【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概況当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和により、経済社会活動の正常化がすすみ、個人消費を中心に持ち直しの動きがみられるものの、世界的な資源・エネルギー価格の上昇やインフレの昂進、急激な為替相場の変動等により物価上昇圧力が高まるなど、その先行きは依然として不透明な状況が続いております。 主として荷物用エレベーターの製造・販売、据付及び保守・修理を展開する当社においても、鋼材をはじめとする資材価格の高止まりや、円安による輸入資材価格の上昇が、足元の収益を押し下げております。その一方、eコマース市場の拡大や物流施設の大型化、生産拠点の国内回帰という市場環境の中、受注状況は堅調であり、新規受注時における販売価格の見直し、一部資材の国内調達への切り替え、内製化によるコストメリットの追求等の施策を行ってまいりました。この結果、当事業年度の売上高は15,416,893千円(前事業年度比11.0%増)、営業利益は777,451千円(同57.2%減)、経常利益は791,167千円(同56.9%減)、当期純利益は641,705千円(同44.0%減)となりました。なお、当事業年度末における受注残高は13,912,714千円(前事業年度末比21.2%増)となりました。
財政状態
(資産)当事業年度末における総資産は、12,766,962千円(前事業年度末12,022,374千円)となり、744,587千円増加しました。これは主に、鳥浜工場(仮称)の着工による建設仮勘定の増加636,662千円、受取手形、電子記録債権、売掛金、契約資産の増加483,782千円、原材料及び貯蔵品の増加381,931千円、仕掛品の増加221,977千円、現金及び預金の減少1,310,041千円によるものです。
(負債)当事業年度末における負債は、5,228,028千円(前事業年度末4,768,961千円)となり、459,066千円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加681,313千円、工事損失引当金の増加160,530円、前受金の減少166,027千円、未払法人税等の減少137,931千円によるものです。
(純資産)当事業年度末における純資産は、7,538,933千円(前事業年度末7,253,413千円)となり、285,520千円増加しました。これは主に、配当金の支払389,992千円、当期純利益の計上による増加641,705千円によるものです。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ1,310,042千円減少し、2,566,646千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は50,276千円(前事業年度は1,114,967千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益が791,167千円、減価償却費が116,015千円、仕入債務の増加額が681,313千円、工事損失引当金の増加額が160,530千円です。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額が603,908千円、売上債権及び契約資産の増加額が483,783千円、法人税等の支払額が446,989千円、前受金の減少額が166,027千円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用した資金は871,648千円(前事業年度は222,066千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が730,430千円、無形固定資産の取得による支出が36,536千円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動に使用した資金は513,004千円(前事業年度は1,313,501千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額389,541千円、長期借入金の返済による支出116,284千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましては、セグメント別の記載を省略しております。
a.生産・販売実績当事業年度における生産・販売実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
売上種類の名称
生産高・販売高(千円)
前事業年度比(%)
エレベーター(船舶用を除く。)
8,626,933
123.3
船舶用エレベーター
512,478
112.5
保守・修理
6,522,699
105.2
合計
15,662,111
114.7
(注) 生産高・販売高について、「船舶用エレベーター」には部品の販売金額が、「保守・修理」には保守点検業務にかかる受託金額が、それぞれ含まれております。
b.受注実績当事業年度における受注実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
売上種類の名称
受注高(千円)
前事業年度比(%)
受注残高(千円)
前事業年度比(%)
エレベーター(船舶用を除く。)
10,453,435
113.4
11,760,282
118.4
船舶用エレベーター
834,380
138.8
1,038,466
144.9
保守・修理
2,644,280
102.6
1,113,966
133.8
合計
13,932,095
112.4
13,912,714
121.2
(注) 1.「保守・修理」については、修理・改修業務にかかる受注高及び受注残高を記載しており、保守契約に基づく保守点検業務については、受注高及び受注残高に含めておりません。 2.上記金額のうち外貨建については、㈱三菱UFJ銀行が公表した各期末日におけるTTM(公表仲値)によって円換算しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。当社は、財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当事業年度の売上高は15,416,893千円(前事業年度比11.0%増)となりました。売上種類別の変動要因は次のとおりです。a. 「エレベーター(船舶用を除く。)」の売上高は、着工及び納品がおおむね順調に推移し、8,442,585千円(前事業年度比17.2%増)となりました。このうち、新規設置は454台(前事業年度は396台)で、売上高は7,489,116千円(前事業年度比14.1%増)、入替は23台(前事業年度は19台)で、売上高は953,468千円(前事業年度比49.2%増)となりました。b.
「保守・修理」の売上高は、6,522,699千円(前事業年度比5.2%増)となりました。これは、保守・点検契約の解約・休止台数が131台(前事業年度は107台)となる一方で、新規契約台数は402台(前事業年度は413台)、再契約台数は59台(前事業年度は20台)となったことから、期末の保守・点検契約台数は6,718台(前事業年度は6,388台)となったことなどによるものです。c.「船舶用エレベーター」の売上高は、451,608千円(前事業年度比6.7%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)売上原価は、12,940,220千円(前事業年度比23.3%増)、売上総利益は2,476,672千円(前事業年度比27.0%減)となりました。また、売上高総利益率は、資材価格の上昇に加え、利益率の良い「保守・修理」の構成割合が低下したことなどにより16.1%(前事業年度は24.4%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は、1,699,221千円(前事業年度比8.0%増)となりました。人員増に伴い主として人件費が増加しております。以上の結果、営業利益は、777,451千円(前事業年度比57.2%減)となり、売上高営業利益率は5.0%(前事業年度は13.1%)となりました。
(営業外損益、経常利益)営業外収益は、作業くず売却益、受取返戻金等の計上により、94,119千円(前事業年度比1.4%減)、営業外費用は、為替差損の計上等により80,403千円(前事業年度比0.5%増)となりました。以上の結果、経常利益は、791,167千円(前事業年度比56.9%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)当事業年度において特別利益及び特別損失は計上されず、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額および、法人税等還付税額の計上の結果、当期純利益は、641,705千円(前事業年度比44.0%減)となりました。
財政状態の分析等については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社では、売上高総利益率及び売上高営業利益率を主要な経営指標とし、顧客ニーズへの対応や資材調達コストの削減、業務の効率化等を図ってその改善・向上に取り組んでおりますが、当事業年度の数値については、次のとおりとなっております。
第76期当事業年度
前事業年度比
売上高総利益率
16.1%
8.3ポイント低下
売上高営業利益率
5.0%
8.1ポイント低下
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。当社といたしましては、これらのリスクに対して継続的な状況把握に努めるとともに、対応策を検討してリスクの最小化・分散化を図っていきます。
(5) 資本の財源及び資金の流動性当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としておりますが、運転資金は自己資金及び受取手形・電子記録債権の割引を基本としております。また、継続的な成長を図るため、設備投資や研究開発の拡充に努めておりますが、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に資金調達を行う予定です。当事業年度末の現金及び現金同等物は2,566,646千円であり、流動性を確保しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
