万円(前年同期3千4百万円)となりました。
なお、東汽商事株式会社については、4月1日付けで東海汽船株式会社が吸収合併し、より一層の業務効率化を図ってまいります。
《ホテル事業》大島温泉ホテル事業は、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望など、「島の魅力」を前面に押し出した営業活動を行いました。また、大島の最大イベント「椿まつり」が昨年に続き通常開催され、全国旅行支援「ただいま東京プラス」や都内観光促進事業(もっとTokyo)等を活用した個人向け宿泊プランを中心に造成し集客に努め、宿泊客は増加しました。また、客室の一部を当館初のバリアフリー対応の洋室にリニューアルし、新たなニーズへの対応を進めました。
この結果、当事業の売上高は1億4千7百万円(前年同期1億2千1百万円)と増収となりましたが、費用面で人件費などが増加したため、営業損失は1千3百万円(前年同期営業損失1千1百万円)となりました。
《旅客自動車運送事業》当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、お客様に安心してご乗車いただくため、「安全運行」と「良質のサービスの提供」を基本理念とした安全方針に基づき、全社一丸となって安全運行に取り組んでおり、貸切バスにおいては、日本バス協会の安全性評価制度における最高評価となる三ッ星を更新するなど長期優良事業者として認定を受けております。大島の最大イベント「椿まつり」が昨年に続き通常開催される等、貸切バスの団体需要もあり、乗客数は増加しました。
この結果、当事業の売上高は1億4千万円(前年同期1億2千5百万円)、営業利益は7百万円(前年同期営業損失0百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町から継続的な支援を受けております。
(b)財政状態当第2四半期連結会計期間末の総資産は230億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億7千2百万円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が1億6千万円、営業未収金が4億1百万円、船舶の減価償却などにより有形固定資産が2億9千1百万円減少した一方で、繰延税金資産が9千3百万円増加したことによるものです。
負債は173億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ3千9百万円減少しました。その主な要因は、借入金が7億6千7百万円減少した一方で、船舶検査費用などの営業未払金が4億7千2百万円、前受金などのその他流動負債が1億4千5百万円、固定資産圧縮未決算勘定が1億5百万円増加したことによるものです。
純資産は57億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億3千3百万円減少しました。その主な要因は、利益剰余金が6億2千9百万円減少したことによるものです。
(c)キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、7億1千万円のキャッシュ・イン(前年同期12億8千8百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金増加項目である減価償却費6億5千1百万円、仕入債務の増加額4億7千2百万円、売上債権の減少額4億1百万円が、資金減少項目である税金等調整前四半期純損失7億3千4百万円を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1億3百万円のキャッシュ・アウト(前年同期1億2千1百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億2千8百万円が、補助金の受入による収入2億2千4百万円を上回ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、7億6千8百万円のキャッシュ・アウト(前年同期2億3千6百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、借入金の純減少額7億6千7百万円によるものです。 以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ1億6千万円減少し、43億6千2百万円となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 従業員数当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(7) 主要な設備前連結会計年度末における新設、除却等の計画について、著しい変動はありません。また、当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。